YouTubeで深夜23時、毎日エレクトロニカの新曲をアップするチャンネルがある。
バーチャルYouTuber(VTuber)的な存在のように見えつつも、自らについてしゃべることがほとんどない少女・エレクトロニ子。彼女が寝そべってサンプラーをいじり続けている謎のチャンネルには、ビート動画が大量にアップされている。
しかもその楽曲はフリーダウンロードで、BGMとしての使用も許可されているという太っ腹っぷり。
普段ゆるやかな優しい曲がメインなのに、時々バグったような画面を背景に激しいハードテクノが流れる日もある。この異様さが話題になり、エレクトロニ子の名前はテクノ/エレクトロニカ好きの間で注目を集めている。
彼女は一体何者なのか? 実際にこのチャンネルを運営している“プロデューサーの方”のエレクトロニ子に、どのような狙いで活動しているのか聞いてみた。
彼女のYouTubeチャンネルとTwitterには、VTuber的人物が物語性を持ちキャラクター化していくことで描かれる、独特な「自分を知る」試みが練りこまれている。
取材・文:たまごまご 編集:森田将輝
エレクトロニ子 わたしプロデューサーのエレクトロニ子はビートメイカーです。それを表現するためにTwitterやYouTubeチャンネルの架空の女の子「クリエイターのエレクトロニ子」をプロデュース/運用しています。
※以下、プロデューサーを「Pエレ子」、TwitterやYouTubeで動くキャラクターを「Cエレ子」と分けるREPLICATOR - エレクトロニ子
──Cエレ子さんは、Pエレ子さんとイコールではないのですか?
エレクトロニ子 今までCエレ子は、わたしPエレ子の人生を反映させ「存在している女の子」として活動していました。これからは、Cエレ子はわたしPエレ子が表現する物語のキャラクター、フィクションとして展開させていく予定です。
──キャラクター性のある女の子のイラストをチャンネル開設当初からつくっていたのはなぜですか?
エレクトロニ子 バーチャルなキャラクターを使うことで、最先端のカルチャーに向けて情報を発信したかったからです。
クリエイターエレクトロニ子が活動し始めたのは、Lo-fi Hip Hop(ローファイ・ヒップホップ)と日本風アニメーションをあわせる流れが流行りはじめた時期でした。そこでアニメーション文化とLo-fi Hip Hop、音楽をセットで発信していきたいと思い、動画に登場する「エレクトロニ子」(Cエレ子)が生まれました。lofi hip hop radio - beats to relax/study to
──VTuberというオタクカルチャー派生のものと、Lo-fi Hip Hopをミックスさせようという感覚ですか?
エレクトロニ子 そうです。だからCエレ子はVTuberと言っていただいても構いません。
ただ、自分ではVTuberとは言っていないです。TwitterやYouTubeで活躍しているエレクトロニ子(Cエレ子)は自分自身のことを「人間」だと思っています。
エレクトロニ子 わたし(Pエレ子)は中学生くらいの時にSquarepusher、Aphex Twin、Boards of CanadaのようなWarp Records系の音楽に傾倒して、ビートメイクをはじめました。
──エレクトロニカやアンビエントのジャンルですね。YouTubeにアップされている曲はチルアウト系が多いのはなぜですか?
エレクトロニ子 YouTubeに曲をアップしているCエレ子は、音楽で誰かに寄り添い癒やしたいという思いで活動しているので、ナイトビートとかLo-Fi HipHopとか、ゆったりした感じの音楽をみんなに聴いてほしいと考えているんだと思います。
たまにFutureBass(フューチャーベース)とかノリの良いものを気まぐれでつくるのも、Cエレ子の性格です。最近は文字化けの曲「バグビート」で変化をつけたりもしています。莠コ鬘槭??縺ッ縲∫羅蜴溯曙縺ェ縺ョ 縲√□縺?縲?窶ィ蜷帙◆縺。縺ッ蝨ー縲∫帥縺ォ縺ッ縺ウ縺薙k縲∝私莉九↑繧ャ繝ウ縺ァ縲≫?ィ謌代? 縺ッ 縺昴?縺ョ豐サ逋り脈
──「バグビート」は元々あった音楽ジャンルですか?
