「ライブ・トーク・プレゼンで音楽を楽しむ×知る×考えるエンタメフェス」と銘打って、11月1日から3日までの3日間にわたって行われた「YEBISU MUSIC WEEKEND(以下YMW)」。
会場は恵比寿ガーデンプレイス内のザ・ガーデンホール、ザ・ガーデンルーム、STUDIO38の3カ所・計5ステージという大規模イベントとなった。
ライブだけではなく、並行してトークセッション、音楽周辺サービスのプレゼンテーション。さらには、その場でライブレコーディングが行われるなど、いわゆる音楽フェスとは趣向が異なるものになっていた。 ソーシャルTV局の2.5D協力のもと、STUDIO38でのトークセッションはUstreamにてリアルタイム配信された。さらに、今を象徴する豪華な面々が出演しているにも関わらず、3日間で5500円という格安ともいえるチケット料金が設定されていた。そこからは、主催者の、「今回のフェスを通じて、誰もが気軽に音楽を楽しんでほしい」という思いが伝わってきた。
実験的かつ意欲的な音楽フェスだったYMWを、写真とともに改めて振り返ってみる。
初日のトークで注目されたのは、その日の最終セッションとなるディアステージ presents『アイドルのセルフプロデュース論』だろう。登壇者はでんぱ組.incの夢眠ねむさん、Webメディア「音楽ナタリー」編集長の大山卓也さん。
元々は、京都精華大学で行われた講義"アイドルのセルフプロデュース論"の特別版という立ち位置でのトークセッションではあったのだが、内容は、夢眠ねむさんによる、幼少期の芸術感の目覚めから現在までのセルフプロデュースの歴史を巡るもので、熱心に耳を傾ける来場者の姿があった。
トークセッションを通して、大山さんによる公開インタビュー講座のような形になっていたのが特徴だった。
ZAZEN BOYS、THE NOVEMBERSといった、いわゆる「音楽フェス」の常連ともいえるバンドや、元YMOの細野晴臣さんという大御所。
tofubeatsさん、大森靖子さんなど、今まさに注目株としてメジャーシーンに食い込んでいるアーティスト。水曜日のカンパネラ、NATURE DANGER GANGなど、アンテナの高い音楽フリークからの支持が熱いアーティスト。
そして、BELLRING少女ハート、ゆるめるモ!という音楽ファンからも楽曲の評価が高いアイドル。
バラバラなジャンル、界隈から集められたラインナップではあるが、今の音楽シーンのそれぞれの面白いところをすくい上げた面子が揃っている。
来場者にとって、名前は見たことあるけれどライブをみたことがないというアーティストも多くいたはずで、テレビをザッピングするように様々なアーティストのライブをみることで魅力を発見できる構成になっていた。
そもそもDSDとは?という話だが、DSDとはDirect Stream Digital(ダイレクト・ストリーム・デジタル)の略称で、いわゆるハイレゾ(高解像度)音源として知られている。
高音質であるDSDでのレコーディングでは、その場の空気感までも録音できるといわれている。
DSD音源を完全に楽しむためには、別途専用のハードウェアが必要ということもあり、一般的になっているとは言いづらい。が、そもそものライブレコーディングを間近で見るチャンスということもあり、盛況なプログラムの一つだった。
特に注目されたのは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんと、詩人の和合亮一さんによる"詩"をテーマにした、THE FUTURE TIMES presents『今、どういった詩が必要とされているのか』というセッション。
「Twitterのポストはもはやそれだけで詩になりうる」という話などに加え、和合亮一さんの詩の朗読に、後藤正文さんのギター、テノリオンによる演奏というセッションが行われた。 3日間を通して筆者が参加できたトークの中で最も盛況だったのは、『tofubeatsと音楽ライター/ブロガーが語るディグ術と隠れたJpop名盤』だった。
登壇者はタイトルの通り、tofubeatsさんと近藤真弥さん、荻原梓さん。トラックメイカー/DJと、音楽ライター/ブロガーによる音楽の掘り方と隠れたJ-POPの最高の音楽に出会う術を紹介するという内容。
