ソーシャルVRサービス・VRChatが5月15日、アバターを購入できる「アバターマーケットプレイス」機能導入を発表しました。
VRChat内でアバターを買い、着替えることができる。実はこれまでVRChatには存在しなかった機能です。
では、ユーザーは今までどのようにアバターを導入していたのか。そして、「アバターマーケットプレイス」はどんな変化をもたらすか。
VRChatのプレイ時間約3000時間の筆者が、これまでのVRChatアバターを巡る環境を含めて解説します。
VRChat公式「アバターマーケットプレイス」が近日実装へ
「アバターマーケットプレイス」は、VRChat内部に近日実装予定のアバター購入機能です。
VRChat内部で、アバターを購入できるようになる/画像はVRChat公式動画より
メニューの「アバター」タブに追加された専用ページから利用可能。ユーザーはここから好みのアバターを探し、試着・購入することができます。
アバターの購入には、アプリ内通貨・VRChatクレジットを使用します。VRChatクレジットは、これまでは一部クリエイターへの支援手段だったサブスクリプション機能に使用できましたが、「アバターマーケットプレイス」の登場で用途が広がります。
「アバターマーケットプレイス」に並ぶアバター/画像はVRChat公式動画より
機能ローンチと同時に、複数のアバターがマーケットプレイスに登場予定する模様です。そして、クリエイターはアバターをこのマーケットプレイスへ出品することもできます。
アバターを出品するには、従来の収益化システムと同様の登録手続きと審査が必要になるとのこと。ただし、VRChat運営は「他のアバターをアップロードするのと同じくらい簡単」とコメントしています。
アバター導入のため、これまでゲームエンジンと格闘してきたVRChat民たち
VRChatを知らない人は、「アバターの売買機能」がこれまで存在しなかったことを意外に思うかもしれません。
では、これまでユーザーはどうしていたか。答えは「ゲームエンジン経由でアップロードしていた」です。
「Unity」を用いる一般的なVRChatアバター準備の様子/アバターは「墨澄」
ゲームエンジン「Unity」をインストールし、必要な開発キットやアセットを導入。その後、外部サイトで購入したアバター本体をUnityプロジェクトに持ち込み、調整。最後に、VRChat専用ツールでアップロード……かなり簡潔に手順を説明すると、このようになります。
「めちゃ難しくない?」と思われた人、その通りです。そもそもゲーム開発者が用いるものをPCにインストールさせられる時点で、とても高いものです。
もっとも、近年は公式ツールや有志ツールの登場、国内メディアや有識者によるハウツー整備により、難易度は低下しつつあります。しかし、「Unity」を用いた作業はPCの所有が前提です。PCを持たず、「Meta Quest 2」だけ所持している人には、打つ手がほぼありません。
こうした状況を受け、アバターのカスタマイズとVRChatへのアップロードに特化すらサービスが複数登場しています。Gugenkaが配信中のスマートフォンアプリ「MakeAvatar」がその代表例です。

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