「マクロス」自作バルキリーはいかに生まれたのか? 制作者インタビュー

制作者のお2人に独占インタビュー

【ノーカット】初フライト VF-1A Valkyrie(バルキリー)ロイフォッカー機

自作バルキリーの初フライトに成功し興奮冷めやらぬ中、Katagishiさんとひでちさんにお話をうかがった。

──お2人はいつ頃からラジコン飛行機を制作されているのでしょうか?

Katagishi 私は小学6年生の時からですね。周りでラジコンを飛ばしているオジサンたちがいて、それを見てから自分でも制作するようになりました。

ひでち 私はフルスクラッチ(部品からすべて自作でつくりあげること)は4機目なので、まだ2年も経っていませんね。

──たった2年でここまでのクオリティのものをつくれるとは……! 今回バルキリーを制作することになったきっかけは何だったのでしょうか?

Katagishi ひでちからの強い要望と、今までこのような形で、実際につくって飛ばした人はいなかったからです。

ひでち きっかけというより憧れですね。ラジコン飛行機、特にジェットスタイルのものをつくるようになってから、いつかはやってみようと思っていました。高軌道で活躍するアニメのバルキリーの描写がたまらなく好きだったので。

ただ、実際に飛行可能な機体となると、あのような無茶な飛行は無理ということも同時にわかりました(泣)。

手前:「VF-1A Valkyrie ロイフォッカー機」 奥:「VF-1J Valkyrie バーミリオン隊長機」/kurosawaさん撮影・提供

──Katagishiさんのブログの制作過程も拝見したところ、とても苦心されていたことがうかがえますが、中でも1番苦労したのはどの部分でしたか?

Katagishi 制作動画でも触れていますが、やはり重心位置の調整ですね。デコパネ(テスト)機を2機もつくって確認しました。

ひでち はじめはあまりに重心が前過ぎたので、メカの大移動を行って(重心をずらすことで)対応したのが苦労しましたね。

あと、いかに原作のバルキリーのイメージを残すか? というところでしょうか。原作の設計だと空力的に不利な条件が多いのですが、飛行性能を最優先してしまうと、原作のデザインと掛け離れてしまいます。

飛行できるのかどうか半信半疑だったところもあったので、妥協すべき部分とそうでないこだわりの部分をハッキリわけたり、飛行に必要な推力や浮力に対してマイナスになる部分をどのように改善するか? といったことを考えるのも大変でしたね。

──制作動画が国内外でかなりの反響を得ていますが、今どのような心境でしょうか?

Katagishi いやー、やはり「マクロス」のバルキリーということで反応してくれた方も多いようで、アニメ業界はラジコン業界と比べものならないぐらい影響がすごいと思いましたね!

ひでち 再生数が数万の頃は「してやったり!」と思っていましたが、15万を超えてまとめサイトなどで拡散されるようになってから、ネットって怖いと思いました(苦笑)。

【ノーカット】2ndフライト VF-1J Valkyrie(バルキリー)バーミリオン隊長機

──今後このバルキリーのフライト予定はございますか?

ひでち うーん、まだ改良すべき点がいくつかあるので、まずはそこを直してからですね!

また、今回は「50mmEDF」という推力的に不利なユニットを使っているので、より有利な1サイズ上の「64mmユニット」を使って、ひと回り大きな機体をつくりたいと思っています。そうすればかなり飛行が楽になりますからね。

あと、原作のバルキリーのような可変翼やベクター化の要望もありますが、機体の特性上、可変翼は厳しいかなと……。ベクターは重量と推力との兼ね合いで可能になるかもしれませんが!

──今後このほかにも制作、飛行に挑戦してみたい機体はございますか?

ひでち あの動画を観た親や友達からのリクエストがありますが……ここではまだ秘密にしておきます(笑)。もし実現できたら結構ウケルかも!

まあ、今のところは正直無理だろうと思っているんですが、今回制作した「VF-1J」も最初は無理だろうと思っていたので、もしかしたらできるかも……?

kurosawaさん撮影・提供

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