『よつばと!』待望の新刊13巻発売! ファンが語る作品の魅力とは?

平凡な日常だけじゃない!移り変わっていく季節も緻密に描写

失恋した風香を好物の牛乳でなぐさめようとするよつばですが……/電撃オンラインの特設ページより

周囲の温かい目で見守られながら送る日々の体験を通して、少しずつよつばが成長していく姿や、誰に対しても子供らしく無邪気に接するよつばの純粋なしぐさが、『よつばと!』最大の魅力。

ですが、実は、ただただ日常を描いているだけではない『よつばと!』の人気の秘密があるのです!

それは7月、夏休みの始まりから物語が始まった本作が、基本的に1日1話で時間が経過していくこと。川遊びやキャンプなど、たくさんのレジャーを体験してきたよつばたちですが、物語が進むにつれて、次第に栗拾いやハロウィンといった秋のエピソードへ季節が移り変わり、ついに現在は11月となりました。

今後さらに、作中の季節が進んで冬になれば、よつばがクリスマスツリーやこたつで遊びながら失敗や発見をしていく、新たなエピソードが目に浮かびます……!

「よつばの冬」をテーマとした音楽CD「よつばと♪組曲『冬将軍』」の描き下ろしイラスト/よつばスタジオより

余談ですが、毎年恒例の月めくりカレンダーや、インストアルバム「よつばと♪組曲『冬将軍』」では、『よつばと!』の冬をイメージしたイラストがたくさん描き下ろされています。漫画ではどんな風に描かれるのか楽しみですね。

また、よつばの視点からは見えないキャラクターの関係性も丁寧に描写されているのです。

例えば、あさぎに好意を持っているジャンボが、彼女の友人・虎子のことを男だと思い込んでいるため、ことあるごとに恋敵だと悔しがっていたり、やんだも1話から引っ越しの手伝いメンバーに含まれていたり(彼はその後もたびたび名前は挙がっていましたが、30話まで登場することはありませんでした)。

さらに、よつばが部屋の段ボールに書いた落書きがいつまでも残っていたり、一読するだけでは分からないほど、よつばの住んでいる世界が繊細かつリアルに描かれています。

そのため、読むたびに発見があり、繰り返して読むほど楽しめることが、多くの人々から愛される理由となっているのではないでしょうか(ちなみに筆者は、虎子がよつばにもらったボールを汚いと言いつつ、いつまでも車にしまっているところがたまらなく好きです)。

コミックス派は知らない、掲載時との違い……?

そんなたくさんの魅力が詰まった『よつばと!』ですが、実は、雑誌掲載時から単行本化する際の修正・加筆量がとんでもなく多いことも、コアなファンの間では有名です。

ファミレスの店内の様子や、コンビニの商品棚といった背景まで写実的に描き込まれたり、キャラクターのアングルそのものが変わったり。

あまりの加筆量の多さに、ネット上では「単行本化される時に、修正が行われていないページはないんじゃないか」とまで言われているほどなので、見比べてみても新しい気付きがあります!

そのようにして、1コマ1コマ緻密に描かれることで、よつばが世の中で体験するいろいろな発見をリアルに感じることができるのです。

自分の思い出と重ね合わせたり、さまざまな楽しみ方ができる本作。まだまだよつばに体験してほしい出来事は山ほどありますが、これまでを振り返りながら気長に続きを待ちたいですね。

ダンボーの人気がすごい!

作中でも屈指の人気キャラクター・ダンボー

「よつばと!」人気を象徴する一例として、ダンボー人気が挙げられます。

5巻で初登場した、みうらが夏休みの工作として、ダンボールで作った着ぐるみなので、正確にはキャラクターではありませんが、作中でも特に人気です。

丸い目と三角の口という、(ちょっと間抜けに見える)シンプルなデザインからか、継続的なフィギュア化はもちろん、モバイルバッテリーなどの家電。さらには、イヤリングといったアクセサリーまで、さまざまな形で商品化。作品の枠を飛び越え、幅広い層から人気を集めています。

もしかしたら、『よつばと!』を読んだことがなくても「ダンボーは見たことがある!」という方さえ増えているかもしれません。

ファン待望!『よつばと!』がアニメ化されない理由

最後に、多くのファンから愛されている『よつばと!』ですが、2002年にテレビアニメ化された萌え系4コマの元祖『あずまんが大王』に続いて、アニメ化が待望され続けている作品でもあります。

「アニメ化してほしい漫画ランキング」などでは、たいてい上位にランクインしています。

しかし、よつばならではの仕草や、作品の世界をアニメで忠実に再現するのは困難という考えによって、これまでアニメ化は果たされていません。アニメ化に関して、あずまさんの公式ブログでも詳細に綴られています。

例えば、よつばが綾瀬家に遊びに行くってシーン。よつばがドアを開けて走っていって「こんにちはー」と言う。
カットをポンポンといくつか使って、数秒で終わりそうなシーンです。それでいいなら出来そう。
でも、「よつばと!」なら、よつばがよいしょよいしょっと階段をおりてきて、てけてけと廊下を歩き、でんっと玄関に座ってヘタクソに靴を履き、よっこらしょっと重い玄関のドアを開けて、元気よく家を出て行く。
そういう、普通アニメでカットされそうな描写もやらないと、アニメにする意味が無いと思うんです。
で、こういう日常の演技描写はアニメの最も苦手とする分野です。「よつばと!」は漫画をそのままやっても「よつばと!」になりません。だから「よつばと!」をアニメにするのは難しいのです。よつばとアニメ/ あずまきよひこ.comより

とはいえ、この記事が執筆されたのは2008年のこと。

アニメ自体のクオリティも日々進歩しており、近頃は15分や3分枠といった放送時間の短いアニメも人気を博しています。

無理やりアニメ化する必要はありませんが、いつかは動くよつばが見てみたい! と思ってしまいますよね。

13巻の発売を記念して試し読みも!

現在、13巻の発売を記念して、既刊を試し読みできる特設Webサイトも公開されています。

こちらでは、第1巻から第5巻までに掲載されたストーリーから厳選された全8話が、計200ページ以上掲載中。無料で読むことが出来るので、まだ触れたことがないという人には、この機会に読んでいただきたいです!
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