今作は花譜さんが他のアーティストやコンポーザーとコラボレーションする企画「組曲」の第15弾にして、最終作となる。
「組曲」でコラボした全アーティストと楽曲(敬称略)
第1弾:GLIM SPANKY「鏡よ鏡」
第2弾:大森靖子「イマジナリーフレンド」
第3弾:佐倉綾音「あさひ」
第4弾:たなか「飛翔する meme」
第5弾:羽生まゐご「わたしの線香」
第6弾:くじら「春陽」
第7弾:長谷川白紙「蕾に雷」
第8弾:MIYAVI「BeyondMETA」
第9弾:音楽的同位体 可不「流線形メーデー」
第10弾:ORESAMA「CAN-VERSE」
第11弾:東京ゲゲゲイ「メイドインあたし」
第12弾:ズーカラデル「秘密の言葉」
第13弾:ケンモチヒデフミ「しゅげーハイ!!!」
第14弾:大沢伸一(MONDO GROSSO)「わたしの声」
第15弾:岸田繁「愛のまま」
花譜と岸田繁によるバラード「愛のまま」
花譜さんが2023年にプライベートで最も楽曲を聴いたというくるり。そのギター/ボーカルをつとめる岸田繁さんとの共同制作となった「愛のまま」は、夕日を想起させる風景の中で大切な人との別れ、明日への期待と不安。
そして20代に向けて新たなステージへ旅立つ花譜さんが、今まで歩んできた道程への憧憬を想起させるメランコリックなバラードとなっている。
岸田繁さんのコメント
自分が20歳になる頃のことを思い出そうと思って、もう殆ど覚えていないけど、何かに夢中になっていたりとか、心に沢山の葛藤を抱えていたりとか、その時に過ごした街のことや、一緒にいた友人たちのことを思い出したりしました。
歩道橋の階段を昇り、そこから見える遠くの風景は霞んでいるのに、足元の崩れたコンクリートと、眼下を通り過ぎる大型トラックの屋根ばかりがやたら鮮明で、色んなことを考えながら生きていたのに、ただただ必死に見えない何かを探していたのかな、と思いました。
花譜さんから頂いた、歌詞のモチーフはそんなことを想起させるような、心のささくれのようなものを鮮明に描かれたものでした。
彼女の声はとても綺麗で、リード・ヴォーカルは勿論のこと、随所に散りばめたヴォーカル・ハーモニーも、たおやかに楽曲を包み込んでいます。
心の風景と、ほんの少しだけビルの隙間から見える夕陽が、彼女の友人たちや、まだ知り得ない多くの人たちの心を照らすことになるだろう、と思っています。
良い曲出来てよかったね!
花譜さんのコメント
組曲第15弾!お相手は、岸田繁さんです!!
「愛のまま」の制作を通して、私は自分の10代を振り返ってみたのですが、感情がめちゃくちゃ動かされたりして、鮮明に記憶に残ってることよりも、なんだかなー、とか、よくわかんないなーとか曖昧に思いながら、年ばかり重ねてきた、さよならもはじめましても全然ままならないような、心のどこかにいる小さな頃のままの自分のことを、見つめ直したいと思いました。
岸田さんは最初からずっと、私の思い描くイメージに真摯に寄り添ってくださりました。くるりと出会ってからの私の10代(きっとこれからも)は、くるりの曲からもらったとてもあたたかなパワーに満ちており、記憶を呼び起こす際にも、何度も歌いたくなったり聴きたくなったりしていました。
歌詞の制作のやり取りで、特に心に残っているのが、最初私が、「飛び込めばわかるって抱きしめたメロディ」と書いたのに対して、岸田さんが、「飛び込めば掴めそうなメロディ」という詞を提案してくださったことです。見慣れた街をさまよい歩きながら、音楽や歌に前に進む勇気をもらってきた自分が、その大好きな音楽を作った方と一緒に曲を作っている、という、信じられない状況にある今の私が、岸田さんの書いてくださった言葉のおかげで、自分の10代全部とリンクしたような感じがしました。
「愛のまま」本当に大好きな、大切な曲になりました。
たくさん聴いてほしいです!
KAMITSUBAKI STUDIOのバーチャルシンガー・花譜
花譜さんは、クリエイティブレーベル・KAMITSUBAKI STUDIOに所属するバーチャルシンガー(VSinger)。2018年に当時14歳にしてデビューし、唯一無二の歌声と世界観を持つアーティストとして活躍してきた。
2022年8月には、バーチャルシンガー初の日本武道館ワンマン公演を開催するなど、KAMITSUBAKI STUDIOを代表するアーティストとして知られている。
また、2024年1月14日(日)には代々木第一体育館で、バーチャルシンガー史上初となる単独アリーナ公演「怪歌」を開催する。
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