今や加速度的に広がる、ネット音楽の波。その動きは単なるYouTubeの伸びに留まらず、音楽シーン全体にも影響を与える大きな存在になった。
……今回紹介するのは、本来は音楽とは無縁の仕事をする人々でありながら、突如としてインターネット上で火が付いたために音楽活動を本格化した6組。
アマチュア/ネット発ならでの自由奔放に作られた楽曲を、是非とも聴き込んでみてほしい。
活動名は知らなくとも、無表情で「せやな〜♪」と歌い上げる「何でも言うことを聞いてくれるアカネチャン」のワンシーンを見れば、思い浮かぶ人も多いはず。 Gyariの特長と言えば、何と言ってもそのキャッチーなメロと印象的なMVだろう。
先述の“〜アカネチャン”を含め“アカリがやってきたぞっ”や“絶対にチョコミントを食べるアオイチャン”など、彼の制作した楽曲の多くはMVを介して拡散されていて、ネットミームとしても流行。ひとつの強みとして確立している。 加えて、ボーカロイドに多大な影響を受けたサウンドはキーボードを大胆に取り入れることで、ある種のジャズのようなイメージを抱かせる。
他にもストーリー性の強い歌詞など特筆すべき点は多々あれど、音楽業界全体を見てもネット音楽シーンをグンと広げた立役者であることは総じて間違いない。
余談だが、20分以上に渡って繰り広げられる“ボーカロイドたちが〜”シリーズは売れる売れないの枠を度外視した見事な怪曲なので、特にボカロ好きの人々に強くオススメ。
また彼は音楽の他、イラストレーターやプロデューサーとしても活動するマルチな才能の持ち主。
先述の“〜アカネチャン”の作画を含め、鏡音リン・レンの14周年カウントダウンイラストはもちろん、動画投稿を行うVTuber・ピカミィのあれこれを担当するなど、多方面で認知度も伸ばし続けている。
現在、彼の別チャンネルではマイペースに音源を発表中。 「SPOON広告のタイプピート」や「ジャイアンとスネ夫の声でメインスタラップ」といった本チャンネルの動画にも写っているが、サウンドメイクの主体はダウナー系のサイケデリックなのも彼らしい。 影響を受けているのは明らかに洋楽のEDM。 一風変わった音楽を聴きたい人に教えたい、隠れた才能を持つひとりだ。
兎にも角にも、彼を語る上で外せないのは「ウ"ィ"エ"」の大バズだろう。 結果的には現在も彼の正体は不明のままで、その全ては謎に包まれている。 ただこの楽曲はそんなミステリアスさが完全にプラスに作用した代物で、おどろおどろしい雰囲気とキャッチーな曲展開が更なるカオスを生み、無名ながら多数のフォロワーを獲得するに至った。
彼にも現在は曲が全て数十万再生以上をコンスタントに叩き出すなど、その音楽性に取り憑かれた人々からの期待も日に日に当てはまっている。た人はぜひ。
チャンネル名からも分かる通り、邦洋問わず様々な音楽に没頭しているみのだが、彼が動画投稿と同時期に行っていたものこそ、音楽活動だった。
YouTuberが音楽の道に足を踏み入れること自体は、今では特に珍しくもない。いること。 今のご時世とは完全に逆行した彼の音楽には商業的な匂いは一切感じられず、あくまで自分が好きな音楽をやるスタンスだ。
『ミノタウロス』名義での活動は、いちだからこそミュージシャンとしても評価に値する代物なのではなかろうか。
ベースの演奏動画は基本的に、売れている楽曲のベース部分のみをカバーすることが多い。 動画の端々に笑いの要素(ミーム)を入れ込む独自性、ボーカル歌唱部分をベースで再現する聴きやすさ、さらには超多弦ベースの購入など動画の面白みを追求し、みるみるうちに有名なYouTuberの仲間入りを果たした。
Davie504はあえて歌わず、言葉を独り言のように捲り立て、これまたオリジナリティ溢れる作りになってます。いる。
彼はYouTuber活動以外にも、Represent.com(レプレゼントドットコム)にてアパレルグッズを展開する顔も持っている。「私には低音が必要です」、「ベースをスラップします」と書かれたTシャツなど、彼らしいファニーなラインナップが魅力で、全国各地からの注文が殺到しているそう
