集英社の『少年ジャンプ+』編集部が、株式会社MediBangと協業し、海外のクリエイター向けの漫画投稿・公開プラットフォーム「MANGA Plus Creators by SHUEISHA(MPC)」をリリースしました。
MPCは英語とスペイン語に対応しており、世界中の漫画を描くクリエイターが自身の作品を自由に投稿・公開可能。
『少年ジャンプ+』編集部が審査する月例の漫画賞も「Monthly Awards」も開催され、金賞作品には賞金100万円が授与。されに翻訳されたうえで『MANGA Plus by SHUEISHA』『少年ジャンプ+』に掲載されます。
100回の記念となったこの回は、「海外特別部門」が登場。英語、スペイン語、韓国語、中国語(簡体字・繁体字)の5ヶ国語を対象に世界中から作品を募集し、個性豊かな作品が集まりました。
中でも優秀だった4つの作品は、『週刊少年ジャンプ』の2021年15号に電子版限定で掲載。画風からテーマ、細かな表現にまで作家や国ごとの個性があふれていて「フォーマットは同じなのに、国によってこんなにも違う表現になるんだ!」とワクワクさせられました。
例えばこのcjchampさんの『Division 89』という作品(外部リンク)。
超能力を持った人々が表れ始め、その中で、世界を破壊しようとする能力者たちと、それを追う主人公たちを描いた能力バトルものです。
吹き出しの使い方やところどころのコマ間での時間の進行の仕方などにはアメコミのような要素が感じられつつも、日本風の漫画のフォーマットにそれがしっかりと落とし込まれています。 読んでいて非常に興味深かったのが、引きで街並みを映すような場面で、ごく普通に風景写真を背景として利用しているところ。基本的には『呪術廻戦』のようなタイプの画風の作品なので、解像度が高い風景写真が入ってくると、ともすれば若干違和感を抱きかねないページもあります。
また、この作品だけではないですが、基本的に海外では紙ではなく電子で配信されているという影響からか、「見開きの片側がさらに見開きになっている」という、言葉にするとよくわからないページ割りになっている部分もありました。
そんなことを考えながら読み進めていくと……。たどり着いたのがこのページ。 別の場所から吹き飛ばされてきたキャラクターが、背景のガラスを突き破って屋内に突っ込んでくるシーンなのですが、もうさっきまでツッコミを入れていたことがどうでもよくなるくらいカッコいい!!!
背景が風景写真で時間的にも物理的にも完全に止まっているように見えるからこそ、突っ込んでくるキャラクターの躍動感が引き立って見える。いろんな要素がバチっとはまっていて最高でした。
以降のページでは、襲い掛かってくる強敵に対して、刹那の瞬間の中で「動かなければ!」と必死に頭を巡らせるという少年漫画らしいシーンが挟まり、溜めをつくった後で……。
墨で描いたような荒々しいタッチで「乾坤一擲」の文字と共に一撃を食らわせて第2話へ。 一見破綻しているように見えるような箇所がありつつも、自分の好きな要素を自由にサンプリング。ひたすら好きな表現を追求している様からは、様々な要素を取り入れたジャンルレスなインターネット発の音楽ジャンル「ハイパーポップ」などのようなインターネット音楽と同じような雰囲気が感じられて最高でした。
MPCは英語とスペイン語に対応しており、世界中の漫画を描くクリエイターが自身の作品を自由に投稿・公開可能。
『少年ジャンプ+』編集部が審査する月例の漫画賞も「Monthly Awards」も開催され、金賞作品には賞金100万円が授与。されに翻訳されたうえで『MANGA Plus by SHUEISHA』『少年ジャンプ+』に掲載されます。
2021年にも行われた集英社による海外漫画の募集
「ジャンプ」、海外と聞いて思い出すのが、2021年に行われた「第100回手塚賞」です。100回の記念となったこの回は、「海外特別部門」が登場。英語、スペイン語、韓国語、中国語(簡体字・繁体字)の5ヶ国語を対象に世界中から作品を募集し、個性豊かな作品が集まりました。
中でも優秀だった4つの作品は、『週刊少年ジャンプ』の2021年15号に電子版限定で掲載。画風からテーマ、細かな表現にまで作家や国ごとの個性があふれていて「フォーマットは同じなのに、国によってこんなにも違う表現になるんだ!」とワクワクさせられました。
「好き」を自由にパッチワーク、インターネットを感じる
というような経緯もあり、ワクワクしながら「MPC」のサイトを開いてみたところ、そこには「インターネット」が広がっていました。例えばこのcjchampさんの『Division 89』という作品(外部リンク)。
超能力を持った人々が表れ始め、その中で、世界を破壊しようとする能力者たちと、それを追う主人公たちを描いた能力バトルものです。
吹き出しの使い方やところどころのコマ間での時間の進行の仕方などにはアメコミのような要素が感じられつつも、日本風の漫画のフォーマットにそれがしっかりと落とし込まれています。 読んでいて非常に興味深かったのが、引きで街並みを映すような場面で、ごく普通に風景写真を背景として利用しているところ。基本的には『呪術廻戦』のようなタイプの画風の作品なので、解像度が高い風景写真が入ってくると、ともすれば若干違和感を抱きかねないページもあります。
また、この作品だけではないですが、基本的に海外では紙ではなく電子で配信されているという影響からか、「見開きの片側がさらに見開きになっている」という、言葉にするとよくわからないページ割りになっている部分もありました。
そんなことを考えながら読み進めていくと……。たどり着いたのがこのページ。 別の場所から吹き飛ばされてきたキャラクターが、背景のガラスを突き破って屋内に突っ込んでくるシーンなのですが、もうさっきまでツッコミを入れていたことがどうでもよくなるくらいカッコいい!!!
背景が風景写真で時間的にも物理的にも完全に止まっているように見えるからこそ、突っ込んでくるキャラクターの躍動感が引き立って見える。いろんな要素がバチっとはまっていて最高でした。
以降のページでは、襲い掛かってくる強敵に対して、刹那の瞬間の中で「動かなければ!」と必死に頭を巡らせるという少年漫画らしいシーンが挟まり、溜めをつくった後で……。
墨で描いたような荒々しいタッチで「乾坤一擲」の文字と共に一撃を食らわせて第2話へ。 一見破綻しているように見えるような箇所がありつつも、自分の好きな要素を自由にサンプリング。ひたすら好きな表現を追求している様からは、様々な要素を取り入れたジャンルレスなインターネット発の音楽ジャンル「ハイパーポップ」などのようなインターネット音楽と同じような雰囲気が感じられて最高でした。
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