チキンは韓国の“神的(?)”国民メニュー
いつだったか、韓国青年の進路フローチャートの末路がすべて「チキン店」に終わるという放送画面が、日本のSNS上で話題になったことがある。
これは韓国内でもよく流れていた、青年世代を待ち受ける暗い未来を自嘲する冗談で、それが日本にも届いた形だ。
ここでいう「チキン店」とは、すなわち飲食経営の自営業である。つまり韓国社会でもっとも代表的な業種がチキン屋という社会の反映でもあるのだ。
韓国で「チキン」と「ハヌニム(神様)」を合わせた“チヌニム”という造語が長く流行するくらい、チキンは韓国人にとって国民的なメニューだ。
配達が盛んな文化と、チキン専門チェーン店の発達は、人々のフライドチキンへの接近を急激に近づけたと思われる。
チキンは韓国の“神的(?)”国民メニュー
「DEMIGOD」MVにおいて、最も強く影響されていると思われる、人気映画『エクストリーム・ジョブ』を見てみよう。
『エクストリーム・ジョブ』は、偽装捜査のために街中の平凡なチキン店を装って諜報活動を続けるものの、「チキンが美味い」という評判が広まって繁盛し、目的が逆転してしまうという大人気のスリラー/コメディー映画だ。
ここで、もっとも庶民の近くでステルスできる自営業である同時に、日常的な幸せを満喫できるホットプレイスである場所として「チキン店」が選ばれたのは、やはり必然だったように思う。
「DEMIGOD」MVの「チキン屋」と「撮影現場」という2つの使命が重なり合って人々に幸せを届けるアイデアは、確かに「チキン屋」と「潜入現場」の使命が重なって人々の幸せを守る『エクストリーム・ジョブ』のアイデアと共鳴するところがあると思われる。
つまり、一流シェフの高級料理ではなくとも、チキンは庶民の神で、業者たちは庶民の英雄なのだ。それは人々に幸せを届けるK-POPアイドルの使命感にも同様に言えるのではないだろうか。
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連載
大衆音楽は「音」だけで定義されません。特にMV(ミュージックビデオ)はレコードに準ずるほどの大きな影響力を及ばせてきました。 ラジオからテレビにポップの主導権が渡ってからビデオはさらに重要な位置を占め、21世紀に入ると動画配信サービスがその座を受け継ぎました。 今ではK-POPやボーカロイド、Vシンガーなどのジャンルにおいては特にMVが最重要に近い位置を占めており、それ以外の音楽分野でもより重要視されるべきビデオがたくさん存在します。 この連載では主に話題の新曲を対象に、定期的にMVに焦点に当ててレビューする連載を提案したいと思います。
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