ジャニヲタをスタンス別に分類すると5種類
このような状況のなかで、筆者の周りで多く見られるファンのタイプを大きく5つに分類してみた。チケットを積んで前列、観られたいと思うファン
特に20代前半までに多く、タレントの視界に入る位置でファンサービスをもらうことが最優先だと思う層。10年前もいたにはいたが、総数は少なく「なんのために行ってるの」と言われることも多く、ファンの中で毛嫌いされる対象だった。しかし今はむしろこの層が増え、中高生という若年層がこの層に入ることもある。特に若手グループやジャニーズJr.のファンに顕著だ。
ここが、旧来のファンと最も違う点であり、「お金使ったほうが偉い」「前列に入った方が偉い」「ファンサービスをもらったほうが勝ち」というスタンスのファンを生み出すことに。いくら使ったか、どこに入ったかを指標に、ファンとしての順列が決まっているのが現状となっている。
現場好きガッツ
応援するタレントのためにファンクラブの名義を増やして、地方どこにでも行く層。ライトファン
自身が応募したチケットが当たったら1公演につき1〜2現場入って、当たらなかったら諦める層。茶の間
テレビや雑誌が中心で、コンサートにはあまり、もしくは全く出向かない層。地理的事情・金銭的事情によるものや「ステージまでは観なくてもいい」と考えるファン。コンサートに行きたいが、チケットに手を出せないファン
「タレントに観られたいが積むお金はない」「タレントに観られるために行くわけではないが、チケットが取れなくて興醒めした」など、理由は十人十色だが、チケット価格の高騰に耐え切れずに疲弊したファンであり、行きやすい現場に流れることが多い。ジャニーズを離れたファンはどこに行くのか?
では、正攻法ではチケットが手に入りづらくなったことからジャニーズから離れてしまったファンは、どこにたどり着くのか?10周年・20周年でテレビ雑誌等の露出が増えることで一時的に出戻ることもあり、当たったら行く程度で完全に離れるわけではないことも多い。しかし、周囲でも一番多いのは、応援するメイングループが変わるというケースだ。
前述したように、他にいくらでも楽しめるコンテンツがある今、流れ先はそれこそ無数に存在するが、男性アイドルに夢を見続けるファンを満たしてくれるのは、
・在宅
・アニメなどの芸能人鑑賞以外の他の趣味
・チケットを取りやすい/チケットが安い男性グループ
などが挙げられる。
Googleの検索ボリュームから見る、男性アイドルの広がり
検索エンジン・Googleの提供する、平均検索ボリュームを調べる「キーワードプランナー」というツールで近年の男性グループそれぞれの検索ボリュームを調べてみると、その広がりは顕著だ。ジャニーズ1グループへの関心に値する検索ボリュームがとれている男性(を含む)グループも。もちろんジャニーズファンだけの検索結果ではないが、世間的に興味が分散していることが分かる。2014年6月から2016年6月までの平均検索ボリューム
【ジャニーズグループ】
嵐 2,740,000
SMAP 673,000
Hey!Say!JUMP 450,000
Kis-My-Ft2 165,000
【男性(を含む)ダンスボーカルグループ】
AAA 550,000
w-inds. 27,100
Lead 22,200
【韓流グループ】
EXO 301,000
SHINee 110,000
BIGBANG 40,500
【LDH】
三代目 J Soul Brothers 550,000
EXILE 450,000
GENERATIONS 110,000
【スターダスト男性グループ(と総称)】
超特急 135,000
DISH// 74,000
EBiDAN 12,100
【2.5次元】
テニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』) 49,500
ペダステ(舞台『弱虫ペダル』) 14,800 「キーワードプランナー」調べ
ジャニーズ事務所の変化と、男性アイドルの広がり
ジャニーズ事務所の影響力が弱まっているのか、他事務所へ寛容になったのかは分からないが、積む人だけ積んで他のファンは疲弊しているように見えるため、やはり近年は盛り下がりを感じると言わざるを得ない。また、アイドルへの熱量があるファンがチケット高騰によりジャニーズから離れたことで、他が盛り上がっているように見えてしまう部分もあるかもしれない。
さらには元ジャニーズJr.メンバーが事務所を退所して、CD販売やライブといった活動を堂々とよそで行っていることも、これまでにはない変化の兆しだ。「男性アイドルと言えばジャニーズ」というかつての占有時代は終わりを告げ、男性アイドルは広がり始めている。
SNSや動画サイト、ライブ配信、それにLINEミュージックといったストリーミングサイトが全盛である。そのため、男性アイドルに限ったことではないが、露出機会が増えることで、各グループごとに「推し」をつくるライトファンへの敷居が低くなっているのは間違いない。
対してジャニーズは、全体のグループ・メンバーを通して「担当」は常に一人であり、かけもちは許されない。かつネットやSNSにはあまり寛容ではないことは広く知られている。
ジャニーズ事務所も変化を余儀なくされる中で、Webとの親和性を高めていくのか、それとも情報量が多い(多すぎる)という時代を逆手に取って、他の事務所にはないブランド性を再度確立するのか。いちファンとして今後も見守っていきたい。
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