2016年、MCバトルの人気番組「フリースタイルダンジョン」をきっかけにお茶の間まで浸透してきたヒップホップカルチャー。
その余波は2017年も続き、よりラッパー個人にスポットライトが当たっていますね。CMやバラエティー番組、ラジオ、ドラマ、映画など多方面で活躍を見せるラッパーも増えてます。
一方で筆者の所感ですが、ヒップホップのファンにフォーカスして見ると、高校生No.1のMCを決める「高校生RAP選手権」や前述した「フリースタイルダンジョン」の影響で今までヒップホップを知らなかった層に広がりをみせるものの、MCバトルが好きなファンと、純粋にヒップホップのカルチャーや楽曲が好きなファンが二極化しているなという印象を受けます。
そこで今回、最近ヒップホップのカルチャーに出会って、MCバトルはよく見るけど曲はあまり知らないという人のためにも、楽曲にフォーカスして2017年のヒップホップ名曲を筆者の独断と偏見のもと、20曲選びました。
ghettoな環境で育った唾奇さんのリアルな言葉が、Sweet Williamさんのメロウなサウンドに包まれて、唯一無二のグルーヴを織り成しています。
そして、曲の終盤にはPitch Odd Mansionの主宰者であり、映像監督をつとめる國枝真太朗さんに感謝を伝えるリリックも。
2017年最もブレイクしたソロのラッパーは唾奇さんじゃないでしょうか。筆者も2017年にもっとも聴いた曲が「Made my day」でした。
また、KAI-YOU.netでは、そんな唾奇さんとSweet Williamさんにインタビューを行いました。
昨今、お洒落かつ都会的で洗練されたラッパーが人気を獲得している中、イナタさとチープさを前面に出す彼らのスタイルは一線を画しました。
しかも、超越したラップスキルのギャップが魅力となっています。
そんなSUSHIBOYSが10月にリリースした1stアルバム『NIGIRI』のリード曲にもなっている「軽自動車」。愉快でクラシックなトラックに3人のキレのあるラップが乗って最高に気持ちいいです。
今年リリースしたどの楽曲もクオリティーが高いですが、筆者がピックアップしたい曲は「WALK THIS WAY」。
トラックメイカー・JIGGさんのポップで遊び心が聴いたトラックにSALUさんの優しいラップとキャッチーなサビがたまらなく良いです。
これまで、実弟のラッパー・5lack(S.L.A.C.K.)さんとラッパー・GAPPERさんからなるヒップホップユニット・PSGの活動や、他のアーティストの客演やプロデュース等で、ずっとその才能に注目されていながら自身のソロアルバムをリリースしていませんでした。
そんな中、2017年10月、ついにPUNPEEさんの1stアルバム『MODERN TIMES』が発売され話題に。そのアルバムの中でもPUNPEEさんのメロディーセンスが全開に出てる「タイムマシーンにのって」をピックアップしました。
残念ながらYouTubeにMVは公開されてませんが、本当にエモーショナルで素敵な曲なので、ぜひアルバムを手にとってみてください。
メジャー3rdアルバム『FANTASY CLUB』より、KANDYTOWNのラッパー・YOUNG JUJU(*現在はKEIJUに改名)さんを客演に迎えた「LONELY NIGHTS」は、ここ数年メジャーで活躍を続けてきたtofubeatsさんと、アンダーグラウンドで着実にプロップスを積み上げてきたYOUNG JUJUさんの接点のなさそうな2人がコラボするという意外性が話題に。
YOUNG JUJUさんがメロディーのあるラップパートを歌い、そこにさらにキャッチーなサビをtofubeatsさんがのせていくスタイルで中毒性のあるナンバーとなってます。
恋愛でおこる女子の気持ちをクールなトーンでラップ。また、トラックメイカー・Toshiki Hayashi(%C)さんによるリミックスでよりドラマティックに。夏の黄昏時に聴きたい名曲ですね。
トラックメイカー・Jazadocumentさんのクラシックで哀愁の漂うビートに、IOさんのクールなラップは、聴けば聴くほど病みつきになります。
また、IOさんらKANDYTOWNは、Timberlandのモデルへの抜擢やファッションショーの出演、各ファッション雑誌に掲載されるなど、ファッションでも注目を集めました。
