2018年に公開された『はちどり』は、韓国最大の映画賞「青龍映画賞」で『パラサイト 半地下の家族』をおさえ最優秀脚本賞に輝いたことで話題になった作品。
韓国内で単館公開規模ながら15万人に迫る記録的動員数をマークし、日本、台湾、アメリカ、シンガポール、スウェーデン、トルコでも公開されるなど世界中の注目を集めた。
90年代の韓国、14歳の少女を描いた『はちどり』
監督自身の体験がベースとなっており、誰もが経験したであろう思春期特有の揺れ動く思い、そして家族との関わりを繊細な描写で描いている。
2018年釜山国際映画祭でのワールドプレミア上映を皮切りに、ベルリン国際映画祭をはじめ国内外で50を超える賞を獲得。
単館公開規模ながら15万人に迫る異例の大ヒットを果たし、韓国の映画批評誌『CINE21』では、インディペンデント作品ながら2019年の年間ベストで『パラサイト』に次ぐ第2位となった(外部リンク)。
©2018 EPIPHANY FILMS. All Rights Reserved.『はちどり』ストーリー
1994 年、空前の経済成長を迎えていた韓国、ソウル。
14歳のウニは、両親、姉、兄と集合団地に暮らしていた。
学校に馴染めず、別の学校に通う親友と遊んだり、男子学生や後輩女子とデートをしたりして過ごす日々。
両親は小さな餅屋を切り盛りし、子供達の心の動きと向き合う余裕がない。
父は長男である兄に期待を寄せていたが、兄は親の目を盗んでウニに暴力を振るっていた。
ウニは、自分に無関心な大人に囲まれ、孤独な思いを抱えていた。
ある日、ウニが通う漢文塾に女性教師のヨンジがやってくる。
大学を休学中のヨンジは、どこか不思議な雰囲気を漂わせていた。
自分の話に耳を傾けてくれるヨンジに、ウニは心を開いていく。
ヨンジは、入院中のウニを見舞いに訪れ、「誰かに殴られたら黙っていてはダメ」と静かに励ます。
ある朝、ソンス大橋崩落の知らせが入る。
それは、いつも姉が乗るバスが橋を通過する時間帯だった。
ほどなくして、ウニのもとにヨンジから一通の手紙と小包が届く。
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作品情報
『はちどり』
- 監督・脚本
- キム・ボラ
- 出演
- パク・ジフ、キム・セビョク、イ・スンヨン、チョン・インギ
2018年/韓国、アメリカ/138分/英題:HOUSE OF HUMMINGBIRD/原題「벌새」/PG12/
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