クリエイター支援プラットフォーム「Fantia(ファンティア)」が、コンテンツガイドラインの改定経緯と今後の運用方針について、新たな声明を発表した。
「Fantia」は声明の中で、先日発表したガイドライン改定により、クリエイターやユーザーに混乱を招いたことを改めて謝罪。その上で、2次元コンテンツについては新たな基準への改訂を行わず、以前の審査基準で運用する旨を発表した。
一方、実写コンテンツについては、現在適用されている厳格な新基準で今後も運用。すでに審査済みのコンテンツについても、基準から逸脱するものがある場合は個別に連絡し、修正依頼を行うとしている。
法的機関=警察からの指摘は「実写を念頭に置いたもの」だった
「Fantia」は5月19日、成人向けコンテンツの修正/モザイク基準を厳格化すると発表。
過去作品も含めて新基準の対象になるとしていたことから、「Fantia」を利用していたクリエイターやそのファンから反発や不安の声、作品の取り下げ等が相次いでいた。
今回の声明で「Fantia」は、警察から一部コンテンツについて、刑法第175条のわいせつ物頒布等の罪に該当し得る、すなわち違法の疑いが強いとの指摘を受けたと説明(なお、当初は“公的機関からの指導・指摘”と曖昧にされていた部分が警察であることが明らかとなった)。
その指摘内容が実写コンテンツに限定されたものではなかったこと、また刑法第175条が実写/非実写を問わず適用され得ることから、2次元コンテンツも含めたプラットフォーム全体の基準を見直す必要があると判断したという。
しかし、急な基準変更によってクリエイターに大きな負担を強いる形となったことを受け、あらためて「Fantia」運営は警察に詳細を確認。
その結果、警察が指摘した違法の疑いがある一部コンテンツとは、「実写を念頭に置いたものであった」と確認したと説明している。
2次元ジャンルは以前の基準、実写は新基準を適用
これを受けて「Fantia」は今回、2次元コンテンツについては「新たな基準への改訂は行わず、以前の審査基準にて運用」すると発表。
また、審査運用体制を改善し、他の支援プラットフォームの基準や社会通念から逸脱することがないよう、審査品質の標準化を進めるとしている。
実写コンテンツについては、現在適用されている新基準を継続して適用。審査済みのコンテンツについても、逸脱するものがある場合は個別に連絡し、修正依頼を行うという。
「Fantia」は今回のガイドラインについて、関係機関のアドバイスや社会情勢を踏まえた自主的な判断に基づく「自主規制基準」だと説明。一方で、将来的な法的リスクや検挙などを完全に排除/保証するものではないともしている。
クリエイターから猛反発を受けていた新ガイドラインへの改定
新基準では、対象の原型が視認できない状態でのモザイク処理を求め、透過モザイクや薄いぼかし、一部のみを隠す表現などを不備と判断する方針を示していた。
「Fantia」が示した成人向け作品の新ガイドライン例/画像はFantiaより
さらに改定後の基準が新規投稿作品だけでなく過去作品にも適用されると説明されたことで、長年活動してきたクリエイターほど膨大な修正作業が発生する可能性が浮上。SNSでは「対応が現実的ではない」「創作活動が止まる」といった声が広がっていった。
また、「関係諸機関」及び「法的機関」からの指導・指摘という主体の曖昧な説明についても、批判が過熱する要因となっていた。
2次元ジャンルと実写の運用方針を明確化
その後「Fantia」は5月29日、2次元ジャンルの審査基準について、新たな基準が定まるまで「以前の基準に戻す」と発表。
過去作品の修正対応についても、次のお知らせまで待つよう呼びかけていた。
そして今回の声明が発表された、という経緯となる。
今回の声明では警察との協議を踏まえ、2次元コンテンツと実写コンテンツの運用方針を改めて明確化する方針を示した。
「Fantia」は、性急な方針変更について「深く反省しております」と謝罪。今後も警察や官公庁などの公的機関から指摘や指導があった際には真摯に対応しつつ、運営基準の決定は専門家の助言を得ながら、自主的かつ独立した判断のもとで行うとしている。
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