チャレンジャーとして出演したのは、新時代の若き侍と銘打たれた「戦極U-22選抜」チーム。メンバーは、Amaterasさん、Luizさん、9forさんの3人で、「戦極MCBATTLE」による22歳以下の若いラッパーたちの頂点を決める大会から選び抜かれた凄腕ルーキーたちだ。
Amaterasさんは、『フリースタイルダンジョン』の収録直後、あまりの落ち込みに、お酒とタバコ、そしてラップをやめた。今回はその理由と、収録後のAmaterasさんの言葉をお届けする。
「期待に応えようとしすぎた」
慶應義塾大学に在学し、裕福で恵まれた環境に育ったAmaterasさんは、「お金持ちで高学歴」という、ヒップホップにおいては批判の的となりそうな特異なバックグラウンドを逆に武器にする。
韻を踏むことやフロウなどのテクニックではなく、高学歴自慢や相手の育ちの悪さを指摘するなど、ストレートに言葉を投げ込む今までのラッパーにいなかった個性的なスタイルは、たちまちフリースタイルラップバトル界隈で注目を浴びた。
「Amaterasが出ることは、普通に韻を踏んで勝つんじゃなくて、今までのバトルMCにはいなかったような新しい価値観を提示してくれる、Amaterasがダンジョンでまたおもしろいことやってくれたよ、と言われるようなことを期待されていると思うんですね。
だから僕は、その期待に絶対に応えないといけないと思ったし、何かを残さないといけないという思いがすごくありました。期待に応えようと自分を奮い立たせた結果、前のめりになってしまって、Luizと9forはもちろん、僕自身もすべてを出し切れないでおわってしまいました」
最初は2on2だと予想していたが、待っていたのはT-PABLOWさんとの一騎打ちだった。
試合が終わったあと、『お前、やっぱつえーな』ってT-PABLOWくんから言われて。僕は今までおもしろいとか、言い方がうまいとかは言われたことがあるんですけど、強いとは言われたことがなくて、なんかうれしいなって。あんまり深い意味はないかもしれないけど、僕は『そうなんだ』って素直にうれしかったですね」
「僕ってヒップホップにそぐわないなって」
実はこのAmaterasさんのコメントは、『フリースタイルダンジョン』収録終了後、2週間ほど経過してからの取材で得たものだ。収録直後の取材時は、何が起きたのか理解できず、混乱した状態で「思うようにできなかった」と小声でつぶやくしかないほど落ち込んでいた。その落ち込みは、意外な部分にまで及んでいた。
そしたら、ぼくがやりたいのはフリースタイルではなくて、音楽であり、芸術だと。商業的な音楽ではなく、芸術的で、新しい何かがやりたい。それはヒップホップではなくて、ラップでもない。ジャンルでいうと、ハウスなんですかね」
完璧主義者で潔癖性。何事もきちっと成し遂げたいAmaterasさんは、自分が負けたせいでうまくいかなくなってしまったと責任を感じ、しばらくその事実を受け入れるのに時間がかかったという。
7人の新たなチームを結成
新たに組んだチームは、Amateraさんがリーダーをつとめ、DJ2人、ダンサー2人、コーラス1人、写真家1人で構成されている。お酒とタバコをやめたことは、チームのメンバーと約束しているほどの強い意志があるようだ。現在は3月中にMVとして公開される楽曲「Starting Line」を引っさげてのライブ活動、そして、夏にはアルバムをリリース予定だという。
また、Creape Classicsの活動と並行して、自身が監督する映画を制作中で、カンヌを目指している。 『フリースタイルダンジョン』の敗北をきっかけに、1つの区切りがついたAmaterasさん。最後に、ヒップホップ、ラップを再開するのか聞いてみた。
「いやぁわかんないですね。いまやってる音楽(Creape Classics)は、サンプリングもせずに、チームで一から音をつくっていたり、振り付けがあったりと非常に大変なので、いまは音楽に力を注いでます。ただ、(完全に)ラップをやめるわけではないと思いますし、U-22とかの大会に誘われたら出るとは思います」
番組情報
フリースタイルダンジョン
- 毎週火曜日
- 深夜1時26分〜1時56分
- 放送局
- テレビ朝日
- AbemaTVで最新回を放送中
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