星街すいせい×TAKU INOUEが目指す未来「次の時代のPerfumeになりたい」

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前作が“王道ヒーロー”なら今作は“ダークヒーロー”

──今回発表した2ndミニアルバム『Starpeggio』についてうかがわせてください。1stミニアルバム『Overture』と比較してよりアッパーな印象がありますが、今作の制作にあたって、意識した点はどこでしたか?

TAKU INOUE Midnight Grand Orchestraは基本的に、僕がまず曲を書いてすいせいさんに歌ってもらうスタイルなんですが、実は有観客ライブを開催することは、アルバムの制作前から決まっていて。

楽曲制作の初期段階から、前作よりも「ライブ映えする曲を増やしたい」と思っていました。

『Starpeggio』通常盤(CD)。モスバーガーとのタイアップソング「Moonlightspeed」をはじめ全8曲を収録。

TAKU INOUE 『Overture』はふわっとした、広大な宇宙の雰囲気をベースにしていたんですけど、『Starpeggio』は冒険譚をイメージしています。

星街すいせい そうそう。できあがった曲を聴いたとき、ちょっと治安の悪さを感じて……(笑)

『Overture』が“王道ヒーロー”だとするならば、『Starpeggio』はダークヒーロー。これがMidnight Grand Orchestraの新しい形だなと思いました。

──タイトルの“Starpeggio”は星(=star)とアルペジオ(=arpeggio、コードの構成音を一音ずつ弾く奏法)の造語ですが、どういう意味なのでしょうか?

TAKU INOUE いやこれ、えーっと、実をいうとそんなに奥深い意味はなくて……(笑)

星街すいせい (笑)。

TAKU INOUE 僕が日頃からメモしている、格好いいと思った言葉の中から引っ張ってきました。響きがいいし、Midnight Grand Orchestraっぽいかなと思って。

星街すいせい イノタク(TAKU INOUEさんの略称)さんから「こういうタイトルどうかな?」って連絡が来て、「ん〜、OKOK~! カッコいい〜!」みたいなノリで決まりました(笑)。

TAKU INOUE ははは、本当にそんな感じ(笑)。

星街すいせい 割とMidnight Grand Orchestraという音楽プロジェクトは、あまり「もっと深い意味を持たせて〇〇したい!」とかはなくて、いつもノリと勢いで決めている感じがしますね。

『Starpeggio』に散りばめられたスパイ・SF作品へのオマージュ

TAKU INOUE とはいえ、ファンの方には、いろいろ考察して自由に深読みしてもらえたら嬉しいですけどね。僕らはどんどんネタを仕込んでいくので。

例えば、今回のアルバムの収録曲には、ヒップホップのように歌詞にいろんなオマージュを入れようと思って、スパイ映画やSF映画のタイトルやセリフを持ってきています。

「Midnight Mission」に出てくる“ニキータ”なんてまさにリュック・ベンソン監督のフランス映画のタイトルだし、“二つで十分”というフレーズも『ブレードランナー』の有名なセリフを引用してます。
『ブレードランナー』30周年記念トレーラー
──あ、それはすぐにわかりました(笑)。

TAKU INOUE ははは(笑)。元ネタを知っている人が聴けば、「『ブレードランナー』だな」ってなると思うんですけど。

──2人の間で、「この曲はどんな作品にインスパイアされたのか」など話題になることはないんですか?

星街すいせい ないですね(笑)。その辺は、全然話さないかも。

TAKU INOUE ないですね、それは……あ、でも「ソリロキー」のレコーディングのときにすいせいさん、ある漫画を読んでめっちゃエモくなって歌っていたって言っていましたよね?

星街すいせい あっ(照)。望月淳さんの『PandoraHearts』ですね。

『PandoraHearts』1巻(Kindle版)/画像はAmazonより

星街すいせい だって、作中に出てくる“100年”ってワードが「ソリロキー」にぴったりだったんですよ〜〜! 漫画を読んで感動していたところに、 この曲がイノタクさんから届いて「これが主人公の気持ちや!」ってなって……そういえばめちゃくちゃ話しましたね(笑)。

TAKU INOUE かなり熱く語られました(笑)。

──その熱量もあってか、「ソリロキー」は本アルバムの中で特にエモーショナルな楽曲に仕上がっていたように感じました。 TAKU INOUE  実は『Starpeggio』をつくる前に、焼肉屋ですいせいさんと打ち合わせをしていて。そのときに「すいせいさん、今回やりたい感じある?」と聞いたら、けっこう軽いノリで「和風な曲がやりたい!」とリクエストがあったんです(笑)。

星街すいせい (笑)。

TAKU INOUE 僕は和モノをつくるのが苦手で、今までは避けていたんですけど、今回はチャレンジしようと思い「ソリロキー」で形にしてみました。

星街すいせい そういった流れもあって、アルバムに収録する新曲がイノタクさんから送られてくるたびに「和モノはこれか? 違うか?」ってひとりで悶々としていて(笑)。

4、5曲目くらいで「ソリロキー」が上がってきたときに「あ、これか!」ってなりました。

TAKU INOUE ぶっちゃけ正直に話すと、最初は「Midnight Mission」を和モノにしようと考えてたんだよね。結果的に中華みたいになっちゃったけど。

「作品に星街すいせいの血が入っていた方が、絶対にいい」

──「Midnight Mission」は、先行リリースされていた楽曲ですが、特にリズム面をこだわり抜かれたのではないかと思います。
Midnight Grand Orchestra「Midnight Mission」MV
TAKU INOUE そうですね。普段からリズムで面白いことをしたいとは思っていますが、「Midnight Mission」は特に意識しました。「SOS」もそうだったんですけど、せっかくのダブルドラムを上手く使いたいなって。

一般的には、ダブルドラムって左右に配置(パンニング)しがちなんですけど、今回は全部が一個の楽器に聴こえるようにしてみたいと思い、縦に2つ積み上げてみました。そもそも普通の曲と鳴り方が違うので、ミキシングがめちゃくちゃ大変でした(苦笑)。 星街すいせい 「Midnight Mission」は、めっちゃ言葉が詰まっていたから、どうニュアンスをつけようか、歌う上でけっこう悩みましたね。流行の単調な歌い方を取り入れながらも上手いことニュアンスをつけて、結果、いい塩梅になったんじゃないかなと思っています。

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