やっはろー!
あっという間に5月も半ばですが、春アニメ、見てますかー?
忙しい日々を送っている皆様のなかには、GWを利用して、録画がたまっていた春アニメを消化していた、という方もいらっしゃるのでは。──いえ、もしかすると、それすらも忙しくてできなかったという人がいてもおかしくないのではないかと思います。
そこで本記事では、まだまだ絶賛放送中の春アニメの中から、個人的にイチ押しを6作品、ピックアップしてご紹介!
本当は、見ている春アニメすべてをご紹介したい思いではあるのですが……ここでは、短時間で読むことのできるコンパクトな「紹介」として、まとめさせていただきました。
完全に筆者の独断と偏見──もとい、好き勝手に選出した格好となりますので、あしからず。逆に「これを挙げないなんて、とんでもない!」という作品などありましたら、どんどんコメントいただけますと幸いです。
今期は、アクションと作画で「ふおおおお!」と昂ぶり、声優さんの演技と演出で「あばばばば!」と感情移入するような、目でも耳でも存分に楽しめる作品が数多く、テレビの前でニヤニヤする日々でございます。その魅力の一端でも、お伝えできれば!
文:けいろー
監督に荒木哲郎さん、劇伴を澤野弘之さんという『進撃』タッグが担当する一方で、キャラクター原案として『超時空要塞マクロス』『トップをねらえ!』の美樹本晴彦さんが参加していることも話題に。PVの発表段階で、「美樹本絵が動いてる!?」と驚きの声が挙がっていたのも記憶に新しいですね。
その前情報のひとつとして、「『駅』と呼ばれる砦に閉じこもり〜」という世界説明があったため、まさに『進撃』の世界観を彷彿とさせる第一印象を持ちました。とくれば、襲い来る怪物に対して、生き残った人間各々が思惑を持ちつつも手を取り、反攻していく話だと思っていたのですが……。蓋を開けてみれば、ロードムービーだったという驚き。
加えて、多種多彩な要素を盛り込んでいるのも、目を引くポイントですね。
スチームパンク、アクション、サバイバル、ゾンビ、時代劇──などなど。これだけ山盛りだとどこかで破綻するんじゃないかとも思うけれど、「蒸気機関が発達した江戸後期にゾンビが大量発生した世界」と考えれば、さほど違和感はないのかな、とも。武士+銃、かっこいい。
その世界観を体現しているのが、和装少女が蒸気銃を手にバッタバッタとゾンビを薙ぎ倒していくアクションシーン。ヒロイン・無名は普段、あどけなさを持った歳相応の少女として描かれているように見えましたが、いざスイッチが入れば、「かわいい」よりも「かっこいい」が先立つ魅力を持っています。……でも、やっぱりかわいい。ろっこんしょーじょー!
また、主人公・生駒の思い切りの良さも個人的には好き。過去の後悔に起因する行動力と決断力、カバネリになったことで周囲から捨て置かれても「ただでは死んでやらねえ!」とあがき続ける泥臭さ。掠れるほどの声優さんの叫び声の演技も相まって、純粋な正義感とは別の意味でアツい主人公。たまらぬ。
今期の春アニメ、いくつか放送中の完全オリジナルアニメーションとしては、特にアクションシーンの出来栄えが頭ひとつ飛び抜けている作品だと思いました。オリジナルゆえにネタバレの心配もなく、毎週の放送が純粋に楽しみなアニメ。
敵である「カバネ」に関する謎もまだ多く、無名の過去も気になるところ。そして成長物語としての生駒の変化も徐々に感じられつつあり、多くの人が楽しめる王道アニメとなりそうな予感があります。まだ見てない方は、要チェックですよー!
