可不との共演、VIRTUAL BEING KAFの降臨──バーチャル表現のさらなる深淵へ
興奮冷めやらぬところだが、会場が再び暗転していくと、花譜さんの思考の深淵をなぞるような詩の朗読パートに。御伽噺を経て、KAMITSUBAKI STUDIOのライブではお馴染みのDJタイム「KAF DISCOTHEQUE」へ。
ベースとキック強めのアレンジで激ダンサブルになった「私論理」や「飛翔するミーム」などの名曲たちが流れる中、ダンサーたちがスーパーアグレッシブなムーブの数々を繰り出し、観測者たちに心の休まる時を与えない。
そして、長いツインテ―ルでシルエットが一気に変わる形態「犀鳥」へと着替えた花譜さんが再び登場。今度は、花譜さんの音楽的同位体(※花譜さんの声をもとにした歌声合成ソフト)である可不を招いて「不埒な喝采」から「フォニイ」 をメドレーで披露。対照的な色彩の二人が繰り広げる変幻自在の掛け合いが、フロアのボルテージをさらなる次元へ引き上げる。
再び映像パートへ。無骨な鉄骨の森の中を落下していく影が形を変えると、「VIRTUAL BEING KAF」へとトランスフォームした花譜さんが巨大スクリーンに降臨。
DJセットを伴って現れたトラックメイカー・Moe Shopさんと共に披露したのは「notice feat. Moe Shop」。Moe Shopさんのオリジナル楽曲のカバーである。
スモークも焚かれて、フロアは大レイヴ空間へと変貌。さらに新曲「My Life feat. Moe Shop」もドロップし、内臓まで揺らすような重低音を轟かせて満員の幕張をジャックしてみせた。
4thアルバム『寓話』を彩る新たな名曲たち
刺々しい花々が妖しく咲き誇る幕間映像を経て、花譜さんは「特殊歌唱用形態 扇鳩」へ変身。神出鬼没のバーチャルガールズグループ・VALISがサプライズ参戦して一緒に「ゲシュタルト」をパフォーマンス。ハイパーアッパーチューンでオーディエンスのテンションを爆上げると「アポカリプスより」へと接続。共に定番ライブアンセムとなったことを証明する盛り上がりを見せた。
そしてリリースが発表された4thアルバム『寓話』に収録される新曲たちの初お披露目コーナーへ。「何者」はギターのアルペジオが印象的な花譜さん流の新型直球ロックナンバーで、期待して待ち構えていた観測者たちの想像を遥か超えていく。
そこからシームレスに繋がった「カルぺ・ディエム」は悲痛な思いを曝け出すポエトリーパートと、蒼天へと突き抜けるような爽快なサビのコントラストが美しい一曲。声の限り<生きて>と叫び続けるラストは激情的。4thアルバム『寓話』が歴史に残る名盤となることを確信させられる新たな名曲の誕生を目撃させられた。
いよいよクライマックスへと差し掛かり、2日間のライブを共にしたバンドメンバーを紹介して、さらなる新曲「代替嬉々」へ。暴れまわる鍵盤の音色と鮮烈な言葉遊びが印象的な本楽曲は、大森靖子さんとの再タッグソング。賑やかに展開する楽曲をカラフルな映像と演出がさらに彩った。
そして会場は、再び闇に包まれる。
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ライブ情報
花譜 4th ONE-MAN LIVE「怪歌(再)」
- 開催日
- 2024年11月3日(日) 16:00 開場 / 17:00 開演
- GUEST
- ツミキ、崎山蒼志、星街すいせい、Moe Shop
- セットリスト
- 1.青春の温度
- 2.未観測
- 3.糸
- 4.夜が降り止む前に
- 5.海に化ける~人を気取る(メドレー)
- 6.邂逅
- 7.愛のまま
- 8.抱きしめて feat. 崎山蒼志曲
- 9.チューイン・ディスコ~トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. ツミキ
- 10.一世風靡 feat. 星街すいせい
- 11.KAF DISCOTHEQUE
- 12.不埒な喝采〜フォニイ feat. 可不(メドレー)
- 13.notice feat. Moe Shop
- 14.My Life feat. Moe Shop
- 15.ゲシュタルト
- 16.アポカリプスより
- 17.何者
- 18.カルぺ・ディエム
- 19.代替嬉々
- 20.ターミナル
- 21.スタンドバイミー
- 22.テディベア
- 23.転校生
- 24.東京、ぼくらは大丈夫かな
- 25.かいか
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