PETROLZの三浦淳悟さんらによるバンド編成で楽曲が制作され、客演には以前ともに活動をしていたFla$hBackS時代からの盟友であり、鬼才のトラックメイカー/ラッパーのJJJさんも参加。
地に足がついた軽快なトラックに歯切れの良いKID FRESINOさんのラップ、さらにJJJさんがサビを。天気がいい日に、自然を感じながら聴きたいナンバーです。
3月にリリースした1stシングル「Watashi」は、NIKEのYouTubeチャンネルの動画『NikeWomen「わたしに驚け」』のテーマ曲にもなりました。ちなみにトラックを手がけているのは、水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミさん。
11月には、新作EP『life ep』をリリースして、人気ラッパー・5lackさんとコラボした楽曲もラインナップしており、2018年の動向からも目が話せません。
RemixバージョンでSALUさんとコラボしたことにより、さらに話題は加速。
InstagramやTwitterにて「#超wavyでごめんね」のハッシュタグとともにダンス動画をのせるのが流行しただけでなく、YouTubeにもパロディ動画が多数投稿されました。
来年も日本のトラップミュージックをJP THE WAVYさんが牽引していくのか期待したいです。
沖縄出身の女性ラッパー・Awichさんが中毒性のあるサビを歌いあげ、3人がメッセージ性の強いラップを披露。
筆者もこの曲を知ってから、今年の6月あたりの1ヶ月間、ずっとAwichさんの歌うサビが頭の中をぐるぐるしてました。
客演にクレジットされてるSugbabeさんは、ラッパー・PUNPEEさんがシンガーとして活動するときの名称です。
RAU DEFさんの特徴である、リズミカルなラップとPUNPEEさんが奏でるフックのメロディーが気持ちいいですね。
これまでのハードなイメージを覆すポップさやchillな要素も取り入れた1曲に。
MVには、ラッパーの漢 a.k.a. GAMIさんや敵刺a.k.a影さん、ONE a.k.a.ELIONEさんが出演。さらには、AbemaのFRESH!の番組「漢たちとおさんぽ」にレギュラー出演しているモデルの原田奈津美さんと立花亜野芽さんらも登場する豪華な構成となっています。
またKAI-YOU.netでは、そんなRYKEYさんに空白の1年や復帰についてインタビューをさせていただきました。
上述したAwichさんと女性のレゲエシンガーのAKANEさんも客演で参加。3人がつくりだす狂気的な世界観に圧倒されてしまいます。
朝や夕方に聴いて落ち着くラップをここまでできる日本人ラッパーは、彼しかいません。今後どんな動きを見せていくのかも楽しみです。
色気のあるRyohuさんラップに、女性のお洒落なコーラス、低音が効いたジャズベースのトラックのバランスが絶妙すぎます。トラック制作も自身でこなし、かつサビのメロディーセンスもあることから2018年はソロアルバムをリリースするのか注目です。
海外で撮影されてたMVも、曲の冷たい空気感とぴったりですね。
メジャーデビューアルバム『HEALTH』より、ハシシさんの盟友として知られるJinmenusagiさんとNIHA-Cさんをフィーチャリングに迎えた「A BONE feat.Jinmenusagi & NIHA-C」。
それぞれフロウが違う3人の卓越したラップパートが見どころとなっているほか、人生の応援ソングとしても勇気をもらえる1曲です。
ちなみにこのMVは、KAI-YOUがディレクションさせていただきました。
浮遊感のあるトラックに若手注目のラッパー・Weny Dacilloさん、Pablo Blastaさん、JP THE WAVYさんがマイクリレー。チャラさを前面に出しながらも、ここまでかっこいい日本語ラップってあまりなかった気がします。ピンク色が印象的なMVも曲とマッチしてますよね。
山梨のラッパー・田我流さんとシンガー・Bobby Bellwoodさんが客演に。エレガントなトラックに田我流さんのキャッチーなラップ、さらにBobby Bellwoodさんの甘いサビのメロディーが最高のグルーブを演出してます。