冒頭、世界観説明から始まるのか……艦船じゃなくて感染なのか……などと考えつつ見ていたら、破天荒な主人公・ハヤテに、天真爛漫田舎娘ヒロイン・フレイアが登場。なんだかんだと戦闘に巻き込まれ、アイドルグループかと思ったら魔法少女……というかシンフォギアだった……という情報量の多さと急展開に頭がクラクラ。これだよ……!(歓喜)
書きたいことはたくさんありますが、とにかく1話! ラスト5分で心を奪われました。
挿入歌はもちろんのこと、ハヤテのバルキリー初搭乗シーンが最高。その前の場面、他パイロットの空中ドッグファイトで魅了されたあと、それが戦闘ですらないにも関わらず、地上を“踊る”ハヤテの回避運動で空中戦以上に魅入ってしまうという感覚に興奮した。耳に入る音と、目で見るアクションの一体感で絶頂。ルンピッカー! デカルチャー!
「こいつ……踊ってやがる!」で視聴決定。これだよ……!(2回目)
そもそもマクロスシリーズと言えば、作品ごとにテーマや方向性の違いはあれど、「歌」「戦闘」「三角関係」という共通の3要素が重要なポイント。特に「歌」と「戦闘」に関しては、もうこれ以上ないほどお腹いっぱいになるくらい、1話時点で最高だったという感想です。
しかも、いくらか話が進んだ現在においても、それがいまだ失速していないというのもすごい。──いや、だって、3話ヤバくなかったです? これまた模擬戦の一場面に過ぎないのに、アカペラによる歌の導入、からの覚醒描写にサビ突入と、もう最高にクライマックス。CD発売はよ……はよ……。
そしてもうひとつ、忘れちゃいけない「三角関係」。さすがに1話ではまだその萌芽は見られなかったものの、それを予感させる描写があったのも印象的でした。足下の覚束ないフレイアを助け、押し倒す形になってしまったハヤテに、銃を向けて迫るミラージュ……というのは、ちょっと考えすぎかしら……。
ともあれ、第一印象としては最高のインパクトをもたらしてくれた、マクロス最新作。メイン3人にとどまらず、ケイオスのメンバーも個性豊か、整備兵とのやり取りも挟むなど、人間関係も丁寧に描いている部分も好きです。カナメさんの周りの関係が気になるなるなる。
「傷」や「痛み」がキーワードとなる青春群像劇を岡田麿里さんが描くと聞いて、いったいどれだけギスギスの人間模様が展開されるんだ……! と期待しておりました。序盤までは、個性豊かなキャラクターが繰り広げるドタバタ劇っぽさが目立つイメージ。
全体的に淡白な人間関係の距離感を少しずつ縮めつつ、「キズナシステム」の設定と背景を掘り進めている感じでしょうか。「傷」と言う割には「傷の舐め合い」に向かわないくらい、お互いに対する無関心っぷりが際立つ関係性。傷は共有できても、相互協力的な絆は育まれていない。
そもそも「絆」というこの言葉、最近は助け合いなどを指す表現として多用され、そこから感じる押し付けがましさに辟易していた人も少なくない、象徴的な単語とも言えるもの。しかし一方では、元来は「しがらみ」「束縛」といった意味で使われていたという話もあるとか。
そのような言葉をタイトルに持ってきていることからも、ある種の皮肉を読み取れるような気がしなくもない、この『キズナイーバー』。それだけでなく、劇中ではメインキャラクターを「現代日本の七つの大罪」として当てはめるなど、そこはかとないメッセージ性も感じるアニメとなっています。
その中心にいるのが、主人公・阿形勝平。「愚鈍」であることを大罪として指摘される、物事にも他人にも無関心で無気力で鈍感なキャラクター。ここ最近のアニメ主人公としてはかなり特徴的であることから、今後の変化・成長が気になりますね。
彼の他に「七つの大罪」として挙げられているのが、「独善ウザ」「脳筋DQN」「狡猾リア」「上から選民」「不思議メンヘラ」「インモラル」の計7つ。それぞれが各登場人物の“罪”として振り分けられており、その内容は意外に納得できるという印象を持ちました。個人的にはあと、「自己愛人」「承認欲求マン」的な“罪”があってもいいと思うんだ。
おそらく、物語全体を通してのテーマとメッセージが、終盤にどぎゃぁぁんと浮かび上がってくるタイプの作品なんじゃないかと考えておりますゆえ、現段階でどうこういうのも難しいのですが……。自分好みの作風であることは間違いないので、これからも追いかける所存でござる。それと不思議メンヘラちゃんかわいい。
