ニホンザル・パンチくんを飼育している市川市動植物園が、非正規グッズに関して声明を発表した。
その愛くるしい姿が、日本だけでなくSNSを通じて世界的に拡散され、大きな話題となっているパンチくん。現在、そんな人気者・パンチくんの非公式ライセンスグッズが多数販売され、問題視されている。
市川市動植物園は、「ニホンザル『パンチ』の姿を模した商品について、ライセンスその他に関する契約を締結していません」と明記。注意喚起を行った(外部リンク)。
ぬいぐるみを母親代わりにする「パンチくん」
飼育員から与えられたオランウータンのぬいぐるみを抱きかかえる愛らしい姿が、瞬く間に世界中のインターネットで拡散され、大きな注目を集めているパンチくん。
パンチくん/画像は市川市動植物園公式Xから
パンチくんは、猛暑のさなかに初産を経験して衰弱してしまった母ザルから育児放棄され、生後翌日から飼育員による人工哺育で育てられた。その切実な背景も含めて世界的な関心を集めている。
一時は、猿山での群れ入りに挑戦したが、群れの仲間に近づこうとしてもうまくいかないことも。さらに同日には群れの大人のサルに引きずられてしまうショッキングな出来事も起こった。
その様子が海外のSNSなどでも拡散されて心配の声を集め、2月20日には、市川市動植物園からこれまでの経緯を説明する声明文が公開される事態にまで発展(外部リンク)。
3月10日には、ニホンザルの群れの習性に関する解説を含めた声明を発表。いじめのように見える光景だが、これは虐待ではなく自然に発生する躾けであると説明し、パンチくんは1日の大部分を平穏に過ごしていると報告した(外部リンク)。
他のサルと仲良く過ごすパンチくん/画像は市川市動植物園公式Xから
米クロックスが「パンチくん」を模したグッズを販売
人気絶頂のパンチくんだが、彼を模した非公式のぬいぐるみやグッズが多数販売されている。
なかでも、米・クロックスが現地時間3月14日(土)に発売予定のジビッツチャーム(クロックスの穴につける専用アクセサリー)が物議を醸した。
「Punch (Panchi) the Monkey」商品ページ/画像はクロックス公式サイトから
商品は「Punch (Panchi) the Monkey」というパンチくんを連想される名前となっているが、市川市動植物園から公式のアナウンスもライセンスに関する記述もなかった。そのため「これは非公式グッズの一つではないか?」という声が多数あがっていた。
市川市動植物園の声明では、具体的な商品名は挙げられていないものの、実際にこうした商品が相次いで登場する事態となっている。
ニホンザルである「パンチくん」にパブリシティ権はない
ただし日本の法律では、人間の氏名や肖像が持つ経済的価値を保護する「パブリシティ権」が動物等の自然物には認められていない。
仮に動物園が撮影した写真を無断でグッズに使用すれば著作権侵害となる可能性があるが、「パンチくん」という名前のサルのイラストを独自に描いて販売した場合、それを法的に取り締まるのは難しいだろう。
動物園側としても「公認していない」とファンに向けて注意喚起を行うことしかできないのが実情である。
非公認の「パンチくん」支援活動も発生して問題に
パンチくんを巡る問題は非公式グッズの販売だけにとどまらない。
現在、市川市動植物園では、パンチくんの支援を目的とした現金や物品寄付に関する問い合わせが多数発生しているという。寄付の受け入れ態勢について、市川市動植物園は近日中にアナウンスする旨を2月24日に発表していた。
続けて、3月11日(水)には、市役所と最終調整中である旨を追加で報告。同時に、現在インターネット上などで見受けられるパンチくんの支援活動について「すべて公認していない」と注意喚起を行っている(外部リンク)。
凄まじい広がりを見せるパンチくんだが、過度な応援は迷惑行為にもなりかねない。パンチくんがこれからも健やかに成長できるよう、市川市動植物園からの公式アナウンスや支援窓口の開設を冷静に待とう。
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