ピーナッツくんが見せつけた“Flex” 『Walk Through the Stars Tour』in 渋谷レポート

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レオタードブタとヤギ・ハイレグの復活
本ライブのハイライトは数多くあれど、あえて1つだけを挙げるなら?と聞かれれば間違いなくこれが脳裏に浮かぶ。

ヤギ・ハイレグとレオタード・ブタの2年越しの復活。

誰が予想しただろうか? いや予想した人はいるかも知れない。でもそれが本当に実現すると心から信じていた人はいただろうか?

この瞬間O-EASTは文字通り沸騰した。

胸の奥がジンとする会話を丁寧に繰り広げた直後、いきなり繰り出す「サイコショッカー!」。会場は一気にトップスピードにギアを変える。

ハイレグとヤギの両要素を過去に置き去りにするニュースタイル。

正直に言おう。過去のレオタード・ブタの画像をTwitterで見るたびに奥歯が砕けんばかりに噛み締めていた。

ビジュアルの違いに自身もたじろぎながら、立て続けに「幸せジャンク生活」と「ちょっと今日コンプリケイテッド」を叩き込む。
この瞬間、会場の誰しもが、今自分が目撃しているものは単なるライブではないことを確信する。これはピーナッツくんのキャリアの節目となるべき、いずれ伝説と語り継がれるライブを観ているのだと、このときはっきりと理解した。
そして迎えるエンディング 
終わりの時間が近づく。最後までトップスピードで駆け抜けていく。

「Walk Through the Stars」で幻想的な空間を作り上げたあと、しっとりと終わらせたりはしない。

お約束のアンコールもピーナッツくんにかかれば単なる"あと数曲"とはならなかった。

きぐるみのぽんぽこを交え、「幽体離脱」「はなとなり」を披露。

脳裏を駆ける数々の思い出にやられ、限界をとうに超えたおともナッツたちが涙目で霞むステージをみつめる中、自身のアンセムとも言える「グミ超うめぇ」「Drippin' Life」でとどめを刺す。
最高のエンディングに感謝することはもちろんのこと、この配信スタイルの素晴らしさにも言及したい。

現地参加者に特別感を与えてくれる、アンコールは同時視聴なしというスタイル。

一方でアンコールのダイジェスト、といっても現地参加者からしても十二分にその熱量が伝わる動画を後日公開する。

そう、この皆をinclusiveに巻き込みながらも個々の気持ちを丁寧に拾おうとする卓越したバランス感覚に、つい温かい気持ちにさせられてしまうのだ。

なにが彼らをユニークな存在にしているのか?

執念、才能、仲間。そして彼らのこの優しい眼差しも忘れてはいけないだろう。

彼らは聖人ではない、けれども確かにそこにある、肌触りのあるその眼差しが我々を惹きつけてやまない。

このライブは一体何だったのか

「絞って絞って最後の一滴にその人の人間性が現れる」のが良い音楽だとピーナッツくんは言った。
(7:17~)

彼はこうも言う。

「はじめてのワンマンツアー!すべてはこのためにあった!」quoted: https://shibuya-o.com/east/schedule/walk-through-the-stars-tour/

7月4日に我々が目撃したものはまさにそれがライブというスケールで現れたものだろう。

ピーナッツくんがこの5年間で積み上げたすべてを、彼をなす複雑な要素のすべてを惜しみなく詰め込んで、その圧倒的な情報量で脳が焼かれた140分。

ピーナッツくんの"Flex"をみせつけた瞬間だった。

次の5年を期待して。

ではピーナッツくんは本当にすべてを出し切ったのか? ここが終着点なのだろうか?

答えは間違いなくNoだろう。むしろその逆だ。

ちゃんとした人が指導してくれている (quoted: https://youtu.be/mbvU6ACxQiw?t=700)

(11:40~)

これまでの5年間はむしろ彼にとっての揺籃期だったのかもしれない

今そのゆりかごを出て、nerdwitchkomugichan氏、 玉田デニーロ氏、 コイデシュンペイ氏、 Yaca氏、 ヤギ・ハイレグ氏など新旧の仲間とともに次の5年に向けた大きな展望を目の前にしている。

インターネットストリートから生まれた黄色いキャラクターが、傍流からメインストリームを乗り越え、一つの頂点へと成り上がるその過程を、きっとこれからも見せてくれるに違いない。

You are the star, shining brightly above our head!

おわりに

あまりもの情報量の奔流に身を浸したあの日から、数日おいておぼろげに見えてきたライブの骨格を私見としてレポートしようと試みた。

ここまで長々と読んでくれたことに感謝するとともに、感想・意見があればぜひ(お手柔らかに)Twitterで教えてもらえると嬉しい。

ぜひあなたの感想もどこかで聞かせてもらえることを期待して、ここで筆を置きたい。

ikura18

ピーナッツくん、ぽんぽこさんの軌跡

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9件のコメント

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:6865)

masterpiece🌟

匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:5929)

あの動きはデビルバット〝ハリケーン〟です

匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:5718)

素晴らしい記事でした!ikuraさん、文才ありますね…!

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