映像制作チーム・スタジオ石がつくるコミカルなMVも面白いですね。
2015年から2016年にかけてKANDYTOWNがブレイクし、今年はKANDYTOWNのメンバーのソロ活動が目立った年になりました。
筆者的にMVPは、やはり唾奇さんとSweet Williamさんに。キャラ立ちとして斬新だったのはSUSHIBOYS、リリース数や多方面への動きを1番みせたのは、SALUさん。
音楽プロデューサー・Chaki Zuluさんは、YENTOWNやkiLLaの面々の楽曲を全面プローデュースなどをはじめ、どれだけ多くの楽曲に関わったのだろうかと。
また、これまで日本であまり見られなかったヒップホップのムーブメントが、JP THE WAVYさんの「Cho Wavy De Gomenne」によってヒップホップというジャンルの外まで広がりをみせたのも面白かったですね。
そして、紹介しきれませんでしたがKREVAさんが引っ張る伝説のヒップホップユニット・KICK THE CAN CREWの14年ぶりのアルバムリリースもありました。
一方、2014年から2015年にかけて大ブレイクしたラッパー・KOHHさんに全くリリースが見られなかったのが逆に、来年のリリースに期待を膨らませてしまいます。
2018年はどんなラッパーがブレイクするのか、またヒップホップが外の世界にどんな広がりをみせていくのか。
KAI-YOUは2018年も引き続きヒップホップをはじめとするのストリートカルチャーを追っていきます。
その余波は2017年も続き、よりラッパー個人にスポットライトが当たっていますね。CMやバラエティー番組、ラジオ、ドラマ、映画など多方面で活躍を見せるラッパーも増えてます。
一方で筆者の所感ですが、ヒップホップのファンにフォーカスして見ると、高校生No.1のMCを決める「高校生RAP選手権」や前述した「フリースタイルダンジョン」の影響で今までヒップホップを知らなかった層に広がりをみせるものの、MCバトルが好きなファンと、純粋にヒップホップのカルチャーや楽曲が好きなファンが二極化しているなという印象を受けます。
そこで今回、最近ヒップホップのカルチャーに出会って、MCバトルはよく見るけど曲はあまり知らないという人のためにも、楽曲にフォーカスして2017年のヒップホップ名曲を筆者の独断と偏見のもと、20曲選びました。
2017年 これだけは知っておきたい日本語ラップ20選!
1:唾奇×Sweet William 「Made my day」
Pitch Odd Mansionより、沖縄のラッパー・唾奇さんと気鋭のトラックメイカー・Sweet Williamさんのダブルネームでリリースした『Jasmine』のリード曲になっている「Made my day」。ghettoな環境で育った唾奇さんのリアルな言葉が、Sweet Williamさんのメロウなサウンドに包まれて、唯一無二のグルーヴを織り成しています。
そして、曲の終盤にはPitch Odd Mansionの主宰者であり、映像監督をつとめる國枝真太朗さんに感謝を伝えるリリックも。
2017年最もブレイクしたソロのラッパーは唾奇さんじゃないでしょうか。筆者も2017年にもっとも聴いた曲が「Made my day」でした。
また、KAI-YOU.netでは、そんな唾奇さんとSweet Williamさんにインタビューを行いました。
2:SUSHIBOYS 「軽自動車」
2017年のブレイクというところでいうと、3人組ヒップホップユニット・SUSHIBOYSの存在も欠かせません。昨今、お洒落かつ都会的で洗練されたラッパーが人気を獲得している中、イナタさとチープさを前面に出す彼らのスタイルは一線を画しました。
しかも、超越したラップスキルのギャップが魅力となっています。
そんなSUSHIBOYSが10月にリリースした1stアルバム『NIGIRI』のリード曲にもなっている「軽自動車」。愉快でクラシックなトラックに3人のキレのあるラップが乗って最高に気持ちいいです。
3:SALU 「WALK THIS WAY」
