飽き性の私が唯一飽きずにスキでいられるもの
インタビュー中もコロコロと表情を変えていく安斉さん。「撮影やレコーディングより、話すのが一番緊張する」と言いながらも、のびのびと自由に体を動かしながら話す姿が印象的でした。──安斉さんは自分の機嫌をコントロールするのが上手そう。好きなものもたくさんありそうですが、その中でも一番愛しているものはなんですか?
安斉かれん それはやっぱり音楽。もともと飽き性で、その時ハマっているものがどんどん変わってしまうんですけど、こんなに長い間ずっとやり続けてるのは音楽だけなんです。物心ついた頃から、リビングでは父の好きなロックがいつも流れていて。
あの頃好きだった音楽は今でも聞くし、楽器もローリング・ストーンズにあこがれてはじめた中学生当時から、ずーっと大好き。最初にはじめたのはサックスだったけど、エレクトーンやお囃子も好きだし、今は喉も一つの楽器だなって思ってます。
──もともと、ロックやクラシックを好まれていたんですよね。でも、今回の新曲「GAL−TRAP」はヒップホップを意識して制作されていますよね。しかも、作詞・作曲もされている。 安斉かれん そもそも「このジャンルが好き!」っていうのも、明確にないんですよね(笑)。だって、好きと思ったものが好きなだけだし、ジャンルとか関係ないって思ってます。だから、これからもいろんなジャンルの音楽には挑戦したいなって思っているんです。
でも、チル系のヒップホップに関しては、難しいことを何も考えずに聞きやすいジャンルだと個人的には思ってて。だら〜っと垂れ流しても耳触りがいいから、眠い朝でも疲れた夜でも、自分の感情を邪魔しない音楽でもあると思ってるんです。そういうぼんやりした感じは、ヒップホップの好きなところ。
──でもその反面、「GAL−TRAP」は、リリックのメッセージ性は強いですよね。若者世代の持つぼんやりとした不安や焦燥感が、ないまぜになった感情を表している。安斉さん自身もそういう感情になる時がありますか?
安斉かれん 不安とか焦りみたいなものを、全面に感じちゃって病むってこととは少し違うかもしれません。この曲のリリックも、そういうぼんやりした気持ちをすべて言葉にできているわけじゃないんです。
不安に感じて病むほどのことじゃないこと──強いていうなら、気まずい人と会話してる時に、会話がもたなくってモヤモヤするあの感じ。言葉にはできないから、ネイルをこすり合わせる音やため息、沈黙の間をもたせるために出ちゃったような生活音をサンプリングして曲に入れ込んでいます。 ──今回は作曲も担当されているとのことですが、そういった生活音のサンプリングをしたのは安斉さんのアイデアなんですか?
安斉かれん 生活音のサンプリングはアイデアというより、その場の思いつきとノリ(笑)。
その場のアドリブでサンプリングした音をつないで、たったの1日でつくっちゃったんです。みんなのバイブスで曲が出来上がっていく感じ、最高でした。
安斉かれん 作曲はずっとやってみたいって言ってたので、今回、念願が叶いました。
──作詞も即興でされたんですか?
安斉かれん リリックについては、普段から思いついた詞を日記みたいに書き溜めているので、後日、それをその時の気持ちに合わせてつなぎ合わせました。
私の座右の銘が「人生場面」。直感なので(笑)。つくろうって決めてつくり込むのもいいと思うけど、やっぱりその時のテンションを大事にしたいんです。
──制作にも安斉さんのギャルマインドが反映されているわけですね。最後に、今後頑張っていきたいことがあれば教えてください。
安斉かれん 作曲は今後も頑張っていきたいです。実はすでに、もう形になってる曲もあったりして。それもずっとやりたくて実現したことの一つだから、私自身発表がめっちゃ楽しみです。
あなたはステレオタイプになっていませんか?
「自分には軸がない」と語る安斉さんの考え方は、とてもシンプルで安定したもの。デジタルネイティブ世代として情報に溢れた環境で青春を過ごし、本当の意味であらゆるものが「多様で然るべき」ということを、心の底から受け入れているからこその自由さを感じました。
ステレオタイプな考えに縛られていたのは我々だった……そう痛感せざるを得ないほど、安斉さん自身は「ギャル」というジャンルに全く縛られていません。
これも、大人に向けてギャルが仕掛けている一つの「GAL-TRAP」(ギャルの罠)なのかもしれません。
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楽曲情報
「GAL-TRAP」(ギャル・トラップ)
- リリース
- 9月16日(水)
- タイアップ
- 日本テレビ系「スッキリ」9月テーマソング
- 日本テレビ系「ウチのガヤがすみません!」9月エンディングテーマ
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安斉カレン
アーティスト
90年代の音楽業界を描き、Twitter世界トレンドTop3入りした話題のドラマ「M 愛すべき人がいて」にW主演として大抜擢。
実は彼女は世界的にも大きな潮流を生みつつあるリバイバル・サウンドをいち早く取り入れJ-POPのニュージェネレーションを謳う歌手。
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