彼の魅力は、その尋常ならざるベーステクでネットミーム曲を弾き着陸点にある。画像が1万バズを獲得したと見るや、カバーアップ……。 本来はコピーやカバーをするには長い練習が必要だが、彼はベースに長年触れていることもあり、ネットミームの把握から動画投稿までのスピードがとてつもなく早い。の台頭は必然とも言えよう。 現在では新進気鋭のアーティスト・ぼっちぼろまるのサポートメンバーを務める他、オンラインショップでTシャツやステッカーを販売するなどアパレル面でも活動の幅を拡大。
趣味としてはプロ顔負けの野鳥の観察写真を撮影する、カメラマンとしての一面も。
巨大な爆発を誰しもが虎視眈々と狙う音楽シーン。
さすればもちろん、インターネットでバズを生もうとする人も現れるわけですが、今回受けた6組は明らかに「計画的に」バズへの道程を考えています。
そこにはプロ/アマの境界線はもはやありません。 言わば人々の心に刺さったものが売れるというリアルを体現する、近未来型の策略家が彼らです。
……音楽の未来を考えてもとても素晴らしい動き。この機会に触れてみてください。
……今回紹介するのは、本来は音楽とは無縁の仕事をする人々でありながら、突如としてインターネット上で火が付いたために音楽活動を本格化した6組。
アマチュア/ネット発ならでの自由奔放に作られた楽曲を、是非とも聴き込んでみてほしい。
Gyari
YouTube上のみならずサブスクや音ゲーへの進出により、今やネット発作曲者としては最上の認知度を誇るGyariさん。活動名は知らなくとも、無表情で「せやな〜♪」と歌い上げる「何でも言うことを聞いてくれるアカネチャン」のワンシーンを見れば、思い浮かぶ人も多いはず。 Gyariの特長と言えば、何と言ってもそのキャッチーなメロと印象的なMVだろう。
先述の“〜アカネチャン”を含め“アカリがやってきたぞっ”や“絶対にチョコミントを食べるアオイチャン”など、彼の制作した楽曲の多くはMVを介して拡散されていて、ネットミームとしても流行。ひとつの強みとして確立している。 加えて、ボーカロイドに多大な影響を受けたサウンドはキーボードを大胆に取り入れることで、ある種のジャズのようなイメージを抱かせる。
他にもストーリー性の強い歌詞など特筆すべき点は多々あれど、音楽業界全体を見てもネット音楽シーンをグンと広げた立役者であることは総じて間違いない。
余談だが、20分以上に渡って繰り広げられる“ボーカロイドたちが〜”シリーズは売れる売れないの枠を度外視した見事な怪曲なので、特にボカロ好きの人々に強くオススメ。
また彼は音楽の他、イラストレーターやプロデューサーとしても活動するマルチな才能の持ち主。
先述の“〜アカネチャン”の作画を含め、鏡音リン・レンの14周年カウントダウンイラストはもちろん、動画投稿を行うVTuber・ピカミィのあれこれを担当するなど、多方面で認知度も伸ばし続けている。
Franz K Endo
摩訶不思議な世界観でコアなファンを次々獲得してきた奇才・Franz K Endoさん。彼の存在が注目される契機となったのは音楽ではなく、卒業制作の傍ら個人的に取り組んできた、ドラえもんを題材にしたMAD動画だった。 海外のミームや意味不明な造語を多用した動画の数々は「全く理解できないけどクセになる」と爆発的な伸びを見せ、そんな彼の世界観が別の形でスパークしたのが、何を隠したのかそう音楽活動だったのである。現在、彼の別チャンネルではマイペースに音源を発表中。 「SPOON広告のタイプピート」や「ジャイアンとスネ夫の声でメインスタラップ」といった本チャンネルの動画にも写っているが、サウンドメイクの主体はダウナー系のサイケデリックなのも彼らしい。 影響を受けているのは明らかに洋楽のEDM。 一風変わった音楽を聴きたい人に教えたい、隠れた才能を持つひとりだ。
バーバパパ