いわゆる「異世界召喚」の「ループもの」であり、Web小説媒体ではよく見られるジャンルの作品。しかし、ひとひねり効いた展開と設定が評判を集め、短期間でのメディアミックス展開&アニメ化に結びついたと言えるでしょう。
多くの場合、異世界召喚された主人公は何らかの特殊能力を得ていたり、あるいは現世での知識を活かして難題に立ち向かったりするわけですが──本作の主人公であるナツキ・スバルが得たのは、「死に戻り」の能力。これがあるため、本作は「ループもの」としても区分されているわけですね。
その能力は、自分が死亡した際、基準点となる“セーブポイント”まで自動で時間が巻き戻り、そこで復活するというもの。自分の意思で発動できないだけでなく、運命づけられた「死」を回避しなければ無限ループに陥るという、見方によっては地獄のようにも映る力。
「異世界召喚」と「ループ」、どちらも創作作品ではたびたび目にする設定ではありますが、単なるタイムリープとは異なる「死に戻り」の能力こそが、本作の魅力となっているという感想を持ちました。任意発動不可かつ同じ場所からの再スタートということで、まるでミステリーの謎解きのような感覚を体験できるんですよね。
それだけでなく、アニメではどことなく「ホラー」っぽい演出も取り入れられているように感じたのが、個人的には印象に残りました。
直に「死」へと結びつく出来事や、違和感を感じたときに挿入される効果音。自分を死に追いやる敵の正体は見えず、それでも容赦なく死へと向かう過程をまざまざと見せつけるかのような演出に、映像ならではの恐怖と絶望感を覚えたのでした。最初はギャグかと思ったけど、普通に怖い。あの「ハッ」みたいな音。
特別な頭脳や身体能力があるでもなく、持っているのは使い勝手の悪い「死に戻り」の力のみ。気づけば理不尽な死に追いやられ、せっかく仲間と育んだ関係性もリセットされ、それでも心を砕くことなくループを繰り返すスバル。
癖の強い性格であるため、好き嫌いが分かれそうなキャラクターではあります。でも、それを帳消しにするほど、前向きに立ち向かう姿勢が全力で“主人公”しているし、王道展開で惹き込まれる作品になっています。特にループものが好きな人は、ぜひ一度ご覧になってみてくださいな。
マンガはタイトルを聞いたことがある程度で、特に前情報もなく観てみたら……1話だけで、その最高のゆるふわ感の虜となってしまいました。──これは、アレだ。寝る前に見たら幸せになれるやつだ……( ˘ω˘)スヤァ
一口に言えば、「東北の親戚の家に居候する新米魔女と、その周囲の人(たまに人外)を取り巻く、ゆるい日常系アニメ」とでも申しましょうか。1話完結型で女子高生の日常を切り取った作品でありながら、そこに「魔女」というスパイスを一振り。日常の中の非日常をほんわかと描き出した、素敵なアニメとなっております。
基本的には、新米魔女である主人公・木幡真琴と身近な人間のやり取りがメインとなるのですが、その雰囲気というか、空気感がもうたまらんのです。本当になんでもない日常会話を軸に話が進むので、全力で肩の力を抜いて観ることのできる安心感。すてきんぐわーるど。
その「間」がまた独特で、変に芝居ぶってないというか、すんごい自然な感じなんですよねー。多分、声優さんの演技と、テンポ遅めで癒し色の強い音楽による影響も強いとは思いますが。劇伴は『凪のあすから』などの作品でも音楽を担当した、出羽良彰さんです。
もちろん「魔女」要素もお忘れなく。最初のうちは、魔女である真琴の元に怪しげな魔術関係者が訪れ、それを居候先の又従兄弟の妹ちゃん・倉本千夏が目撃するという展開。そのため、ニコニコ動画では毎回「今週の不審者」なんてコメントが付いていて、思わず笑わされておりました。
タイトルにも“うぃっち”の文字が躍るとおり、確かに本作は魔女モノであるのですが、あまり魔法魔法していないというか、必ずしもそれがメインというわけでもない様子。扱っているのは魔術であり、時には人外との交流もあれど、そこで育まれているのはヒト(と人外)との関係性であり、なんでもない日常である、と。
作品の「雰囲気」だけで考えるのでしたら、そのゆったりと時間が流れる様は、アニメ『ARIA』にほど近いと言えるかもしれません。もしくは、リアルの舞台設定がある日常アニメという点では、『たまゆら』ともつながる部分がありますね。
ここまで、設定も世界観もハードなアニメをご紹介してきた分、別の方向で魅力を持った作品として挙げさせていただいた格好です。まったりとした展開が好きな人には、ぜひおすすめしたいところ!