エレクトロニ子 いえ、曲をつくっていく中で生まれたもので、既存の音楽ジャンルに当てはめるとするとドリルンベースやウィッチハウスに近いと思います。
わたし自身Warp Records系のぐりぐりの曲がもともと好きなので、普段のCエレ子がつくっているチルアウト系とは異なり、自由につくれています。
──バグビート楽曲はSNSなどでも話題になっていましたね。
エレクトロニ子 VTuber好きな人や、バーバパパさんなどのサイケデリック系の音楽が好きな人が反応してくれています。
実はYouTube広告でしか流れない、チャンネルでは見られないバグビートも仕込んでいます。
最近はバグビートの解読をしてくれる方も出てきて、視聴者との面白いやりとりができていますね。バーバパパ「ウ”ィ”エ”」
──癒やし系のナイトビートが多いのはCエレ子さんの好みですか?
エレクトロニ子 そうですね、Cエレ子がそういう曲を使って表現したい人格の女の子だからです。
もちろんプロデューサーとして普通の女性クリエイターのようなファンがついてほしかったのもあります。バグビートのイメージばっかりだとイカれた女の子に見えてしまう(笑)。
──夜の23時にYouTubeに曲を毎日定期アップする独自なスタイルにしたのはなぜですか?【Vol.1】眠れない人のためのNight Beat MIX
エレクトロニ子 わたし、なかなか普段眠れないんですよ。仕方ないから黙々と深夜にビートを組む生活をしていて、自分が眠れる曲をつくろうと考えたのがきっかけです。
自分が眠れる楽曲は他の人も眠れるはずと考えて、おやすみBGMを出すようになりました。
──毎日つくるのは流石に大変ではないですか?
エレクトロニ子 めちゃくちゃ大変です(笑)。2020年の10月がCエレ子の活動一周年で、これから彼女が大きな転換点を迎えるので頑張っています。新垣結衣 - 電八×エレクトロニ子
──電八さんなどリアルのミュージシャンの方と曲のコラボされているのも印象的でした。でもCエレ子さんは一切歌っていないですよね。やはりあくまでもトラックメイカーであり続けたいという気持ちが強いのでしょうか。
エレクトロニ子 それはありますね。自分が他のアーティストに支えられてきたように自分も他のアーティストさんの支えになりたい、というのがCエレ子の思いの根底にあります。
バーチャルYouTuber(VTuber)的な存在のように見えつつも、自らについてしゃべることがほとんどない少女・エレクトロニ子。彼女が寝そべってサンプラーをいじり続けている謎のチャンネルには、ビート動画が大量にアップされている。
しかもその楽曲はフリーダウンロードで、BGMとしての使用も許可されているという太っ腹っぷり。
普段ゆるやかな優しい曲がメインなのに、時々バグったような画面を背景に激しいハードテクノが流れる日もある。この異様さが話題になり、エレクトロニ子の名前はテクノ/エレクトロニカ好きの間で注目を集めている。
彼女は一体何者なのか? 実際にこのチャンネルを運営している“プロデューサーの方”のエレクトロニ子に、どのような狙いで活動しているのか聞いてみた。
彼女のYouTubeチャンネルとTwitterには、VTuber的人物が物語性を持ちキャラクター化していくことで描かれる、独特な「自分を知る」試みが練りこまれている。
取材・文:たまごまご 編集:森田将輝
自身を人間だと考えていたバーチャルな女の子
──今回「プロデューサーのエレクトロニ子」さんにインタビューさせていただいているわけですが、チャンネルで活動している「エレクトロニ子」さんとはどのような関係になるのでしょうか?エレクトロニ子 わたしプロデューサーのエレクトロニ子はビートメイカーです。それを表現するためにTwitterやYouTubeチャンネルの架空の女の子「クリエイターのエレクトロニ子」をプロデュース/運用しています。
※以下、プロデューサーを「Pエレ子」、TwitterやYouTubeで動くキャラクターを「Cエレ子」と分ける
エレクトロニ子 今までCエレ子は、わたしPエレ子の人生を反映させ「存在している女の子」として活動していました。これからは、Cエレ子はわたしPエレ子が表現する物語のキャラクター、フィクションとして展開させていく予定です。
──キャラクター性のある女の子のイラストをチャンネル開設当初からつくっていたのはなぜですか?
