主役の春日高男をつとめるのは、放送中のドラマ『今日から俺は!!』でトンガリ頭の伊藤真司役が話題の伊藤健太郎さん。
そして、彼に執拗につきまとう問題児・仲村佐和役には、モデル・女優として活躍する玉城ティナさん。
やり場のない思いを抱えた思春期を描いた本作に寄せて、伊藤健太郎さんは「春日を理解するのは難しいかもしれません。ただ、誰もがどこかに共感は出来ると思うんです」とコメント。
「クソムシが」という衝撃的なセリフで有名な仲村を演じる玉城ティナさんは「その時に得た感情をマイナスに捉えるだけではなく、その時期の感情を否定せずにいてほしい」と語った。
そして、春日が思いを寄せるマドンナ・佐伯奈々子役は数百人以上のオーディションから選ばれた15歳の秋田汐梨さん、春日と交流を深める常磐文役は飯豊まりえさんがつとめる。
『惡の華』実写化、井口昇と岡田麿里がタッグ
累計発行部数300万部を超える『惡の華』。2013年にはテレビアニメ化もされ、実写をトレースしてアニメを制作する「ロトスコープ」という珍しい手法で、静謐と狂気が混在する世界を描いて話題を呼んだ。
原作者から「『惡の華』を撮って頂くことは、長年の夢でした」と指名されたという。
そして、脚本は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や『心が叫びたがってるんだ。』といったアニメ作品で知られる岡田麿里さんが担当する。
これまで数々の作品で、行き場のない思春期の鬱屈とした感覚を描き出してきた岡田麿里さんが、『惡の華』の、山々に囲まれた閉塞的な街を舞台に織りなされる人間模様をどのように脚本にするのか注目したい。
誰もが通った思春期:出演者コメント
伊藤健太郎さんコメント
思春期は誰もが通ってきた道だと思います。ただ、誰と出会ってきたか、
どんなものを見たか、どんなものを読んだかでその先の道が決まっていくと思います。
その道はたくさんあって、何かに反発したり春日のような人がいたり。
春日を理解するのは難しいかもしれません。ただ、誰もがどこかに共感は出来ると思うんです。
『惡の華』を観た大人の方にはこういう思春期があったなと思い出して欲しいですし、
まだ思春期を迎えていない人達にもこの映画がどう映るのかが非常に楽しみです。
玉城ティナさんコメント
10代から20代の短い時期に感じた感情や気持ちは、これからの人生において
色褪せてほしくないし色褪せるべきでもないと思います。その時に得た感情をマイナスに捉えるだけではなく、
その時期の感情を否定せずにいてほしい。『惡の華』を観て、
この作品に光る共通のものを皆さんが見つけてくれたらいいなと思います。
秋田汐梨さんコメント
私は今高校生で今回の登場人物達に年齢が一番近いのですが、自分の学生生活とは全然違うので初めは戸惑いました。
仲村さんの事は全然わからない!笑
この映画は迫力のあるシーンがたくさんあって、私自身も挑戦的なシーンが多かったので大変でした。
自分の中学生時代と比較して見てもらえると面白いかなって思います!あ、あと監督がふわふわしていて癒されました!
飯豊まりえさんコメント
私はこの作品に出会って凄く衝撃を受けました。
人それぞれの思春期だったり環境だったりでこの作品は見方が変わるなって思っています。
誰しもが本来持っている、内に秘めている部分と普段は見せない部分を思い出させてくれる作品だと思います。
この映画を観た人が、それぞれの惡の華を語り合ってくれたらいいなと思っています。
ティーン世代の禁断のバイブル『惡の華』とは?
『漂流ネットカフェ』『ぼくは麻理のなか』などで知られる群馬県出身の漫画家・押見修造さんによる漫画『惡の華』。 『別冊少年マガジン』に2009年から5年間にわたって連載され、「このマンガがすごい!2011」オトコ編の10位にランクイン、「マンガ大賞2012」にもノミネートされた。中学2年生の主人公・春日が、魔が差して女子の体操着を盗んだところをクラスの問題児・仲村佐和に目撃されてしまい、秘密にする代わりにある「契約」を持ちかけられる、という内容。
「絶望」をテーマに主人公の鬱屈とした青春と行き場のない衝動を描き、過激なストーリー展開は読者に強烈なインパクトを与えた。
押見修造さんは、現在、親子の呪縛を描いた『血の轍』を雑誌『ビッグコミックスペリオール』で連載中。鬼気迫る描写がこちらも大きな衝撃をもって受け止められている。
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