原作は『未確認で進行形』でおなじみの荒井チェリーさんで、『まんがタイムきらら』で連載中の4コマ漫画。女の子の学生生活を描いた、いわゆる“きらら枠”の日常コメディ……なのですが、それだけじゃあない。
Twitterなどでも「マジで!?」という驚きの声が散見されていたように、本作の連載が始まったのは、2003年。今年で13年目となり、現在も連載中。2004年開始の『らき☆すた』よりも先輩であり、俗に言う“萌え4コマ”ジャンルとしては、ほぼ最長寿に位置する作品なのです。
この「2003年」という年、同時期に連載が始まったマンガを調べてみたら──なんと、ジャンプでは『武装錬金』、サンデーでは『MÄR』『結界師』、マガジンでは『魔法先生ネギま!』と同期でした。どれも完結してるでよ……。
そんな背景を知ると、歴史の重みすら感じる『三者三葉』。とは言え、いざ映像化されたものを見てみると、そのような「時代性」のようなものは全く感じられません。むしろ「ギャグアニメ」として自然に笑えるおもしろさ。日曜日の夕方に見たい。
もちろん、『ご注文はうさぎですか?』や『きんいろモザイク』のような、「かわいい女の子全盛り!」の日常系アニメも素晴らしい。だけど、あまりにもかわいい成分がマシマシ過ぎて、呼吸が苦しくこともあるのです。かわいすぎて生きるのが辛い。
その点、『三者三葉』はそこに「ギャグ」の要素が多分に含まれているためか、「かわいい」で胸焼けせずに済むんですよね。それもほどほどに「毒」の入った笑いなので、蕩けそうな脳を引き締め、中和してくれる。アニメ化に際しても原作の毒を損なわず、映像によるかわいい成分をプラスでトッピングしつつも、両者のバランスがうまく保たれているように感じました。
そして何より、オープニングが今期のマイベスト。動画工房の動きまくる映像は言うに及ばず、楽曲がむちゃくちゃ楽しい! 発売日に速攻で入手して、早くも再生回数が3桁突破しそうな勢いでござる。毎朝の1曲目に、かくめーしょん! いぇーい!
OP映像との組み合わせで見ると、糸電話の部分が最高。そこをひたすら繰り返すだけでも、それこそ“どんぶり3杯”イケるようなテンポの良さに病みつきでござる。あと、OPでも本編でも双葉が超絶かわいい。あっ……結局これ、かわいすぎて辛くなるパターンだ……。
あっという間に5月も半ばですが、春アニメ、見てますかー?
忙しい日々を送っている皆様のなかには、GWを利用して、録画がたまっていた春アニメを消化していた、という方もいらっしゃるのでは。──いえ、もしかすると、それすらも忙しくてできなかったという人がいてもおかしくないのではないかと思います。
そこで本記事では、まだまだ絶賛放送中の春アニメの中から、個人的にイチ押しを6作品、ピックアップしてご紹介!
本当は、見ている春アニメすべてをご紹介したい思いではあるのですが……ここでは、短時間で読むことのできるコンパクトな「紹介」として、まとめさせていただきました。
完全に筆者の独断と偏見──もとい、好き勝手に選出した格好となりますので、あしからず。逆に「これを挙げないなんて、とんでもない!」という作品などありましたら、どんどんコメントいただけますと幸いです。
今期は、アクションと作画で「ふおおおお!」と昂ぶり、声優さんの演技と演出で「あばばばば!」と感情移入するような、目でも耳でも存分に楽しめる作品が数多く、テレビの前でニヤニヤする日々でございます。その魅力の一端でも、お伝えできれば!
