音楽の“社会的浸透度”を示すヒットチャートを運営するBillboard JAPAN(ビルボードジャパン)が、急上昇楽曲チャート「Japan Hot Shot Songs」を12月4日から新設した。
「Japan Hot Shot Songs」は、総合ソングチャート「JAPAN Hot 100」の指標のうち、ダウンロード・ストリーミング・動画再生の3指標に着目。その合計ポイントが前週より増加した楽曲を高い順に並べたランキングとなる。
初回(集計期間:2024年11月25日~12月1日)は、Mrs. GREEN APPLEの楽曲「ビターバカンス」が1位にランクインした。
ヒットチャートのメカニズムがヒットを規定する
因果関係が逆転しているようにも思えるのだが、“ヒット”とは、チャートやランキングなどの仕組み(メカニズム)に規定されている側面がある。
チャートやランキングの存在があってはじめて、“ヒット”は伝わる形で可視化されるからだ(米Billboardのチャートディレクターの言葉を借りるなら、「チャートがなかったらカオス」である)。
その上で、チャートやランキングの上位にランクインすれば、プラットフォームやメディアなどが話題として取り上げ、さらに拡散される。
つまり、ヒットチャートは“ヒット”を可視化すると同時に、“ヒット”を生み出し加速させる装置(※)でもある。
(※)そういった構造があるからこそ、アーティスト・レーベル、そして熱狂的なファンダムは、そのメカニズムに働きかけようとする(それが行き過ぎると、チャートハックとして見做されてしまう)。
「ヒットチャートは新しい音楽との出会いを可能にする」
「ヒットチャートは新しい音楽との出会いを可能にする」(外部リンク)と、自らの存在意義を説明するBillboard JAPAN。
今回、急上昇楽曲チャートを新設したように、“ヒット”を新たな切り口から照らそうとする試みは、リスナーが新たな音楽と出会うチャンスを増やし、ひいては音楽シーンにさらなる多様性を生み出すことにもつながりうる。
Billboard JAPANは、リスナーに向けて「好きなアーティストの楽曲の順位を確認するだけではなく、他の楽曲も聞いてみて下さい。どんな曲にもヒットするには必ず理由があります」と訴えかけている。
この記事どう思う?
関連リンク
0件のコメント