tofubeatsさんの普段の音楽を探す方法や、今チェックすべき音楽ブログなどが話されたのだが、最終的には「音楽を掘ることはアーティストを育てることになってきている」という話題に。
意外でも何でもなく、アーティストはエゴサーチ(自分の名前などで検索すること)をしている。ほめ言葉を見れば励まされるだろうし、SoundCloudのlikeなどで直接の賞賛もおくれる時代になっている。
「今アーティストを育てるのはリスナーだ!」という言葉が印象的だった。
洗練された恵比寿の街並と対照的とも言える、DIY感あふれる音楽フェスティバルだった今回のYMW。参加した来場者は、みんな新たに音楽を楽しむきっかけを手にして満足した様子だった。
YMWオフィシャル・サイトは、今回のイベントに留まらず、継続して独自メディアとしてリスナー・クリエイターの集まるプラットフォームにしていくことを目指していくとのこと。
次回以降の開催は未定だが、一度だけでは終わらせたくないという思いが伝わってきたイベントだったので、次回の開催も待ち遠しい!
写真提供:YEBISU MUSIC WEEKEND
カメラマン:森 空、Yutaro Suzuki、Shin.T、Kana Tarukawa、ossie
会場は恵比寿ガーデンプレイス内のザ・ガーデンホール、ザ・ガーデンルーム、STUDIO38の3カ所・計5ステージという大規模イベントとなった。
ライブだけではなく、並行してトークセッション、音楽周辺サービスのプレゼンテーション。さらには、その場でライブレコーディングが行われるなど、いわゆる音楽フェスとは趣向が異なるものになっていた。 ソーシャルTV局の2.5D協力のもと、STUDIO38でのトークセッションはUstreamにてリアルタイム配信された。さらに、今を象徴する豪華な面々が出演しているにも関わらず、3日間で5500円という格安ともいえるチケット料金が設定されていた。そこからは、主催者の、「今回のフェスを通じて、誰もが気軽に音楽を楽しんでほしい」という思いが伝わってきた。
実験的かつ意欲的な音楽フェスだったYMWを、写真とともに改めて振り返ってみる。
初日のトークでの注目はアイドルによるセルフプロデュース論
初日となった11月1日は、STUDIO38でのトークセッションのみの開催。約8時間の間に5つのトークが繰り広げられた。初日のトークで注目されたのは、その日の最終セッションとなるディアステージ presents『アイドルのセルフプロデュース論』だろう。登壇者はでんぱ組.incの夢眠ねむさん、Webメディア「音楽ナタリー」編集長の大山卓也さん。
元々は、京都精華大学で行われた講義"アイドルのセルフプロデュース論"の特別版という立ち位置でのトークセッションではあったのだが、内容は、夢眠ねむさんによる、幼少期の芸術感の目覚めから現在までのセルフプロデュースの歴史を巡るもので、熱心に耳を傾ける来場者の姿があった。
トークセッションを通して、大山さんによる公開インタビュー講座のような形になっていたのが特徴だった。
ライブは多彩という言葉だけでは物足りないラインナップ
2日目以降はステージも増え、ライブアクトも始まり、本格的に音楽フェスとしての側面が強まっていった。ZAZEN BOYS、THE NOVEMBERSといった、いわゆる「音楽フェス」の常連ともいえるバンドや、元YMOの細野晴臣さんという大御所。
tofubeatsさん、大森靖子さんなど、今まさに注目株としてメジャーシーンに食い込んでいるアーティスト。水曜日のカンパネラ、NATURE DANGER GANGなど、アンテナの高い音楽フリークからの支持が熱いアーティスト。
そして、BELLRING少女ハート、ゆるめるモ!という音楽ファンからも楽曲の評価が高いアイドル。
バラバラなジャンル、界隈から集められたラインナップではあるが、今の音楽シーンのそれぞれの面白いところをすくい上げた面子が揃っている。
来場者にとって、名前は見たことあるけれどライブをみたことがないというアーティストも多くいたはずで、テレビをザッピングするように様々なアーティストのライブをみることで魅力を発見できる構成になっていた。
ライブレコーディングにも参加できる!!