文:けいろー
『甲鉄城のカバネリ』 カッコいいアクションに要素山盛りの世界観が魅力
『進撃の巨人』のアニメ化を手がけた、WIT STUDIOによるオリジナルアニメーション。監督に荒木哲郎さん、劇伴を澤野弘之さんという『進撃』タッグが担当する一方で、キャラクター原案として『超時空要塞マクロス』『トップをねらえ!』の美樹本晴彦さんが参加していることも話題に。PVの発表段階で、「美樹本絵が動いてる!?」と驚きの声が挙がっていたのも記憶に新しいですね。
その前情報のひとつとして、「『駅』と呼ばれる砦に閉じこもり〜」という世界説明があったため、まさに『進撃』の世界観を彷彿とさせる第一印象を持ちました。とくれば、襲い来る怪物に対して、生き残った人間各々が思惑を持ちつつも手を取り、反攻していく話だと思っていたのですが……。蓋を開けてみれば、ロードムービーだったという驚き。
加えて、多種多彩な要素を盛り込んでいるのも、目を引くポイントですね。
スチームパンク、アクション、サバイバル、ゾンビ、時代劇──などなど。これだけ山盛りだとどこかで破綻するんじゃないかとも思うけれど、「蒸気機関が発達した江戸後期にゾンビが大量発生した世界」と考えれば、さほど違和感はないのかな、とも。武士+銃、かっこいい。
その世界観を体現しているのが、和装少女が蒸気銃を手にバッタバッタとゾンビを薙ぎ倒していくアクションシーン。ヒロイン・無名は普段、あどけなさを持った歳相応の少女として描かれているように見えましたが、いざスイッチが入れば、「かわいい」よりも「かっこいい」が先立つ魅力を持っています。……でも、やっぱりかわいい。ろっこんしょーじょー!
また、主人公・生駒の思い切りの良さも個人的には好き。過去の後悔に起因する行動力と決断力、カバネリになったことで周囲から捨て置かれても「ただでは死んでやらねえ!」とあがき続ける泥臭さ。掠れるほどの声優さんの叫び声の演技も相まって、純粋な正義感とは別の意味でアツい主人公。たまらぬ。
今期の春アニメ、いくつか放送中の完全オリジナルアニメーションとしては、特にアクションシーンの出来栄えが頭ひとつ飛び抜けている作品だと思いました。オリジナルゆえにネタバレの心配もなく、毎週の放送が純粋に楽しみなアニメ。
敵である「カバネ」に関する謎もまだ多く、無名の過去も気になるところ。そして成長物語としての生駒の変化も徐々に感じられつつあり、多くの人が楽しめる王道アニメとなりそうな予感があります。まだ見てない方は、要チェックですよー!
『マクロスΔ』 踊ってやがる!で視聴決定
『マクロスF』以来8年ぶりとなる、マクロスシリーズのテレビアニメ。冒頭、世界観説明から始まるのか……艦船じゃなくて感染なのか……などと考えつつ見ていたら、破天荒な主人公・ハヤテに、天真爛漫田舎娘ヒロイン・フレイアが登場。なんだかんだと戦闘に巻き込まれ、アイドルグループかと思ったら魔法少女……というかシンフォギアだった……という情報量の多さと急展開に頭がクラクラ。これだよ……!(歓喜)
書きたいことはたくさんありますが、とにかく1話! ラスト5分で心を奪われました。
挿入歌はもちろんのこと、ハヤテのバルキリー初搭乗シーンが最高。その前の場面、他パイロットの空中ドッグファイトで魅了されたあと、それが戦闘ですらないにも関わらず、地上を“踊る”ハヤテの回避運動で空中戦以上に魅入ってしまうという感覚に興奮した。耳に入る音と、目で見るアクションの一体感で絶頂。ルンピッカー! デカルチャー!
