京都の伝統工芸「西陣織」コロナでキャンセルも思わぬ形で新たな持ち主へ

京都の伝統工芸「西陣織」コロナでキャンセルも思わぬ形で新たな持ち主へ
京都の伝統工芸「西陣織」コロナでキャンセルも思わぬ形で新たな持ち主へ

西陣織/画像はすべて西陣岡本からの提供

POPなポイントを3行で

  • 1000年の歴史を誇る絹織物にもコロナの影響
  • 注文がキャンセルされた西陣織を織る糸
  • 現状をツイートすると拡散され多くの問い合せが
新型コロナウイルスの感染拡大により、あらゆる方面に影響が出ています。

そんななか、注文がキャンセルされた西陣織(にしじんおり)を織る糸が、思わぬ運命をたどっています。

職人集団・西陣岡本のデザイナー兼広報・岡本絵麻さんに話を聞きました。

西陣織を手がける京都の職人集団・西陣岡本

西陣織を手がける職人集団・西陣岡本

京都にある西陣岡本が織る西陣織は、神社仏閣で使用されるもので、金襴(きんらん)という種に分類されます。

岡本絵麻さんによれば、「極楽を表現する為に発展してきた金を多用する絹織物」で、その輝きをより引き立たせるための織機・織り方が、歴史のなかで積み上げられ育てられてきた織物だそうです。 そんな西陣織を織る西陣岡本ですが、新型コロナウイルスの影響により注文がキャンセルとなり、用意していた糸の行方が宙ぶらりんに。

しかしそんな状況を岡本絵麻さんがツイートすると大きな反響が。多くの問い合せが届いているようです。

広報「ダメージ加工なども面白いと思います」

ちなみに神社仏閣で使用される織物のため、日常生活では使いにくいのかと思いきや、そこは布地であるため自由な発想をもらえればとのこと。

広報担当でもある岡本絵麻さんは、「ダメージ加工なども面白いと思いますし、この金襴地の上に絵を描いても面白いのです」とKAI-YOU.net編集部の取材に対して、意外な使い道を提案してくれました。

素材が素晴らしいため、何をしても面白い品が出来上がるということです。

新たな危機を前向きに乗り越える

京都の絹織物(西陣織)の歴史は古く、生まれてから1000年ほど。

この1000年の間に西陣織は多くの苦難を乗り越えてきたと岡本絵麻さんは言い、この騒動も前向きに乗り越えていこうと考えているそうです。

「弊社は以前より西陣織の敷居を下げたいと思っており、その点、今回の反響はありがたい限りです。ただ西陣はもとより、日本のものづくりの現場がいま大変な状況だと思います。お客様方には、日本のものづくりに関して少しでも興味を持っていただけたら嬉しいと、西陣の片隅より願っています」(岡本絵麻さん)

カルチャーの歴史

この記事どう思う?

この記事どう思う?

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。