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  • 2022.10.15

「ヒップホップでナシだったことがアリになったらいい」ELIONEという特異性

ラッパー/プロデューサーとして、ヒップホップシーンでの活躍はもちろん、時折出場していた「フリースタイルダンジョン」やMCバトルでも強烈なインパクトを残し、PSYCHIC FEVER from EXILE TRIBEや「ヒプノシスマイク」への詞や楽曲提供など、多岐に渡って活躍しているELIONE。誰も知らない、その素顔について。

「ヒップホップでナシだったことがアリになったらいい」ELIONEという特異性

ラッパー/プロデューサーであるELIONEという多才かつ稀な才能の持ち主がどのようにして誕生したのか。

一時期メディア露出を控えていたELIONEの明かされなかった99%について紐解いてきた。

ここからは、NYでヒップホップを目撃した彼が、沼津を離れて東京で勝負をかけてから現在の活動に至るまで、そして同じ87年世代の綺羅星の如く輝くラッパーたちとの交流、彼自身のラッパーとしての矜持、将来像について迫る。

目次

  1. ヒップホップで食べていきたい──寸暇を惜しんで働き、音楽に打ち込む日々
  2. SALUやTKda黒ぶちら87世代や、CHICO CARLITOとの出会い
  3. RYKEY「おめでとうございます、あなたは本物のラッパーです」
  4. 「フリースタイルダンジョン」で訪れた転機 音楽で食べていく生活
  5. 日本初? ラッパーがクラファンでアルバム制作
  6. 「BACHLOGICやJIGGと曲をつくる」有言実行した現在
  7. 「『こうじゃなきゃダメだ』とは言いたくない」
  8. 音楽も服も、文脈を繋げる
  9. CHICO CARLITOプロデュースにPSYCHIC FEVER from EXILE TRIBEへの歌詞提供 クリエイティブの基準
  10. いくつもの視点を持つ、ELIONEの特異性
  11. ヒップホップにおいて、今までナシだったことがアリになったらいい

ヒップホップで食べていきたい──寸暇を惜しんで働き、音楽に打ち込む日々

2011年、知り合いもほとんどいない東京に出てきたELIONE。すでに25歳を迎えていた。生活費を稼ぐため、寝る間も惜しんで働く日々が始まる。

「昼間は解体の仕事をして、夕方から夜中までは居酒屋で働いて、仮眠をとって、また解体の仕事へ行っての繰り返しでしたね。休みの日は、カフェで働いてました。お金を貯めていたんですよ」

ヒップホップで食べていきたい──その一心が彼をここまでハングリー精神旺盛な状態にしていたのだろう。

筆者も解体を生業としている方を知っているが、その誰もが腕っぷしの強そうな猛者ばかり。相当な体力が要求される仕事であることは想像に難くない。そんな生活を数ヵ月も続けていたというのだから、ELIONEの熱量が伝わってくる。

多忙を極めたある日、ELIONEが上京する時に解散した沼津のクルーの一人、後輩DJから連絡が入る。音楽機材を並べられる大きめの部屋を2人で借りてシェアしないかという提案だった。働いて貯めた金で元手は十分だった。乗らない手はない。

東京に出てから必死に働いて貯めた金で購入したPCやマイク、DTMソフトを使い、ビートメイク・オリジナル楽曲のデモ制作を本格的に始める。

SALUやTKda黒ぶちら87世代や、CHICO CARLITOとの出会い

彼と同世代には、強い存在感を放つラッパーが多い。SALURYKEY DADDY DIRTYYOUNG FREEZJAZEE MINOR孫GONGTKda黒ぶち……。思い浮かべただけでも、各自のスタイルがあって個性が溢れている。

それぞれとの出会いについて聞くと、懐かしむように語ってくれた。

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RYKEY「おめでとうございます、あなたは本物のラッパーです」