興行収入250億円以上の大ヒット作『君の名は』に続くタッグ決定に伴い、主題歌のひとつ「愛にできることはまだあるかい」を使用した予告編映像が解禁された
新海監督によれば、当初は音楽オファーではなく、書き上がったばかりの脚本をRADWIMPSの野田洋次郎さんに送ったことがきっかけ。
制作への参加が決まってからは「お互い初めましての気持ちでやりましょう」「前回とは違うことをやりましょう」と話したという。
新海誠の3年ぶりの新作『天気の子』
東宝が夏の目玉作品として公開される『天気の子』は、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を「選択」する物語。離島から家出して東京にやってきた高校生・森嶋帆高を演じるのは、舞台「弱虫ペダル」シリーズの小野田坂道役で知られる醍醐虎汰朗さん。
帆高が出会う、“祈る”ことで天気を晴れにできる少女・天野陽菜の声を、実写映画『心が叫びたがってるんだ。』の森七菜さんが担当する。
キャラクターデザインは『君の名は。』から田中将賀さんが続投、作画監督はスタジオジブリ出身の田村篤さん、美術監督は『言の葉の庭』『BLAME!』の滝口比呂志さんだ。
楽曲を聴いて「これはつくるべき映画になる」
新海監督が『天気の子』の脚本を野田さんに送ったのは『君の名は。』公開からちょうど1年となる2017年8月26日。最初は音楽オファーのつもりではなかったもの、「この脚本から洋次郎さんの頭の中にどんな音が聴こえてくるのかを、個人的にどうしても知りたかった」という。その後、野田さんから「愛にできることはまだあるかい」を受け取り「これは作るべき映画になる」と強く思い、「こういう体験をしたかったのだと──洋次郎さんに脚本を送った理由を、自分自身で深く納得してしまいました」と語る。 野田さんによれば、音楽は「現在も鋭意制作中」であり、「前作以上にストーリー作りの場にも参加させて頂き、強固なチームワークの中で作品作りができている喜びを感じています」とコメント。
「恐らくそんじょそこらのカップルよりも頻繁に、毎日毎日新海さんとメールのやり取りをしながら作業を進めています」と、密なやり取りをしながら「最初に仕事をした時と何も変わらず、誰よりもまっすぐに純粋に頑固に、時に不器用に作品と向き合っています」と、リアルな制作現場の状況をうかがわせた。
『天気の子』の音楽は、僕からRADWIMPSにお願いしました。彼らとならば『君の名は。』でやったことも踏まえたうえで、もっと深いところまで観客と一緒に行けるのではと考えたからです。でもそういう理由とは別にして、(続く
— 新海誠 (@shinkaimakoto) 2019年4月9日
監督は自身のTwitterで、脚本を書き上げたときに読んでほしかった「誰か」として、最初に浮かんだのが野田さんだったと話している。「彼らとならば『君の名は。』でやったことも踏まえたうえで、もっと深いところまで観客と一緒に行けるのでは」と手応えを感じているようだ。続き)僕は『天気の子』の脚本を書き上げた時にそれを誰かに読んでほしくて、その「誰か」を考えた時に最初に浮かんだのが洋次郎さんだったのです。それが一昨年の夏でした。以来、RADとスタッフ達、帆高や陽菜たちと一緒にずいぶん長く旅してきた気がします。早く皆さんの元まで辿り着けますように。
— 新海誠 (@shinkaimakoto) 2019年4月9日
前作『君の名は。』での音楽の衝撃
新海監督とRADWIMPSという『君の名は。』以来のタッグ。前作も2014年の秋頃、『君の名は。』制作の初期段階で一緒にやることを決めていたという新海監督。公開時のKAI-YOU.netのインタビュー(関連記事)で、「脚本をお渡ししてから3〜4カ月で、脚本の全体的なイメージを基にして『前前前世』や『スパークル』といった楽曲のラフが上がってきました。それらの楽曲があまりにもすばらしかったんです」と語っている。 「たとえ映画から切り離したとしても、すごい楽曲をもらってしまった」「これほどの曲があるなら、ストーリーの中で音楽がイニシアチブを握る時間をつくらなくてはいけない」──そう思わせるほどの衝撃だったという。
そんな前作以上に、ストーリーづくりの場に参加しているRADWIMPS。果たしてどのような音楽が『天気の子』を彩るのか。今は公開された予告映像から、その全貌を探っていきたい。
新海誠監督、RADWIMPSコメント
新海誠監督コメント
『君の名は。』公開からちょうど1年となる2017年8月26日に、書き上がったばかりの『天気の子』の脚本を洋次郎さんに送りました。最初は音楽オファーのつもりでもなかったのですが、この脚本から洋次郎さんの頭の中にどんな音が聴こえてくるのかを、個人的にどうしても知りたかったのです。
その後『愛にできることはまだあるかい』を受け取って、「これは作るべき映画になる」と強く思えました。こういう体験をしたかったのだと──洋次郎さんに脚本を送った理由を、自分自身で深く納得してしまいました。
RADWIMPSとふたたび一緒に映画を作るにあたって最初に話したのは、「お互い初めましての気持ちでやりましょう」ということと、「前回とは違うことをやりましょう」ということでした。同じことはやらず、でももっと面白いものを。一度一緒に仕事をしているからこそ、僕たちは『君の名は。』を踏まえた上で、更に良いものを観客に届けることが出来るはずだと考えました。それは映画本編も同じです。前作とは違うもので、でももっと驚きと昂奮の詰まった作品にすべく、今はスタッフ全員で奮闘しています。
あたらしい物語と音楽を、楽しみにお待ちいただければとても嬉しいです。
(c)2019「天気の子」製作委員会RADWIMPSコメント
今回、新海誠監督の『天気の子』で音楽監督を務めさせて頂きます、RADWIMPSです。
2017年の夏、不意に監督から「脚本を読んでもらえませんか?」というメールを頂きました。僕は「喜んで読ませて頂きます」と返事をしました。そこから僕たちの『天気の子』の物語が始まりました。
現在も鋭意制作中です。前作以上にストーリー作りの場にも参加させて頂き、強固なチームワークの中で作品作りができている喜びを感じています。恐らくそんじょそこらのカップルよりも頻繁に、毎日毎日新海さんとメールのやり取りをしながら作業を進めています。
新海監督は最初に仕事をした時と何も変わらず、誰よりもまっすぐに純粋に頑固に、時に不器用に作品と向き合っています。そして各セクションのスタッフが目下全力でそんな監督を支えています。再び新しい冒険をご一緒させて頂けることを誇りに思います。
たまに心折れそうにもなりますが、(劇中に登場する)帆高や陽菜の懸命さに負けないよう自分ももがきながら作っています。この映画を観てくださる皆さんの中に、晴れやかな気持ちが広がりますように。
ぜひ、楽しみにしていて下さい。
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作品情報
天気の子
- 公開日
- 7月19日(金)全国東宝系公開
- 原作・脚本・監督
- 新海誠
- 音楽
- RADWIMPS
- 声の出演
- 醍醐虎汰朗 森七菜
- キャラクターデザイン
- 田中将賀
- 作画監督
- 田村篤
- 美術監督
- 滝口比呂志
- 製作
- 「天気の子」製作委員会
- 制作プロデュース
- STORY inc.
- 制作
- コミックス・ウェーブ・フィルム
- 配給
- 東宝
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