ツインエンジンは、これまで映画『ペンギン・ハイウェイ』やTVアニメ『刻刻』を手がけたほか、10月11日より『からくりサーカス』が放送開始。今後も『どろろ』や『ヴィンランド・サガ』といった多くの話題作の公開が控えている気鋭のアニメ企画プロダクションだ。
そんなツインエンジンが満を持して世に送り出すのが、根強いファンを持つ漫画家・三宅乱丈さんの代表作『ペット リマスター・エディション』(ビームコミックス/KADOKAWA刊)のアニメ化作品だ。他人の脳内に潜り込み、記憶を操る能力者“ペット”たちが織りなすサスペンスドラマを描いた快作として知られている。
連載開始から16年の時を経たアニメ化としても話題になっている『pet』プロジェクトの発表会が、9月24日、ドイツ文化センターにて行われた。今回は、さまざまな新情報が飛び出した『pet』プロジェクト発表会の模様をご紹介しよう。
取材・文/須賀原みち
2.5次元舞台で活躍する人気俳優が多数!舞台『pet』
『pet』プロジェクト発表会開始と同時に、スクリーンには幻想的な映像が映し出される。すると、俳優の植田圭輔さんがナレーションとともに登壇。会場にいる全員が息を呑み、その様子を注視する中『pet』舞台化決定の報が発表された。続いて登場したのは、本日のMCをつとめるニッポン放送アナウンサー・吉田尚記さん。実は、会場には「植田圭輔 最新舞台発表会プロジェクト」として一般の観客たちも詰めかけており、その舞台こそがこの『pet』であることを明かす。
そう、今回の『pet』プロジェクトでは、アニメ化と同時に舞台化も決定。アニメと舞台ともに主人公・ヒロキを演じるのが、俳優の植田さんとなる。
植田さんといえば、これまでも舞台『弱虫ペダル』真波山岳役、『おそ松さん on STAGE 〜SIX MEN’S SHOW TIME〜』チョロ松役といった、数多くの2.5次元舞台で活躍。また、『王室教師ハイネ』では主人公ハイネ・ヴィトゲンシュタインを舞台だけでなくアニメ声優もつとめるなど、アニメ・舞台ともにその実績は確かなものだ。
左から谷佳樹さん、植田圭輔さん、萩野崇さん
ヒロキのパートナー・司役を演じるのは、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンで宍戸亮役をつとめた桑野晃輔さん。ペットの一人・悟役は、こちらも三宅乱丈さん原作の舞台『イムリ』でミューバ役をつとめた谷佳樹さんとなる。そして、悟が探し求める「ヤマ親」(ペットに記憶を分けて信頼を寄せ合う存在)の林役は、『仮面ライダー龍騎』の浅倉威役として知られる萩野崇さんが演じる。
舞台版『pet』に掛ける、キャストたちの意気込み
今回の発表会にはスケジュールの都合で桑野さんは欠席だったが、谷さんと萩野さんが登壇。それぞれ挨拶と舞台化にあたっての作品の印象や意気込みについて語った。「『pet』という作品は、複雑な人間関係や誰かを想うが故に人を裏切ってしまうなど、昼ドラのようなドロドロした人間ドラマが描かれる作品だと思います。だから、生半可なお芝居では、この作品を舞台化する意味がない。そんな作品に呼ばれたという自覚を持ちながら、『pet』に挑めたらと感じています」(植田さん)
「原作の悟は強面のイメージですが、僕は若干ベビーフェイスなんです(笑)。なので、舞台の時には(悟の持つ)重圧な空気をまとえるよう、努力していきたいと思います。
ただ、今は正直(プレッシャーというよりも)楽しみに思っています。
原作を読んだ時に、人はしゃべる言葉だけが本音じゃなくて、反対のことをしゃべることもあって、そういう駆け引きがある作品だと感じました。その駆け引きを、僕らキャストがよりわかりやすく伝えられるかどうかが鍵になると思います。そういった舞台はまだ経験したことがないので、今はワクワクする気持ちが大きいですね」(谷さん)
「昨今の2.5次元舞台では、人間ドラマを描く作品が多くなっています。『pet』という作品は、物語自体がエンターテインメントとして面白いですし、登場人物の関係性やそれぞれが抱えてる想いにも非常に共感できました。そういったところを表現するため、キャストそれぞれの個性を交えながら、素晴らしい作品になるようにしていきたい。この作品にかける想いは、非常に大きなものがあると思っています」(萩野さん)
舞台版『pet』のキービジュアル
ストーリーの鍵となる“記憶改ざん”を舞台でどのように表現するのか? という疑問に対しては「“現実”と“人の意識”、2つの世界観を見せなきゃいけない瞬間がありますが、僕は舞台に不可能はなく、無限の可能性があると思っています。一見、難しく見える世界観を観客のみなさんにわかりやすく伝えるためには、僕らのチームワークが大事になってくるんでしょう」と、植田さんは力強く答える。
また、舞台のキービジュアルも公開され、それぞれが演じるキャラクターについて話す場面も。自身の風貌とのギャップについて谷さんが語ったほか、萩野さんの原作とのそっくり具合などにも言及。作品の魅力をわかりやすく伝えるとともに、キャスト同士の和気あいあいとしたやり取りで会場を盛り上げていた。
豪華声優陣たちが織りなす朗読劇も
舞台版の制作発表が終わったあと、続けてスクリーンにはTVアニメ『pet』の続報映像が映し出される。左から谷山紀章さん、植田圭輔さん、小野友樹さん、加瀬康之さん
また、アニメ版、舞台版ともにヒロキを演じることについて、植田さんは「舞台でもアニメでも、キャラクターが根底に持っている葛藤や喜びは変わらないと思います。なので、舞台とアニメ両方をやらせていただけるのは、非常にラッキーでした」と話した。
途中、MCの吉田アナウンサーが「(舞台上に)『文豪ストレイドッグス』の中原中也が二人いますけど……」と言うと、会場からは笑い声とともに大きな拍手が。実は、谷山さんと植田さんは同作品のアニメ版と舞台版で同一キャラクターを演じた間柄。そんなつながりもあって、舞台上で今度一緒に飲みに行く約束を交わしていたのだった。
続けて、アニメ『ゴールデンカムイ』でメインアニメーターをつとめた羽山淳一さんによるアニメ版『pet』のキービジュアルも公開され、矢継ぎ早に繰り出される新情報に、いやがおうにも期待感が高まっていく。
ここで、『pet』プロジェクト発表会を盛り上げる趣向として、声優陣による『pet』名場面の朗読劇が披露された。今回は制作発表に近い場となるため、当然本編の収録はまだ行われておらず、オーディション以来、声優陣が本作の役柄を演じるのは初めてだという貴重な朗読劇だ。
アニメと舞台、『pet』という世界がそれぞれどのように表現されるのか。今後のさらなる情報解禁にも期待したいところだ。
■チケット販売情報
ローソンチケットにて、プレリクエスト先行受付中。
http://l-tike.com/pet-s/
受付期間:10月15日(月)23:59まで。
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