「こいつ……踊ってやがる!」で視聴決定。これだよ……!(2回目)
そもそもマクロスシリーズと言えば、作品ごとにテーマや方向性の違いはあれど、「歌」「戦闘」「三角関係」という共通の3要素が重要なポイント。特に「歌」と「戦闘」に関しては、もうこれ以上ないほどお腹いっぱいになるくらい、1話時点で最高だったという感想です。
しかも、いくらか話が進んだ現在においても、それがいまだ失速していないというのもすごい。──いや、だって、3話ヤバくなかったです? これまた模擬戦の一場面に過ぎないのに、アカペラによる歌の導入、からの覚醒描写にサビ突入と、もう最高にクライマックス。CD発売はよ……はよ……。
そしてもうひとつ、忘れちゃいけない「三角関係」。さすがに1話ではまだその萌芽は見られなかったものの、それを予感させる描写があったのも印象的でした。足下の覚束ないフレイアを助け、押し倒す形になってしまったハヤテに、銃を向けて迫るミラージュ……というのは、ちょっと考えすぎかしら……。
ともあれ、第一印象としては最高のインパクトをもたらしてくれた、マクロス最新作。メイン3人にとどまらず、ケイオスのメンバーも個性豊か、整備兵とのやり取りも挟むなど、人間関係も丁寧に描いている部分も好きです。カナメさんの周りの関係が気になるなるなる。
『キズナイーバー』 思春期の「傷」を描き出す群像劇
TRIGGER制作のオリジナルアニメーション。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『true tears』『凪のあすから』などで脚本を担当した岡田麿里さんがシリーズ構成を、キャラクター原案を漫画家・三輪士郎さんが、それぞれ担当しています。「傷」や「痛み」がキーワードとなる青春群像劇を岡田麿里さんが描くと聞いて、いったいどれだけギスギスの人間模様が展開されるんだ……! と期待しておりました。序盤までは、個性豊かなキャラクターが繰り広げるドタバタ劇っぽさが目立つイメージ。
全体的に淡白な人間関係の距離感を少しずつ縮めつつ、「キズナシステム」の設定と背景を掘り進めている感じでしょうか。「傷」と言う割には「傷の舐め合い」に向かわないくらい、お互いに対する無関心っぷりが際立つ関係性。傷は共有できても、相互協力的な絆は育まれていない。
そもそも「絆」というこの言葉、最近は助け合いなどを指す表現として多用され、そこから感じる押し付けがましさに辟易していた人も少なくない、象徴的な単語とも言えるもの。しかし一方では、元来は「しがらみ」「束縛」といった意味で使われていたという話もあるとか。
そのような言葉をタイトルに持ってきていることからも、ある種の皮肉を読み取れるような気がしなくもない、この『キズナイーバー』。それだけでなく、劇中ではメインキャラクターを「現代日本の七つの大罪」として当てはめるなど、そこはかとないメッセージ性も感じるアニメとなっています。
その中心にいるのが、主人公・阿形勝平。「愚鈍」であることを大罪として指摘される、物事にも他人にも無関心で無気力で鈍感なキャラクター。ここ最近のアニメ主人公としてはかなり特徴的であることから、今後の変化・成長が気になりますね。
彼の他に「七つの大罪」として挙げられているのが、「独善ウザ」「脳筋DQN」「狡猾リア」「上から選民」「不思議メンヘラ」「インモラル」の計7つ。それぞれが各登場人物の“罪”として振り分けられており、その内容は意外に納得できるという印象を持ちました。個人的にはあと、「自己愛人」「承認欲求マン」的な“罪”があってもいいと思うんだ。
おそらく、物語全体を通してのテーマとメッセージが、終盤にどぎゃぁぁんと浮かび上がってくるタイプの作品なんじゃないかと考えておりますゆえ、現段階でどうこういうのも難しいのですが……。自分好みの作風であることは間違いないので、これからも追いかける所存でござる。それと不思議メンヘラちゃんかわいい。
『Re:ゼロから始める異世界生活』 無能で無力でも挫けず立ち向かう王道主人公
2012年に小説投稿サイト「小説家になろう」で連載開始、2014年にはMF文庫Jから書籍化され、いずれも現在継続連載・刊行中のライトノベルが原作。著者は長月達平さん。いわゆる「異世界召喚」の「ループもの」であり、Web小説媒体ではよく見られるジャンルの作品。しかし、ひとひねり効いた展開と設定が評判を集め、短期間でのメディアミックス展開&アニメ化に結びついたと言えるでしょう。
