総合チャートのストリーミング指標およびストリーミング・ソング・チャート「Streaming Songs」において、一部サービスは実再生回数から、その市場シェアを鑑みた計算係数を採用し、総再生回数が算出される。【チャートに関するお知らせ】
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) April 20, 2022
2022年4月20日発表チャート以降、総合チャートのストリーミング指標およびストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”において、一部サービスの実再生回数に代わり、その市場シェアを鑑みた計算係数を採用することで、楽曲の総再生回数を算出しています。
この集計方法の変更についてSNS上では、LINE MUSICで行われている「再生数キャンペーン」に対する牽制という指摘が上がっている。
ヒットチャート入りを狙う特典商法
LINE MUSICを利用して行われる「再生数キャンペーン」は、特定の楽曲を期間中に一定回数再生することで、アーティストのグッズなどが抽選もしくは応募者全員にプレゼントされるという企画。新曲「#AUREOLIN」のデイリーチャート入りが目標です!
— SWALLOW (@SWALLOW_hhy) March 27, 2022
メンバー手作りの陶器などが当たる、本日限定の再生数キャンペーンも行っているのでこちらもぜひご参加ください✨
〇楽曲リンクhttps://t.co/QbiJh8qsBR
〇再生数キャンペーンhttps://t.co/aeB2ksGddb pic.twitter.com/O1zQ8yiqTe
楽曲の再生を促すことでBillboardなどのチャート入りなどを狙う、ある種の特典商法だ。
その中には、再生回数が多いほどより当選確率が高くなるものまで存在し、1人当たりの再生数を煽るような施策がとられている。
INI、JO1、マカロニえんぴつ、SEVENTEEN、Dish、Dai-ce等、著名なアーティストも「再生数キャンペーン」を行うことが当たり前となりつつある現状がある。
「ヒットチャートがヒットを生む」という実情
逆説的ではあるが、ヒットチャートが存在するからこそヒットが生まれるという側面がある。ヒットチャートの上位にランクインしたことが話題となり、さらなる耳目を集めそのヒットを加速させる。そのロジックを理解しているからこそ、アーティストや音楽レーベルはチャートに働きかけようとする。是非はさておいて、熱狂的なファンダムもチャートに干渉しようとする。過去には、経済誌「Forbes」がBTSのファンによるチャート操作について取り上げている(外部リンク)。
そのようなアーティスト・レーベルの事情やファン心理に需要を見出し、ストリーミングサービスが施策を行うのもビジネスとして当然だ。
しかし、そのように人為的につくられた再生数を参照したチャートを“ヒットチャート”と呼ぶには疑問が浮かぶ。Billboard JAPANの集計方法の変更がどのような変化を見せるのか、要注目。
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連載
音楽配信の主流がCDからデジタルへ移り変わる昨今。CDの複数枚購入を促す従来の特典商法に加え、デジタルならではの「チャートハック」行為が音楽シーンに影響を及ぼしている。 アーティスト・レーベルの人為的な施策やファンダムによるチャートハックの是非。改めて、「音楽を楽しむ」とはどういうことなのか。 再生数やランキング結果など、わかりやすい「数字」の話題性・権威性に頼らず、アーティストや楽曲を知ってもらうためにできることを探る。
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