御上の目的は何か? 「エリート」の意味すること
このドラマにおいて、御上の目的はなんなのだろうか。1話にその要素がちりばめられていたように思う。
御上は、生徒に初めて対面した際、「エリート」の意味について語った。もともとは「神に選ばれた人」というものであるが、先述したように、だからといって、単に自分のためだけに社会的地位が高い人を目指すというのであれば、それは「上級国民」にすぎないと語る。
「エリート」の意味について語った御上/画像はドラマ公式Xより
御上は、将来、これからの国の中枢を担う人物となるであろう隣徳学院の生徒たちを、自分たちの私利私欲で動いたり、また組織の倫理に従うあまり、市井の人々の幸せをないがしろにするような政治家や公務員、教師ではなく、本当の意味での「エリート」に育てないと、国が滅びると本気で考えている。
御上が何度も口にする「個人的なことは政治的なこと」という言葉が意味するところは明らかだろう。個人の抱える生きづらさは、昨今の世の中では自分でなんとかしろと言われがちではあるけれど、実はそのどれもが社会問題であり、政治が解決すべき問題であると、はっきりと言っている。
「真のエリートが救うべき他者とは、つまり弱者のことだ」と御上は言う。今の社会では、自己責任論がはびこっている。この空気にあらがうことが、御上の、そしてこのドラマの目的なのではないだろうか。
ドラマ『御上先生』最終回は、3月23日(日)21時から25分拡大スペシャルにてTBS系で放送される。

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