多くの場合、異世界召喚された主人公は何らかの特殊能力を得ていたり、あるいは現世での知識を活かして難題に立ち向かったりするわけですが──本作の主人公であるナツキ・スバルが得たのは、「死に戻り」の能力。これがあるため、本作は「ループもの」としても区分されているわけですね。
その能力は、自分が死亡した際、基準点となる“セーブポイント”まで自動で時間が巻き戻り、そこで復活するというもの。自分の意思で発動できないだけでなく、運命づけられた「死」を回避しなければ無限ループに陥るという、見方によっては地獄のようにも映る力。
「異世界召喚」と「ループ」、どちらも創作作品ではたびたび目にする設定ではありますが、単なるタイムリープとは異なる「死に戻り」の能力こそが、本作の魅力となっているという感想を持ちました。任意発動不可かつ同じ場所からの再スタートということで、まるでミステリーの謎解きのような感覚を体験できるんですよね。
それだけでなく、アニメではどことなく「ホラー」っぽい演出も取り入れられているように感じたのが、個人的には印象に残りました。
直に「死」へと結びつく出来事や、違和感を感じたときに挿入される効果音。自分を死に追いやる敵の正体は見えず、それでも容赦なく死へと向かう過程をまざまざと見せつけるかのような演出に、映像ならではの恐怖と絶望感を覚えたのでした。最初はギャグかと思ったけど、普通に怖い。あの「ハッ」みたいな音。
特別な頭脳や身体能力があるでもなく、持っているのは使い勝手の悪い「死に戻り」の力のみ。気づけば理不尽な死に追いやられ、せっかく仲間と育んだ関係性もリセットされ、それでも心を砕くことなくループを繰り返すスバル。
癖の強い性格であるため、好き嫌いが分かれそうなキャラクターではあります。でも、それを帳消しにするほど、前向きに立ち向かう姿勢が全力で“主人公”しているし、王道展開で惹き込まれる作品になっています。特にループものが好きな人は、ぜひ一度ご覧になってみてくださいな。
『ふらいんぐうぃっち』 時間がゆっくりと過ぎるゆるふわ日常アニメ
石塚千尋さんのマンガが原作の、日常系ゆるふわ摩訶不思議青森アニメ。マンガはタイトルを聞いたことがある程度で、特に前情報もなく観てみたら……1話だけで、その最高のゆるふわ感の虜となってしまいました。──これは、アレだ。寝る前に見たら幸せになれるやつだ……( ˘ω˘)スヤァ
一口に言えば、「東北の親戚の家に居候する新米魔女と、その周囲の人(たまに人外)を取り巻く、ゆるい日常系アニメ」とでも申しましょうか。1話完結型で女子高生の日常を切り取った作品でありながら、そこに「魔女」というスパイスを一振り。日常の中の非日常をほんわかと描き出した、素敵なアニメとなっております。
基本的には、新米魔女である主人公・木幡真琴と身近な人間のやり取りがメインとなるのですが、その雰囲気というか、空気感がもうたまらんのです。本当になんでもない日常会話を軸に話が進むので、全力で肩の力を抜いて観ることのできる安心感。すてきんぐわーるど。
その「間」がまた独特で、変に芝居ぶってないというか、すんごい自然な感じなんですよねー。多分、声優さんの演技と、テンポ遅めで癒し色の強い音楽による影響も強いとは思いますが。劇伴は『凪のあすから』などの作品でも音楽を担当した、出羽良彰さんです。
もちろん「魔女」要素もお忘れなく。最初のうちは、魔女である真琴の元に怪しげな魔術関係者が訪れ、それを居候先の又従兄弟の妹ちゃん・倉本千夏が目撃するという展開。そのため、ニコニコ動画では毎回「今週の不審者」なんてコメントが付いていて、思わず笑わされておりました。
タイトルにも“うぃっち”の文字が躍るとおり、確かに本作は魔女モノであるのですが、あまり魔法魔法していないというか、必ずしもそれがメインというわけでもない様子。扱っているのは魔術であり、時には人外との交流もあれど、そこで育まれているのはヒト(と人外)との関係性であり、なんでもない日常である、と。
作品の「雰囲気」だけで考えるのでしたら、そのゆったりと時間が流れる様は、アニメ『ARIA』にほど近いと言えるかもしれません。もしくは、リアルの舞台設定がある日常アニメという点では、『たまゆら』ともつながる部分がありますね。
ここまで、設定も世界観もハードなアニメをご紹介してきた分、別の方向で魅力を持った作品として挙げさせていただいた格好です。まったりとした展開が好きな人には、ぜひおすすめしたいところ!
