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ダイスケリチャードが「顔を描かない」理由

「デ」プライベートワーク

「デ」プライベートワーク

──ダイスケさんのイラストは女の子をモチーフに描かれることが多いですよね。

ダイスケ そうですね。女の子を描くのはやっぱり楽しいです。本当に幼い頃は落描きとして男の子のキャラクターも描いてはいましたが、デジタルできちんとイラストを描くようになってからは95%くらい女の子を描いているんじゃないかな。

──女の子を描くときにこだわるパーツなどはありますか?

ダイスケ 描いていて特に楽しいのは「髪の毛」ですね。

──髪型はボブの女の子が多いですよね。

ダイスケ 個人的な好みとしては黒髪のボブか、ちょっと長めの髪型が好きで。でも、似合わないボブにするくらいだったら、ちゃんと似合う髪型にしてあげたいですけどね。

──もうひとつ、ダイスケさんのイラストの大きな特徴として、キャラクターが後ろ向きであったり顔を伏せていたり、「顔を描かない」というのがあると思います。これまでに見たことのないスタイルだったので個人的にも新鮮な印象でしたが、これには何か理由があるのでしょうか?

ダイスケ 僕はもともと趣味でイラストを描き始めたので、これで生計を立てることは当初まったく考えていませんでした。だから、「自分のやりたくないことはやらない」というスタンスでやっていたんですね。

「顔」って人物の絵の中で一番キャッチーで面白いところでもあるんですけど、同時に一番難しいところでもあるじゃないですか。目の微妙な大きさの違いであったり、ちょっとした口元の角度や表情の機微であったり……そういうことが何だか面倒くさくなってしまって「じゃあもう顔描かなくてもいいや」という少し後ろ向きな理由から生まれたスタイルなんです。

──個人制作として自分が好きなように描いていった結果、それが自然とスタイルになっていったと。

ダイスケ 身も蓋もない話なのですが、「顔を描かない」というスタイルは特に戦略的な狙いがあってはじめたことではないんです。

人物のイラストを描くうえで「顔を描かない」というのはある種タブーのように感じていたのですが、描き続けていたら意外と周囲の評判が良くて、結果的にそれがスタイルのような形になりました。趣味で自分の好きなように描いていたからこそ生まれたものですね。

──三月のパンタシア「ビタースイート」のMVでは割としっかり顔を描かれていますよね。描いてみていかがでしたか?

ダイスケ すごく楽しかったです。顔を描くこと自体が楽しかったというよりは、普段描いていないから新鮮で楽しかったという感覚の方が近いですね。仕事として要望があればもちろんキャラクターの顔も描くのですが、個人制作の中では積極的に顔を描こうという気持ちにはならないですね……(笑)。
三月のパンタシア 『ビタースイート』
──パーカーやバックパック、漢字のタイポグラフィが施されたアイテムなど、イラスト内のファッションも特徴的だと思うのですが、普段ご自身もファッションを意識していたりしますか?

ダイスケ ファッションに関しては、実はそれほど興味がないんです。普段自分が購入する服も、好きなミュージシャンがそのブランドのモデルをやっているから買ってみようかな……というような感覚で。

ある日気が付いたら、持っている服が全部同じようなものばかりだったんです。無意識に選択していたんですね。イラスト内のファッションもこれと同じ要領で、ほとんど無意識に好みのものをセレクトしているんだと思います。

──ほかにも、ダイスケさんのイラストの中には「三角形」のモチーフもよくでてきますよね。

ダイスケ 三角形は、単純に昔からこの造形が好きだったんです。アクセサリーを買うにしても気が付いたら三角形ばかりだったり。デザイナー時代も何もアイデアが何も浮かばないときには、とりあえず三角形を配置して、それを動かしたり組み合わせたりしてひねり出してました。

僕がダイスケリチャード名義で活動をはじめるにあたってアイコンをどうしようかと考えていた時も、目の前の紙にたまたま三角形があったんですよ。だからそこに顔を描いて写真撮ってアイコンにしました。それで定着しちゃったし、そのままいこうかなと(笑)。
プロフィール画像

ダイスケリチャードのプロフィール画像

iPad Proとイラスト表現の変化

──イラストの制作ツールについてお話を聞ければと思います。ダイスケさんは現在はどういった環境で描かれているんですか?

ダイスケ iPad版のProcreateとCLIP STUDIO PAINTでイラスト制作の基本的な作業はすべて行っています。iPad Proでイラストの大半を制作して、最終的にMacのPhotoshop上で調整を行って仕上げるというような流れですね。

iPadだと容量の都合でレイヤーの枚数制限があるので、上限までいったらPCにpsdデータで送ってPhotoshopで続きを描くという感じです。iPadで可能な限り描いたものをMac上で組み立てる、みたいなイメージですね。

──ダイスケさんのようにiPad Proでイラストを描く方も年々増えてきていますよね。導入されたのはいつ頃ですか?

ダイスケ 一昨年の4月くらいですね。

──iPad Proを導入されてから、表現自体にも影響はありましたか?

ダイスケ 「面倒臭いことはやらない」と決めたきっかけのひとつがiPadでもあるんです。先ほどお話したレイヤーの枚数上限の影響もあって、あまり複雑に細かく描き込むようなスタイルはやめようと。今のようにシンプルな絵柄になったのはiPadを使うようになってからかもしれないですね。

──iPadを導入する以前は、比較的描き込みの多いイラストを描かれていた?

ダイスケ そうですね。影も二段階で表現したり、細かい描き込みを丁寧めにやるタイプだったんですが、iPadで描くようになってからはそうした細かい描き込みを省略していく方向に向かいました。自分にとってはこれが良かったように感じています。

──液晶タブレットと比較して違いはありますか?

ダイスケ 感覚としては、描き心地は液晶タブレットに近いですね。だけど、液晶タブレットって視差があるじゃないですか。奥行き感というか。自分はどうしてもあの感覚に慣れなかったんですが、iPadはそれが少ない感じがします。紙に描いているのとほぼ変わらない感覚で描けますね。

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この記事へのコメント(1)

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匿名のユーザー

匿名のユーザー

素敵なイラストレーターさんですね

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