現在、先着順でメールによる予約を受け付けており、入場は無料。コメンテーター/発表者として、「メタルギアソリッド」シリーズの開発者として知られるゲームデザイナー・小島秀夫さんが登壇する。
仮想現実(VR)と拡張現実(AR)を経て、複合現実(MR)の時代にいたった現代において、ゲームがいかに文化的・社会的に作用していくのかが、世界屈指のクリエイターや研究者らと共に考察される。
「ゲーム的リアリズム」の再定義と再提起
研究会のタイトルにもなっている「ゲーム的リアリズム」とは、哲学者/批評家の東浩紀さんが著書『ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2』で打ち立てた概念。何を「リアル」だと捉えるのかが細分化してしまった現代において、ゲームや小説をはじめとするフィクション作品で受け手にリアリティだと思い込ませ、リアリティを成立させるための創作技法や態度を指す(ループや選択肢といったゲーム的な手法を物語に織り込む等)。
今回の研究会では、新たにその「ゲーム的リアリズム」を再定義/再提起し、「ゲームだけが可能にするようなリアリズムがあるとしたら、どのようなものなのか」が考察されるという。
2016年は、『Pokemon GO』の世界的流行や、PlayStation VRの発売など、これまで研究されてきた新たな現実認識を起こすVRやARの技術が一般消費者まで浸透した年だったといえる。
現実空間と仮想空間が混合され、まさに複合現実をむかえた今、ゲームはいかなる現実/虚構を実現していくのだろうか。研究者やゲーム業界の人以外にとっても、注目の研究会となりそうだ。
この記事どう思う?
イベント情報
ゲーム的リアリズム2.0 バーチャルリアリティからポストリアリティへ
- 日時
- 2017年2月11日土 13時−18時
- 場所
- ヨコハマプラザホテル5F 芙蓉の間(〒220-0011 横浜市西区高島 2-12-12)
- 入場
- 無料、要予約
- 主催
- 科研費基盤研究(A)横浜国立大学・室井尚
予約/お問合せ
横浜都市文化ラボ(代表:室井尚) E-mail : ylabo208@gmail.com
Tel : 045-339-3418
Web : http://y-labo.wixsite.com/home
■発表者プロフィール
小島秀夫
コジマプロダクション代表。ゲームクリエーター。『METAL GEAR』シリーズの監督として第一作から最新作まで監督・脚本・ゲームデザイン・プロデュースを手がけた。現在はノーマン・リーダス、マッツ・ミケルセン出演の 『DEATH STRANDING』(PlayStation 4)を制作中。
マーティン・ロート
ライプツィヒ大学日本学准教授、立命館大学客員教授。専門はデジタルメディア、ゲームスタディーズ、政治哲学。 ライデン大学で「日本のビデオゲームにおける政治性」というテーマで博士号取得(2014 年)。ライプツィヒ大学 に「日本ゲーム研究イニシアチブ」を創設し、ライプツィヒ大学図書館と協働で日本ゲーム研究ラボを運営中。
簗瀬洋平
ユニティ・テクノロジーズジャパンで学術・教育方面を担当しつつ研究者として活動。学生時代よりゲームデザイナー・シナリオライターとしてゲーム制作に携わる。主なプロジェクトに『ラングリッサー』『グローランサー』『ワ ンダと巨像』、代表作に『魔人と失われた王国』。2012 年よりスクウェア・エニックスでリサーチャーに転進。
入江哲朗
東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程。日本学術振興会特別研究員。専門はアメリカ思想史、映画批評。著 書に『論集 蓮實重彦』(共著、羽鳥書店)、論文に「タトゥイーンの太陽と火星の大地」、「健さんとシュワちゃん」(い ずれも『ユリイカ』所収)など。自ら創刊したミニコミ誌『Config.』ではメタルギアを特集(2010 年)。
井上明人
関西大学総合情報学部特任准教授、立命館大学客員研究員。専門はゲーム研究、中心テーマはゲームの現象論。ゲー ムの社会応用プロジェクトにも多数関っており、東日本大震災時にリリースした節電ゲーム『#denkimeter』で CEDEC AWARD 2012 ゲームデザイン部門優秀賞受賞。著書に『ゲーミフィケーション』(NHK 出版)など。
■研究グループ
室井 尚(研究代表者/横浜国立大学教授)吉岡 洋(研究分担者/京都大学教授)佐藤守弘(研究分担者/ 京都精華大学教授)吉田 寛(研究分担者/立命館大学教授)秋庭史典(研究分担者/名古屋大学准教授)
関連リンク
2件のコメント
りょりょりょ
これは行きたい
米村 智水
身内の業界クソ飲み会とかいかないで、たまには純粋にこういった場で勉強したいですね