「ライブハウスは怖い」のイメージを崩したい
──それこそ、7月1日(土)には下北沢ReGでYENMAがワンマンライブ「閻魔祭」を開催します。どんなライブになる予定ですか?深澤希実 1秒1秒を無駄にしない、TikTokに上がっている動画みたいな……笑いあり、涙あり、感情を揺さぶるジェットコースターのようなライブをつくりたいと思っています。いい意味で情緒不安定にさせるようなセットリスト、演出にこだわりたい。
山本武尊 いつもすごくこだわっているけど、今回はより照明からライブアレンジまでこだわっていきたいよね。
深澤希実 音源と全く違う印象を与えられるように、ライブアレンジはすごく考えています。
正直、ワンマンライブってすごく好きなアーティストでもない限り、飽きちゃうと思うんですよ。「足痛いな……」「トイレ行きたいな……」「まだ終わらないのかな……」「アンコール2曲もあるんだ……」とか、思われないようにしたくて(笑)!
山本武尊 そこは謙虚でいたいよね。どんなに好きでも、工夫しないと飽きを感じさせることもあるから。
深澤希実 そう。だから曲だけではなく、曲と曲の間にも意味を持たせる。「あっという間に終わったね」と思ってもらえるように工夫していこうと思っています。
池田光 ほかのバンドがやっていないようなワンマンライブ、「バンドがそれをライブでやっちゃうの!?」みたいなことをやりたいと、今考えているところです。
セットリストは、絶賛話し合い中で、今いろんな新しい曲をつくっているので、どれを持って行こうかなと考えています。
深澤希実 光のつくる曲がレベルアップしているから、何を演奏するか迷っちゃうよね……。
山本武尊 俺は服を脱ぎます!
一同 わははは(笑)。 深澤希実 あ、あとYouTubeの撮影も入ります! いろいろ隠し玉を用意しているので、楽しみにしていただきたいです(笑)。あとは、カッコつけたくないですね。
山本武尊 え、俺はカッコ良くありたい(笑)。
池田光&深澤希実 え、服脱いでいるのに?(笑)
──(笑)。来場者の皆さんも撮影はOKですか?
深澤希実 もちろん大丈夫です! 撮影した動画はSNSにアップしていただいて構いません!
池田光 拡散してくれるなら、どんどん撮影してほしいですね。
深澤希実 「何このバンド」と広まってくれたらいいなと思っています。ライブを見てYENMAはもちろん、私たち一人ひとりを好きになってもらえたら嬉しい。そこから私たちに価値を感じてもらえたら、さらに次のライブに来てもらえると考えているので。
池田光 一見バンドとしては色物のように感じるかもしれないけど、音楽を聴いてもらった時に「うわ、めっちゃしっかり音楽やっているじゃん!」と思わせられれば勝ちだと思っているんですよ。
山本武尊 そうそう。見てくれた人たちに「YENMAってバンドっぽくないことをやっているけど、ライブは意外とロックなんだ!」と覚えてもらえたら成功かなと思っています。
手段を選ばず、知名度を上げていきたい
──ここまでお話を聞いていると、とにかく「人を好きになってもらうこと」にこだわりを持たれていると感じました。「個人」を意識する時代になった理由を考えたことはありますか?深澤希実 それこそSNSの普及は大きく影響していると思います。これまではテレビや雑誌などのメディアを介してじゃないと芸能人と接することができなかったじゃないですか。それが今は、Twitterで気軽にコメントが送れたりインスタライブでコメントを読んでもらったり、何かを介さなくても直接コミュニケーションが取れてしまうようになった。
距離が近くなって身近に感じられることが普通になってきたからこそ、より「個人」を意識するようになったんじゃないかなと。
池田光 YouTubeもですけど、プライベートが透けて見えるような発信をする人も増えているじゃないですか。人となりがわかるようになったからこそ、より好きになったりファンになったりしていると思っています。
山本武尊 俺は、情報が飽和していて、判断基準が物ではなく人になったことが大きいのかなと思っています。SNSで誰でも発信できるようになったから、本、音楽、映像などコンテンツが溢れかえっているんですよね。
さらに、これまでは見栄えの良さを判断基準にできたけど、今はある程度クオリティの高いコンテンツがいくらでも溢れている。そうなると“誰がつくっているか”“誰がオススメしているか”を判断基準にするしかなくて、結果個人を意識する時代になったのかなって。
深澤希実 それだね……! コンテンツだけじゃなくて、いろんなコスメの商品がある中で何を使えばいいかわからないとなった時に、自分の好きな人が推しているものを信じて買う人も多いですし。
情報が多いからこそ、「その人が好きだから私も好き」「この人が使っているから私もほしい」「この人が出した商品だから買う」と、人に依存されていくのは確実にありますね。 ──“人”自体がこれまで以上に求められる時代。そんな時代の中で、今後のYENMAとして掲げる活動目標はありますか?
深澤希実 2018年にYENMAとして活動を始めてから4年間は「とにかく曲を聴いてほしい!」とアーティストとしてのプライドを持って活動してきたけど、そもそも知ってもらえなければまるで意味がないと気づいたんですよ。いくらいい曲ができても、再生してもらえなければ意味がないなって。
だから、笑われても、バカにされても、「お前ら色物になっちまったな」と言われても、私は私のやり方でYENMAを知っている人の母数を増やすために、手段を選ばずとにかくいろんなことにトライしていこうと思っています。
もちろん、バンドマンらしいバンドマンへの憧れは今もありますよ。私たちの性格や顔が好きで埋まったライブ会場と、歌詞や演奏が好きで埋まったライブ会場では、見える景色は確実に違う。ぶっちゃけると、後者の景色の方が見たいですよ。だけど、そこにこだわっていても食べていけない。前者の景色でもいいから、まずはライブ会場を埋めることを考えようと。
池田光 見える景色は違うかもしれないけど、顔や性格からファンになってくれた人たちでも僕らの曲を好きになってくれるとは思うんですよ。今一番の活動目標は好きになって聴いてもらうことなので、音楽はもちろんSNSを含め、これまでの2倍努力していかないといけないと思っています。
深澤希実 そうだね。そしていつかはアリーナツアーをやりたい!
池田光 バンド名のYENMAって武尊のアイデアで決まったんですけど、YENMAの“YEN”は「日本を背負って海外でも活動したい」という意味が込められているんですよ。だから、海外にはめちゃくちゃ行きたいですね。あと僕個人は、SNS時代であっても、「紅白」とか「Mステ」とか、TVの音楽番組にもめちゃめちゃ出たいです(笑)。それを親に見せたいですね。
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