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ラップバトルで稼げる時代へ プロリーグ「フリースタイルリーグ」始動

ラップバトルで稼げる時代へ プロリーグ「フリースタイルリーグ」始動

「BATTLE SUMMIT」会場で発表された新プロジェクト「フリースタイルリーグ(FSL)」/編集部撮影

8月31日に日本のMCバトルシーン(ラップバトル)を牽引する6つの団体によって開催された大規模フリースタイルMCバトル大会「BATTLE SUMMIT」で、新たなプロジェクト「フリースタイルリーグ(FSL)」が発表された。

FSLは、MCバトルをエンターテインメントに昇華するべく、プロリーグ化を目指すというもの。

なお、発足と同時に発表されたスペシャルエキシビジョンマッチとして、「フリースタイルダンジョン」初代モンスターをつとめたT-PablowBAD HOP)さんとR-指定さん(Creepy Nuts)による試合も予定されているが明かされた。

MCバトルだけでは食っていけない現状

これまでMCバトルは、ヒップホップシーンでは磨き上げたスキルを披露し知名度や評価を得るという場であり、必ずしも金を稼ぐ場ではなかった。

大会に出場するラッパーたちは場合によっては参加費を払い、ステージ上でパフォーマンスをぶつけあい、観客の心をつかみ、そして音源を買ってもらう。そうすることでようやく収益になるという世界だった。

しかし、「戦極MCBattle」や「ULTIMATE MC BATTLE」といった大会が長年MCバトルを盛り上げてきたことに加えて、BS番組「BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権」や地上波番組「フリースタイルダンジョン」に人気によって、徐々にその規模が拡大していく。

人気のラッパーになれば大会側がギャラを支払う場合もあり、規模に応じて優勝賞金は高くなっていった。
優勝賞金への思いを歌った輪入道さんのウイニングラップが印象的な「【真 ADRENALINE】決勝」
しかし、MCバトルは勝敗が観客判定というケースも多く、スキルがあってもその場の空気1つで負けうる以上、賞金だけで安定して生活を送るというのは難しく、ギャラをもらえるレベルのラッパーはひと握りでしかない。

「高校生ラップ選手権」出身のラッパーとして有名なYZERRさんやT-Pablowさんが率いるBAD HOPや、MCバトルの国内トップを決める大会「ULTIMATE MC BATTLE(UMB)」を3連覇したR-指定さんも、今の地位にまで上り詰めたのは、最終的には楽曲のヒットによるところが大きい。

出演者、主催ともに待ち望んでいたプロリーグ

ラッパーにして作家活動も行うハハノシキュウさんは、2016年にKAI-YOUに寄稿したコラムの中で、MCバトルだけでは食べていけないという状況に言及。

MCバトルに出ることで直接お金を手に入れるなんて話はすでに諦観しているし、優勝しないと金にならないなんて、僕には壁が高すぎる」「『バトルに出る=お金がもらえる』ようになったらいいなと僕は思う」と赤裸々な思いを明かしてくれている。 また、2020年にKAI-YOU Premiumにて行われた「戦極MCBattle」のMC正社員さん、「凱旋MCBattle」の怨念JAPさん、「MRJ」のMC派遣社員さんという大会を主催する3人による座談会でも、ギャラやラッパーたちの収益に言及。

バトルだけじゃお金にならない」という現状から、どういう場合ならギャラを支払えて、どういう場合は難しいのかを実際の数字を交えて解説し、「バトルだけで食える人をどうやったら増やせるか」という例としてプロリーグの構想を語ってくれた。 出場者、主催双方の立場から長年望まれていたプロリーグ。先人たちの尽力の末にヒップホップの人気が高まる今、それが実現しようとしている。

FSLの詳細は今後、徐々に明かされていく。

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