エレクトロニ子 バーチャルなキャラクターを使うことで、最先端のカルチャーに向けて情報を発信したかったからです。
クリエイターエレクトロニ子が活動し始めたのは、Lo-fi Hip Hop(ローファイ・ヒップホップ)と日本風アニメーションをあわせる流れが流行りはじめた時期でした。そこでアニメーション文化とLo-fi Hip Hop、音楽をセットで発信していきたいと思い、動画に登場する「エレクトロニ子」(Cエレ子)が生まれました。
エレクトロニ子 そうです。だからCエレ子はVTuberと言っていただいても構いません。
ただ、自分ではVTuberとは言っていないです。TwitterやYouTubeで活躍しているエレクトロニ子(Cエレ子)は自分自身のことを「人間」だと思っています。
エレクトロニ子と「バグビート」「ナイトビート」
──Pエレ子さんの音楽活動で、下地になっている音楽ジャンルはありますか?エレクトロニ子 わたし(Pエレ子)は中学生くらいの時にSquarepusher、Aphex Twin、Boards of CanadaのようなWarp Records系の音楽に傾倒して、ビートメイクをはじめました。
──エレクトロニカやアンビエントのジャンルですね。YouTubeにアップされている曲はチルアウト系が多いのはなぜですか?
エレクトロニ子 YouTubeに曲をアップしているCエレ子は、音楽で誰かに寄り添い癒やしたいという思いで活動しているので、ナイトビートとかLo-Fi HipHopとか、ゆったりした感じの音楽をみんなに聴いてほしいと考えているんだと思います。
たまにFutureBass(フューチャーベース)とかノリの良いものを気まぐれでつくるのも、Cエレ子の性格です。最近は文字化けの曲「バグビート」で変化をつけたりもしています。
エレクトロニ子 いえ、曲をつくっていく中で生まれたもので、既存の音楽ジャンルに当てはめるとするとドリルンベースやウィッチハウスに近いと思います。
わたし自身Warp Records系のぐりぐりの曲がもともと好きなので、普段のCエレ子がつくっているチルアウト系とは異なり、自由につくれています。
──バグビート楽曲はSNSなどでも話題になっていましたね。
エレクトロニ子 VTuber好きな人や、バーバパパさんなどのサイケデリック系の音楽が好きな人が反応してくれています。
実はYouTube広告でしか流れない、チャンネルでは見られないバグビートも仕込んでいます。
最近はバグビートの解読をしてくれる方も出てきて、視聴者との面白いやりとりができていますね。
エレクトロニ子 そうですね、Cエレ子がそういう曲を使って表現したい人格の女の子だからです。
もちろんプロデューサーとして普通の女性クリエイターのようなファンがついてほしかったのもあります。バグビートのイメージばっかりだとイカれた女の子に見えてしまう(笑)。
──夜の23時にYouTubeに曲を毎日定期アップする独自なスタイルにしたのはなぜですか?
自分が眠れる楽曲は他の人も眠れるはずと考えて、おやすみBGMを出すようになりました。
──毎日つくるのは流石に大変ではないですか?
エレクトロニ子 めちゃくちゃ大変です(笑)。2020年の10月がCエレ子の活動一周年で、これから彼女が大きな転換点を迎えるので頑張っています。
エレクトロニ子 それはありますね。自分が他のアーティストに支えられてきたように自分も他のアーティストさんの支えになりたい、というのがCエレ子の思いの根底にあります。
この記事どう思う?
関連リンク
1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:4215)
可愛い!