「日本的イコノロジーの復興」を掲げた本展のメインビジュアル作品には、山形在住の日本画家・久松知子さんの大作『日本の美術を埋葬する』をベースに、カオス*ラウンジのメインアーティストである梅沢和木さんと藤城嘘さんがデジタルコラージュした『リトルアキハバラ@謝肉祭*ぉハョー/^0^\美術コア』が据えられている。
カオス*ラウンジの最新インスタレーション
カオス*ラウンジは美術家/批評家の黒瀬陽平さん、現代美術家の藤城嘘さん、梅沢和木さんを中心に結成されている美術集団。藤城嘘さんが結成していたインターネット上のクリエイターを集めた「ポストポッパーズ」を前身とし、「アートに神秘性などない。人間の知性も感性も内面も、すべては工学的に記述可能である」という旨の宣言を行い、現代美術や批評のシーンで様々な議論を巻き起こした。
「LITTLE AKIHABARA MARKET」展について
「LITTLE AKIHABARA MARKET」は、常にアートについて新たな議論を巻き起こしてきたカオス*ラウンジの最新の展覧会となる。本展は、2010年以降、常に私たちの現実を見つめ、新しいアートのかたちを示し続けてきたカオス*ラウンジによる最新のインスタレーションである。
本展のコンセプトのベースとなっている「LITTLE AKIHABARA」構想は、2011年11月に「震災後のオタクカルチャー」を描いた『カオス*イグザイル』(「FESTIVAL TOKYO 2011」主催作品 )のなかから生まれたものであり、本展は『カオス*イグザイル』『LITTLE AKIHABARA MONUMENT』(2013年12月)に続く展示となる。
『 LITTLE AKIHABARA MARKET ―― 日本的イコノロジーの復興 』と名づけられた本展は、架空の都市「LITTLE AKIHABARA」で復興される「コミックマーケット」をインスタレーションとして作品化する。
といっても、実際の「コミックマーケット」をそのままギャラリー空間に再現しようというのではない。 なぜなら「震災後、異国へ亡命したオタクたちによって復興されるコミックマーケット」という設定・状況が、私たちの想像力を拡張し、現代のオタク/ネットカルチャーに留まらない視野を与えるからである。
「二次創作」によって召還され、「MARKET」の循環のなかで復興しうるのは、一度失われた、あるいは失われつつある二次元的、キャラクター的表現のすべてである。つまり、今となってはオタクカルチャーからも現代アートからも切り離されつつある、宗教的イメージやイコンもまた、二次元的、キャラクター的表現の系譜として呼び出すことが可能なのだ。
そしてそれらは、現代的キャラクター表現と交わり、再解釈されることによって「二次創作=復興」を遂げるのである。 「littleakihabara | 展覧会について」より
インターネット文化をアートの文脈に接続し続けるその試みの最先端を、是非とも観にいって欲しい。
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