ホラーアンソロジー『その他の危険』が、7月29日(水)に新潮文庫nexから刊行された。
参加作家は背筋さん、斜線堂有紀さん、上條一輝さん、新名智さん、皮肉屋文庫さん、梨さんの6人。価格は693円(税込)、全256ページとなる。
会社の忘年会、パパ活、タワーマンション、映画の宣伝企画、学校からの帰り道──現代の日常に紛れ込む、分類不能な危険を描いた短編6作品が収録されている。
背筋、斜線堂有紀、梨、上條一輝らホラー作家6人が集結
『その他の危険』は、日常生活の思いがけない場所から現れる「その他」の危険をテーマにしたホラーアンソロジー。
背筋さんによる「箱の中身はなんだろな」は、会社へ来なくなった同期について調査を命じられた人事部員が、忘年会の動画にたどり着く物語。目的を共有する集団が、悪い方向へ一致してしまう恐怖を描く。
『その他の危険』帯/画像はAmazonより
斜線堂有紀さんの「涸渇」は、パパ活相手が「裏返って」死亡したことをきっかけに、主人公を終わりのない喉の渇きが襲う短編だ。
上條一輝さんの「枯れた街の上でも」では、ホテルのようなサービスと眺望を備えたタワーマンションの高層階で、奇妙な現象が発生する。
『その他の危険』帯の解説/画像はAmazonより
新名智さんの「まぎれ鬼」は、ホラー映画の宣伝企画として架空の遊びを考案した男のもとへ、不審なメールが届く物語。
皮肉屋文庫さんの「したたりの宮」は、学校からの帰り道、様子のおかしい先輩が語り出した奇妙な話を描く。
梨さんによる「ブルーライト」では、交通事故で亡くなった友人と、学校で目撃される人魂をめぐる怪異が展開される。
2020年代のホラーを牽引する作家たち
背筋さんは、記事や証言などの断片的な記録を通して怪異に迫る小説『近畿地方のある場所について』で注目を集めた作家。『穢れた聖地巡礼について』『口に関するアンケート』などを刊行している。
斜線堂有紀さんは『恋に至る病』『楽園とは探偵の不在なり』などで知られ、ミステリや恋愛、SFやホラーなどのジャンルを横断しながら、異常な状況下に置かれた人間の愛情や執着を描いてきた。
上條一輝さんは、創元ホラー長編賞を受賞した『深淵のテレパス』で2024年にデビュー。怪異を調査する人々を描いた同作は、「ベストホラー2024」国内部門などで1位に選出された。
新名智さんは、「体験すると死ぬ怪談」を追う『虚魚』で横溝正史ミステリ&ホラー大賞を受賞。著書に『あさとほ』『きみはサイコロを振らない』『雷龍楼の殺人』『霊感インテグレーション』など。
皮肉屋文庫さんは、X上で発表してきた問わず語り怪談で支持を集め、2025年に『夜警ども聞こえるか』で書籍デビューした。
梨さんは、掲示板やメール、動画、文書といったインターネット上の記録を介して怪異を描く『かわいそ笑』『6』などを発表。漫画『コワい話は≠くだけで。』では原作を担当している。
文字通り、2020年代のホラーを牽引する作家陣が参加したアンソロジー『その他の危険』。人気作家の新作を読みたい人はもちろん、夏にぴったり(?)なホラーを手軽に楽しみたい人にとってもうってつけの一冊になりそうだ。
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