連載 | #17 にじさんじフェス特集

にじさんじ最強布陣、ここにあり──VACHSS「THE TAKEOVER」ライブレポート

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草野虹
にじさんじ最強布陣、ここにあり──VACHSS「THE TAKEOVER」ライブレポート
にじさんじ最強布陣、ここにあり──VACHSS「THE TAKEOVER」ライブレポート

VACHSS「THE TAKEOVER」ライブレポート

2026年5月14日、幕張メッセ国際展示場でにじさんじ所属の6人組VTuberユニット・VACHSSが、ライブ「THE TAKEOVER」を開催した。

16日~17日に開催されたにじさんじの大型フェス「にじさんじフェス 2026」のスペシャルステージとして、トップを飾るライブステージとなった。

「にじさんじフェス 2026」がはじまる号砲代わりのライブということで、にじさんじの誇る6人の男性タレントがずらりと勢揃い。この日に合わせて久々に顔を揃えた6人。その圧巻のパフォーマンスをレポートしていこう。

「THE TAKEOVER」/画像は「にじさんじフェス2026」公式サイトより

取材・文:草野虹 編集:タナカハルカ

葛葉、叶、加賀美ハヤト、不破湊、剣持刀也、夢追翔が集まるVACHSS

今回トップバッターとしてライブを披露することになったVACHSSだが、そもそもVACHSSの6人がどういった経緯で集められたか、あまりご存知でないファンも多いかと思う。

その点をサクッとおさらいしていこうと思う。

VACHSS/画像はTuneCore JAPANより

VACHSS(読み:ヴァックス)は、葛葉さん、さん、加賀美ハヤトさん、不破湊さん、剣持刀也さん、夢追翔さんによる6人組ユニット。各メンバーの属性やプロフィールからグループ名が考えられており

Vampire(葛葉)
Angel(叶)
CEO(加賀美ハヤト)
Host(不破湊)
Student(剣持刀也)
Singer(夢追翔)

この頭文字から取られている。

6人が最初に集まったのは、いまから5年前の「にじさんじ Anniversary Festival 2021」のライブステージに出演するためだった。当時は世界的な事情の影響を受け、開催予定であったアトラクションはすべてオンライン開催へと変更。

ロックバンド・FLOWとのコラボライブとなった前夜祭と「にじさんじ JAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow! 東京リベンジ公演」は観客を入れての開催となったが、このときのVACHSSのライブは無観客のオンライン開催となった。

その後、不破湊さんの3D衣装が刷新されることを受けて配信された新3D衣装のお披露目ライブで再集結。前回から2年が経過したうえでの6人の並びに、当時のファンは大いに震えた。

翌年にはミュージシャン・Eveとのコラボ企画を通してオリジナル楽曲「メメント」をリリースしている。

VACHSS「メメント」MV

VACHSSの歩みを振り返ってみたが、約5年ほどの歩みにしてはあまりにも略歴が短い。6人は同じにじさんじに所属するVTuberではあるが、活動フィールドがそれぞれに若干異なっており、よく絡みがある人/ない人がハッキリとしている。

またこの5年の間で、葛葉さんと叶さんはChroNoiR、加賀美ハヤトさんと剣持刀也さんと不破湊さんがROF-MAO、夢追翔さんがソロシンガーとしての活動も本格化しており、この6人が顔を合わせる機会・時間もますます失われることになった。

彼らはしばしば配信上で「お仕事」という言葉を使うことがある。にじさんじのVTuberとして対外企業とのPR企画などに参加したり、スタジオでの収録がある際に使う言葉だ。

全員がこのVACHSSというユニットのライブパフォーマンスという"お仕事"に、集中してパワーとクオリティを結集させた。

なによりこの5年の間にソロやグループとして大舞台を経験し続けており、当然のごとくパワーアップしている。そんな6人は幕張に集まった数万の観客をどう魅了し、ブチあげたのだろうか。