『三者三葉』 色褪せない「13年間連載マンガ」の重み
今期の春アニメの中で、個人的に欠かせないと思っているのが、『三者三葉』です。原作は『未確認で進行形』でおなじみの荒井チェリーさんで、『まんがタイムきらら』で連載中の4コマ漫画。女の子の学生生活を描いた、いわゆる“きらら枠”の日常コメディ……なのですが、それだけじゃあない。
Twitterなどでも「マジで!?」という驚きの声が散見されていたように、本作の連載が始まったのは、2003年。今年で13年目となり、現在も連載中。2004年開始の『らき☆すた』よりも先輩であり、俗に言う“萌え4コマ”ジャンルとしては、ほぼ最長寿に位置する作品なのです。
この「2003年」という年、同時期に連載が始まったマンガを調べてみたら──なんと、ジャンプでは『武装錬金』、サンデーでは『MÄR』『結界師』、マガジンでは『魔法先生ネギま!』と同期でした。どれも完結してるでよ……。
そんな背景を知ると、歴史の重みすら感じる『三者三葉』。とは言え、いざ映像化されたものを見てみると、そのような「時代性」のようなものは全く感じられません。むしろ「ギャグアニメ」として自然に笑えるおもしろさ。日曜日の夕方に見たい。
もちろん、『ご注文はうさぎですか?』や『きんいろモザイク』のような、「かわいい女の子全盛り!」の日常系アニメも素晴らしい。だけど、あまりにもかわいい成分がマシマシ過ぎて、呼吸が苦しくこともあるのです。かわいすぎて生きるのが辛い。
その点、『三者三葉』はそこに「ギャグ」の要素が多分に含まれているためか、「かわいい」で胸焼けせずに済むんですよね。それもほどほどに「毒」の入った笑いなので、蕩けそうな脳を引き締め、中和してくれる。アニメ化に際しても原作の毒を損なわず、映像によるかわいい成分をプラスでトッピングしつつも、両者のバランスがうまく保たれているように感じました。
そして何より、オープニングが今期のマイベスト。動画工房の動きまくる映像は言うに及ばず、楽曲がむちゃくちゃ楽しい! 発売日に速攻で入手して、早くも再生回数が3桁突破しそうな勢いでござる。毎朝の1曲目に、かくめーしょん! いぇーい!
OP映像との組み合わせで見ると、糸電話の部分が最高。そこをひたすら繰り返すだけでも、それこそ“どんぶり3杯”イケるようなテンポの良さに病みつきでござる。あと、OPでも本編でも双葉が超絶かわいい。あっ……結局これ、かわいすぎて辛くなるパターンだ……。
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けいろー
フリーライター/「ぐるりみち。」管理人
フリーライター。インターネット大好きゆとり世代。会社を辞めてブログを書いていたら、お仕事をもらえるようになったので独立。はやくにんげんになりたい。
ブログ : http://yamayoshi.hatenablog.com/
Twitter : https://twitter.com/Y_Yoshimune
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