「游ゴシック体」開発の字游工房、モリサワによる吸収合併を発表

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アシュトン
「游ゴシック体」開発の字游工房、モリサワによる吸収合併を発表
「游ゴシック体」開発の字游工房、モリサワによる吸収合併を発表

「游ゴシック体」(画像は公式サイトより)

游明朝体」「游ゴシック体」などの有名な字体で知られるフォント開発会社・字游工房(じゆうこうぼう)が、2025年11月1日付けで株式会社モリサワに吸収合併されることを発表しました。

有限会社字游工房は、1989年に設立。2019年3月には、すでに株式会社モリサワの100%子会社となっていました。

今後、字游工房の事業はモリサワが引き継ぎ、現在契約中の同社フォント製品についても継続しての利用が可能とのことです

游書体で知られるスタンダードなフォントを開発

字游工房は、老舗写真植字メーカーの株式会社写研から独立した鈴木勉さん、鳥海修さん、片田啓一さんの3名が中心となり1989年に設立されたフォントメーカーです。

2002年にオリジナルのフォントとなる「游明朝体 R」を発売。その後、「游書体ライブラリー」と呼ばれるフォントシリーズを開発・発売しました。中でも、「游ゴシック」はWindows 8.1以降やmacOSにも標準搭載されており、多くの人が意識せずとも目にしているフォントの一つです。

また、1993年にプロ向けデジタルフォントとして販売開始以降、「Mac OS」をはじめさまざまな場面で広く使用されている日本語フォント「ヒラギノ」も、販売元はSCREENホールディングスですが、主要なデザインは字游工房が行っています(外部リンク)。

2019年3月からはフォント大手「モリサワ」の完全子会社に

モリサワは、「BIZ UDフォント」などで知られるフォントメーカーの大手。

日本語フォントのみならず、英語やフランス語、スペイン語などのラテンアルファベットや、ギリシャ語、キリル語、中国語などグローバルな多言語フォントも手がけています。

モリサワの手がける欧文書体の例/画像は公式サイトより

2019年3月に、字游工房の全株式を取得し、グループ会社化。「写研改刻フォント」などの共同開発を行ってきました。

今回の吸収合併について、字游工房は「フォント市場を取り巻く急速な環境の変化」および「グローバル化に対応するため」と説明しています。

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