3月末を以て解散することを発表した、異端のトップアイドルグループ・KAT-TUN。
2001年に亀梨和也さん、赤西仁さん、田口淳之介さん、田中聖さん、上田竜也さん、中丸雄一さんの6人でグループを結成。
2006年、1stシングル『Real Face』でメジャーデビューすると、それまでのアイドル像とは一線を画す“不良っぽさ/ワイルド”路線で、一躍大人気に。
『Real Face』通常盤/画像はStorm Labels公式サイトより
しかし、2010年に赤西仁さん、2013年に田中聖さん、2016年に田口淳之介さんが脱退。一時的な活動休止を挟み、現在までメンバー3人で活動を続けてきた。
かつて時代の寵児だったアイドルグループの解散発表に、SNSでは「Real Face」や歌詞を引用した投稿が相次いでいる。
──だが、ちょっと待ってほしい。確かにB'zの松本孝弘さんが作曲、スガシカオさんが作詞した「Real Face」は衝撃作だったが、KAT-TUNの名曲は決してそれだけではない。<ギリギリでいつも生きていたいから>だけじゃない。
今回は「Real Face」しか知らない読者に向け、筆者の独断と偏見でチョイスした、KAT-TUNの名曲を紹介していきたいたい。
惜しむらくは、KAT-TUNは一部のシングルやアルバムを除き、音楽ストリーミングサービスで楽曲を配信していない。ただ今回は、シングル表題曲から3曲をピックアップしたので、比較的聴きやすい……はずだ!
「Keep the faith」(2007年)
2007年11月21日にリリースされた5thシングル表題曲「Keep the faith」。赤西仁さんの主演ドラマ『有閑倶楽部』(日本テレビ系)の主題歌。
『Keep the faith』(通常盤)/Storm Labels公式サイトより
作詞/作曲に携わったのは、ロックバンド・BOØWYの元ボーカリストとして知られる氷室京介さん(作詞にはSPINさんも参加)。編曲はha-jさんが担当。そしてラップ詞は、“JOKER”こと田中聖さん。
「Real Face」が象徴的だが、(特に活動初期の)KAT-TUNは“ロック”の印象が強い。かつてロックが不良の音楽とされていたからか、そういった路線の楽曲が多かったのだろうか。
「Keep the faith」もその一つ。ブリッジミュートが効いた、ハードなリズムギターに乗せ、<No! No! No!/You show me the faith/必ず I'll keep it for you>と、君(=聴き手)の信念を守り抜くことを、声を荒げて宣言する。
余談だが、2008に発売された氷室京介さんのベストアルバムにも、本楽曲のセルフカバーが収録されている(外部リンク)。
「DON'T U EVER STOP」(2008年)
2008年5月14日にリリースされた7thシングル表題曲「DON'T U EVER STOP」。好きなKAT-TUNの楽曲を1曲だけ挙げるなら、筆者はこの「DON'T U EVER STOP」を選ぶ。
『DON'T U EVER STOP』通常盤/画像はStorm Labels公式サイトより
作詞はSPINさん。作編曲はShusuiさん、Fredrik Hultさん、Carl Utbultさん(編曲にはYukihide YT" Takiyamaさんも参加)。ラップ詞は、こちらも“JOKER”こと田中聖さん。
ハードロック/メタルを基調としているのは、先の「Real Face」や「Keep the faith」と同様。しかし、それらを“バンド・ミュージック”とするならば、「DON'T U EVER STOP」はよりドラムにパンチがある“ダンス・ミュージック”と言えるだろう。
KORNの楽曲「Evolution」(外部リンク)を彷彿とさせる、武骨なギターリフが力強い。それに負けじとKAT-TUNの歌声も、荒々しくエッジが効いている。
一方、(先の2作にも共通して言えることではあるが)KAT-TUNのボーカルワークは、ただギラギラしている/オラオラしているだけではない。
むしろ、その背後にある強がりや不器用さ、若さゆえの背伸び、あるいは憂いや悲哀といった弱さをも纏っていたように思う。
「BIRTH」(2011年)
2015年3月11日にリリースされた17thシングル表題曲「BIRTH」。亀梨和也さんの主演ドラマ『妖怪人間ベム』(日本テレビ系)主題歌。
『BIRTH』(通常盤)/画像はStorm Labels公式サイトより
作詞はSean-Dさん。作曲はJanne Hyötyさん、DAICHIさん、Paul Oxleyさん。編曲はBilly Marx Jr.さん。
ここまで、KAT-TUNの“不良っぽさ/ワイルド”さにフォーカスを当てて紹介してきたが、その特色は歳月を重ねるにつれ、セクシーさやクールさへと転化していく。
メンバー5人体制で発表された楽曲「BIRTH」にも、すでにその傾向が見受けられる。
「BIRTH」も先の3作と同じくロックテイストの楽曲だが、KAT-TUNのボーカルワークもトラックも、荒々しさは削ぎ落とされ、余裕すら感じさせる──スタイリッシュに仕上がっている。
![この記事どう思う?](/img/all/user_reaction_hackall.png?1699613532)
この記事どう思う?
関連リンク
0件のコメント