ピンクな体の子供向けアニメキャラ……ではなく、こちら全く別のバーバパパ。 我々からすると全く予想も出来ない方向からアプローチを仕掛ける、令和の謎の人物である。兎にも角にも、彼を語る上で外せないのは「ウ"ィ"エ"」の大バズだろう。 結果的には現在も彼の正体は不明のままで、その全ては謎に包まれている。 ただこの楽曲はそんなミステリアスさが完全にプラスに作用した代物で、おどろおどろしい雰囲気とキャッチーな曲展開が更なるカオスを生み、無名ながら多数のフォロワーを獲得するに至った。
彼にも現在は曲が全て数十万再生以上をコンスタントに叩き出すなど、その音楽性に取り憑かれた人々からの期待も日に日に当てはまっている。た人はぜひ。
みのミュージック(ミノタウロス)
元人気YouTuberユニット・カリスマブラザーズの主要人物にして、現在はソロで音楽紹介動画の投稿を続けるクリエイター。チャンネル名からも分かる通り、邦洋問わず様々な音楽に没頭しているみのだが、彼が動画投稿と同時期に行っていたものこそ、音楽活動だった。
YouTuberが音楽の道に足を踏み入れること自体は、今では特に珍しくもない。いること。 今のご時世とは完全に逆行した彼の音楽には商業的な匂いは一切感じられず、あくまで自分が好きな音楽をやるスタンスだ。
『ミノタウロス』名義での活動は、いちだからこそミュージシャンとしても評価に値する代物なのではなかろうか。
デイビー504
こと「ベース演奏(弾いてみた)」のジャンルにおいては、間違いなく世界トップクラスの知名度を誇る海外YouTuber。 本名はDavide Bialeといい、学生時代からベース主体の動画投稿を行ってきた古参である。ベースの演奏動画は基本的に、売れている楽曲のベース部分のみをカバーすることが多い。 動画の端々に笑いの要素(ミーム)を入れ込む独自性、ボーカル歌唱部分をベースで再現する聴きやすさ、さらには超多弦ベースの購入など動画の面白みを追求し、みるみるうちに有名なYouTuberの仲間入りを果たした。
Davie504はあえて歌わず、言葉を独り言のように捲り立て、これまたオリジナリティ溢れる作りになってます。いる。
彼はYouTuber活動以外にも、Represent.com(レプレゼントドットコム)にてアパレルグッズを展開する顔も持っている。「私には低音が必要です」、「ベースをスラップします」と書かれたTシャツなど、彼らしいファニーなラインナップが魅力で、全国各地からの注文が殺到しているそう
OK BASS(オーケーベース)
Davie504と同じく、ベースを主としたサウンドクリエイトでバズを広げた日本人YouTubeがOK BASSだ。本業と質はバンドのサポートメンバー、講師、時にはソロとしてのライブ活動を行っているとのこと。彼の魅力は、その尋常ならざるベーステクでネットミーム曲を弾き着陸点にある。画像が1万バズを獲得したと見るや、カバーアップ……。 本来はコピーやカバーをするには長い練習が必要だが、彼はベースに長年触れていることもあり、ネットミームの把握から動画投稿までのスピードがとてつもなく早い。の台頭は必然とも言えよう。 現在では新進気鋭のアーティスト・ぼっちぼろまるのサポートメンバーを務める他、オンラインショップでTシャツやステッカーを販売するなどアパレル面でも活動の幅を拡大。
趣味としてはプロ顔負けの野鳥の観察写真を撮影する、カメラマンとしての一面も。
巨大な爆発を誰しもが虎視眈々と狙う音楽シーン。
さすればもちろん、インターネットでバズを生もうとする人も現れるわけですが、今回受けた6組は明らかに「計画的に」バズへの道程を考えています。
そこにはプロ/アマの境界線はもはやありません。 言わば人々の心に刺さったものが売れるというリアルを体現する、近未来型の策略家が彼らです。
……音楽の未来を考えてもとても素晴らしい動き。この機会に触れてみてください。
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キタガワ
島根県在住音楽ライター。酒好きの夜行性。rockin‘on外部ライター他諸々。
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