『DropBox』などのストレージサービスや『Evernote』のようなメモ系サービスのようなクラウド系無料ウェブサービスをビジネスで活用していく必要性について語られることが触れていますが、デジタルネイティブ世代とされている今の大学生にはどのくらい浸透しているのか、興味深いアンケート調査の結果が公開されています。
実施したのは、『タダコピアプリ』を提供している株式会社オーシャナイズとウェブアンケート作成ツール『SurveyMonkey』(サーベイモンキー)で、2014年4月に大学生911人が対象とのこと。
それによると、「授業や自己学習、研究・実験などで使っているサービスやアプリは?」という質問に対して、「Gmailなどフリーメール」が43.2%となっていますが、「カメラアプリ」は16.8%、「DropBoxなど無料ストレージ」が14.8%という浸透しているとはとても言えない数字に。ほかは『Skype』などのチャットサービスの利用は1割を超えている程度で、教育分野と親和性が高そうな『Evernote』のようなメモサービスでもそれほど使われていない実態が浮き彫りになっています。「とくに使わない」という答えが3割もいるあたり、活用しないでも支障がない、というシビアな判断が働いていそうです。
アンケートでは「授業や自己学習、研究・実験で有料アプリを使いたい?」という質問もありますが、「無料で十分事足りている」が55.7%で、実際に有料版を使っているユーザーは約5%に留まっているのも当然の結果といえるでしょう。同様に、国内外の大学講義が見られる『iTuneU』や『TEDed』のようなオープンエデュケーション型の無料動画サービスも、58.5%が「興味がない・知らない」と答えており、「サービス名は全く知らない」という人が64.4%となっています。
このような聴講サービスや『Skype』などを活用した英会話サービスが浸透しない理由としては、単位習得に結びつかないという現実的な問題に加えて、通信環境に左右されたり、講師に質問したり同じ講座を受けている仲間とコミュニケーションを取るといった際にはリアルの教室に及ばない、ということが考えられます。各ウェブサービスにしても、利用が必須という内容の講義やゼミはまだまだ少なく、学生の自主性による利用に留まっているゆえの浸透率の低さといえるのではないでしょうか。
今回の調査では、クラウド型サービスの認知や、大学でのデジタル活用、さらには”デジタルネイティブ”と言われている学生の実態が「そんなでもないよ」と冷水を浴びせる数字ばかりが並んでおり、それぞれに課題が突きつけられる結果といえそうですが、それをウェブサービスを展開する会社が発表しているというあたりが面白いところ。今後、学生の意識を上げるための方策を模索する動きがさまざまな立場から出てくることになりそうです。
真のギーク大学生は約1割、 オトナ注目の有名大学無料講義動画サービス「知らない6割」(タダコピ大学生ラボ)
http://lab.oceanize.co.jp/surveymonkey201406-01/ [リンク]
※画像は『足成』(http://www.ashinari.com/)より
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執筆者:ふじいりょうこの記事どう思う?
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