カフェやレストランなどの商業施設で流れる楽曲の使用料を、歌手や演奏家、レコード会社にも分配するための改正著作権法が6月17日(水)、参議院本会議で可決した。
これまで店舗BGMなどで発生する使用料は、主に作詞家や作曲家といった著作権者に分配されていた。
改正法では新たに「レコード演奏・伝達権」を創設。歌手や演奏家などの実演家、レコード製作者にも対価を還元する制度が整備される。
施行は公布から3年以内を予定している。
BGMとして流れる音楽、その声や演奏にも対価を
これまで日本では、店舗などで楽曲をBGMとして流した場合、主に作詞家や作曲家といった著作権者に使用料が分配されてきた。
著作権法の一部を改正する法律案の概要/画像は文部科学省より
一方で、その楽曲を歌った歌手、演奏したミュージシャン、録音物を制作したレコード製作者には、BGM利用に対する対価が原則として分配されていなかった。
たとえばカフェでアーティストの曲が流れていても、その楽曲のボーカル本人や演奏者は対価を得ることができなかった。
今回の改正は、そうした仕組みを見直し、音楽を形づくる実演や録音物の価値にも報酬を還元するものだ。
海外では広く導入済み 日本の音楽の海外展開にも関係
文部科学省によれば、実演家やレコード製作者にもBGM利用の対価を還元する制度は、海外では広く導入されている。
一方、日本では同制度が未整備だったため、日本のアーティストの楽曲が海外の店舗やホテルなどで利用されても、実演家やレコード製作者が適切な対価を得られないという課題があった。
近年はYOASOBIやAdoさん、Creepy NutsといったJ-POPアーティストだけでなく、ボーカロイド(VOCALOID)楽曲やVTuberなどインターネット発のアーティストによる楽曲も海外で広く聴かれるようになっている。
今回の制度整備によって、海外の商業施設で日本の楽曲が利用された際、実演家やレコード製作者へ使用料が還元される道が開かれる可能性がある。
小規模店舗への負担軽減も今後の論点に
もっとも、具体的な使用料の額や徴収方法については今後検討される。
参議院文教科学委員会の付帯決議では、小規模店舗や文化芸術団体、スポーツ団体などへの負担軽減措置も求められており、制度設計の詳細は今後の議論に委ねられることになる。
この記事どう思う?
関連リンク
0件のコメント