Xのトレンドも席巻したVACHSS

定刻18時からすこし遅れてスタートしたライブ。メンバー6人の紹介ムービーが流れ、全員がキメポーズと共にステージに登場。

1曲目は今回のライブのために夢追翔さんが制作した新曲「Replace to be」を披露。名前や挨拶などにひっかけたリリックを高速のラップフロウでマイクリレーしていく曲で、軽く韻を踏みながら軽快にグルーヴしてく。

最初の1曲目を終えてすぐにMCパートに入ったが、司会役になるはずの夢追翔さんが「ちょっともう泣きそう」とこの時点で軽く感動していた。

だがこれだけキャラの立った6人がずらりと自身のことをラップしながら、ドンッと構えるパフォーマンスをしてみせたのだから、その心の高ぶりには察するに余りあるほどだ。

剣持刀也さんの「バケモノダンスフロア」、加賀美ハヤトさんの「インフェルノ」とロックな楽曲が立て続けに披露されると、葛葉さん、不破湊さん、夢追翔さんで「S.C.R.E.A.M (feat.RainyBlueBell)」を幕張にブチかます。

荒々しいヒップホップビートにあわせ、葛葉さんと不破湊さんがガナリ声でラップすれば、夢追翔さんは高低差をつけたフロウをかます。リリックで表現されている怒りや苛立ちをダイレクトにぶつけたのだった。

MCを終えると、今度は叶さんと加賀美ハヤトさんが優しげな表情とボーカルで「flos」を歌い、叶さん、剣持刀也さん、夢追翔さんの3人で「ヴィラン」をクールにキメる。

6人のビジュアルの良さだけでなく、ステージ演出やカメラカット、加えてこの5年で培ったパフォーマンス力が遺憾無く発揮され、幕張メッセを掌握した前半部分となった。

その影響力はXのトレンドにも影響。この日のハッシュタグ「#VACHSS_LIVE」はトレンドランキングで上位に位置し、ライブ終了後には数時間にわたって1位に鎮座した。

さらに別の曲、別の曲と楽曲を披露するたびに、楽曲名や関連ワードがトレンド入りするという状態となった。

このように書いてみると、にじさんじのファンの方なら「何を今更?」と思うかもしれない。しかし、改めて彼ら6人とにじさんじの影響力の強さを感じずにはいられない。

意味深な伏線も巡らせるニクい演出

そんな前半のなかでも特段大きな反響を生み出したのは、不破湊さんの「ずうっといっしょ!」であろう。女性向けのバッグやボトルがキレイに置かれたピンク色の部屋で、ベッドに座って歌いはじめる不破湊さん。

<健やかなるときも 病める時も グロい履歴の中でずうっといっしょ!>という歪んだ愛情とヒステリックな感覚を鋭い言語表現で捉えたこの曲。歌唱していくうちにすこしずつ部屋の中が荒れていくことで、その感覚を視覚的にも表現している。

ところで、ホストクラブでは店舗によっては空いたボトルを太客としてのアピールや記念として持ち帰る方も多い。つまりこの部屋は、彼女の部屋ではなく太客である"姫"の部屋では……? 詳しくなければ気づけないような、意味深な伏線を描いてくるのはなかなかにニクイ演出だ。

叶さんがステッキを使ってキスを思わせたり、腰を艶めかしく動かしてセクシーにダンスしてみせると、一部の女性ファンから声にならない声が漏れ聞こえる。

葛葉さん、加賀美ハヤトさん、剣持刀也さんによる「Nobody's Home」では、ステージが突如上下に動き出して段差をつくり、観客から驚きの声が上がった。

これらは一般的な音楽アーティストであれば普通に起こりうるステージ演出だ。

ただ、基本的にスクリーンに投影されることがほとんどのVTuberのライブで、バーチャルの3Dステージに合わせて実物のステージ上のスクリーンも動く。

そんな意外性とこだわりに「まさか」と感じたファンが多かったであろう。

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