Special DSD Recording Live!!!と称されるライブレコーディングも行われていた。そもそもDSDとは?という話だが、DSDとはDirect Stream Digital(ダイレクト・ストリーム・デジタル)の略称で、いわゆるハイレゾ(高解像度)音源として知られている。
高音質であるDSDでのレコーディングでは、その場の空気感までも録音できるといわれている。
DSD音源を完全に楽しむためには、別途専用のハードウェアが必要ということもあり、一般的になっているとは言いづらい。が、そもそものライブレコーディングを間近で見るチャンスということもあり、盛況なプログラムの一つだった。
ちなみにハイレゾ音源に関しては、音楽メディアの「ototoy」が、ハイレゾの魅力を体験する「DSD STORE」というイベントを行っていた。
OTOTOY DSD SHOP 2014開催!! - Point of No Return - OTOTOY
OTOTOY DSD SHOP 2014開催!! - Point of No Return - OTOTOY
2日目以降のトークセッションも盛況
2日目以降もライブと並行したトークセッションも盛況だった。特に注目されたのは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんと、詩人の和合亮一さんによる"詩"をテーマにした、THE FUTURE TIMES presents『今、どういった詩が必要とされているのか』というセッション。
「Twitterのポストはもはやそれだけで詩になりうる」という話などに加え、和合亮一さんの詩の朗読に、後藤正文さんのギター、テノリオンによる演奏というセッションが行われた。 3日間を通して筆者が参加できたトークの中で最も盛況だったのは、『tofubeatsと音楽ライター/ブロガーが語るディグ術と隠れたJpop名盤』だった。
登壇者はタイトルの通り、tofubeatsさんと近藤真弥さん、荻原梓さん。トラックメイカー/DJと、音楽ライター/ブロガーによる音楽の掘り方と隠れたJ-POPの最高の音楽に出会う術を紹介するという内容。
tofubeatsさんの普段の音楽を探す方法や、今チェックすべき音楽ブログなどが話されたのだが、最終的には「音楽を掘ることはアーティストを育てることになってきている」という話題に。
意外でも何でもなく、アーティストはエゴサーチ(自分の名前などで検索すること)をしている。ほめ言葉を見れば励まされるだろうし、SoundCloudのlikeなどで直接の賞賛もおくれる時代になっている。
「今アーティストを育てるのはリスナーだ!」という言葉が印象的だった。
音楽周辺サービスで音楽をさらに楽しく!
ライブの合間には、音楽周辺サービスのプレゼンテーションも行われていた。ライブの休憩がてら、新技術や自分が使っているサービスの細かい話に耳を傾けている人がいた。洗練された街並と対照的なDIY感をまた恵比寿で
今回のYMW、実行委員会の軸を担ったのはそれぞれの立場、世代で音楽と関わってきた4人。その4人と実行委員会のメンバーによる完全に手作りの、DIYでの開催だったという。洗練された恵比寿の街並と対照的とも言える、DIY感あふれる音楽フェスティバルだった今回のYMW。参加した来場者は、みんな新たに音楽を楽しむきっかけを手にして満足した様子だった。
YMWオフィシャル・サイトは、今回のイベントに留まらず、継続して独自メディアとしてリスナー・クリエイターの集まるプラットフォームにしていくことを目指していくとのこと。
次回以降の開催は未定だが、一度だけでは終わらせたくないという思いが伝わってきたイベントだったので、次回の開催も待ち遠しい!
写真提供:YEBISU MUSIC WEEKEND
カメラマン:森 空、Yutaro Suzuki、Shin.T、Kana Tarukawa、ossie
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