2017年、4thアルバム『INDIGO』のリリース、JP THE WAVYとコラボした「Cho Wavy De Gomenne」、フリーミックステープ『BIS 3』のリリースなど1番動きがあったラッパー挙げるならSALUさんでしょう。今年リリースしたどの楽曲もクオリティーが高いですが、筆者がピックアップしたい曲は「WALK THIS WAY」。
トラックメイカー・JIGGさんのポップで遊び心が聴いたトラックにSALUさんの優しいラップとキャッチーなサビがたまらなく良いです。
4:PUNPEE 「タイムマシーンにのって」
バラエティ番組「水曜日のダウンタウン」の音楽担当もつとめるラッパー・PUNPEEさん。これまで、実弟のラッパー・5lack(S.L.A.C.K.)さんとラッパー・GAPPERさんからなるヒップホップユニット・PSGの活動や、他のアーティストの客演やプロデュース等で、ずっとその才能に注目されていながら自身のソロアルバムをリリースしていませんでした。
そんな中、2017年10月、ついにPUNPEEさんの1stアルバム『MODERN TIMES』が発売され話題に。そのアルバムの中でもPUNPEEさんのメロディーセンスが全開に出てる「タイムマシーンにのって」をピックアップしました。
残念ながらYouTubeにMVは公開されてませんが、本当にエモーショナルで素敵な曲なので、ぜひアルバムを手にとってみてください。
5:tofubeats 「LONELY NIGHTS」
アーティスト/DJ/音楽プロデューサーとして、ジャンルの垣根を超えて活躍するtofubeatsさん。メジャー3rdアルバム『FANTASY CLUB』より、KANDYTOWNのラッパー・YOUNG JUJU(*現在はKEIJUに改名)さんを客演に迎えた「LONELY NIGHTS」は、ここ数年メジャーで活躍を続けてきたtofubeatsさんと、アンダーグラウンドで着実にプロップスを積み上げてきたYOUNG JUJUさんの接点のなさそうな2人がコラボするという意外性が話題に。
YOUNG JUJUさんがメロディーのあるラップパートを歌い、そこにさらにキャッチーなサビをtofubeatsさんがのせていくスタイルで中毒性のあるナンバーとなってます。
6:鈴木真海子「Contact TOSHIKI HAYASHI (%C) remix」
女性ラップデュオ・chelmicoでも活躍する鈴木真海子さんのソロEP『Deep green』の中の1曲「Contact TOSHIKI HAYASHI (%C) remix」。恋愛でおこる女子の気持ちをクールなトーンでラップ。また、トラックメイカー・Toshiki Hayashi(%C)さんによるリミックスでよりドラマティックに。夏の黄昏時に聴きたい名曲ですね。
7:IO 「Notis」
上述したYOUNG JUJUさんと共にヒップホップクルー・KANDYTOWNのリードオフマンであるIOさんが4月にリリースした2ndアルバム『Mood Blue』の代表曲「Notis」。トラックメイカー・Jazadocumentさんのクラシックで哀愁の漂うビートに、IOさんのクールなラップは、聴けば聴くほど病みつきになります。
また、IOさんらKANDYTOWNは、Timberlandのモデルへの抜擢やファッションショーの出演、各ファッション雑誌に掲載されるなど、ファッションでも注目を集めました。
8:KID FRESINO 「Salve feat. JJJ」
ニューヨークを拠点に活動するラッパー/トラックメイカーのKID FRESINOさんが1月にリリースしたEP『Salve』よりリード曲の「Salve feat. JJJ」。PETROLZの三浦淳悟さんらによるバンド編成で楽曲が制作され、客演には以前ともに活動をしていたFla$hBackS時代からの盟友であり、鬼才のトラックメイカー/ラッパーのJJJさんも参加。
地に足がついた軽快なトラックに歯切れの良いKID FRESINOさんのラップ、さらにJJJさんがサビを。天気がいい日に、自然を感じながら聴きたいナンバーです。
9:iri「Watashi」
ラッパーというくくりでは違和感があるかもしれませんが、ラップがクールな女性アーティストと言えばiriさんを紹介しないわけにはいきません。3月にリリースした1stシングル「Watashi」は、NIKEのYouTubeチャンネルの動画『NikeWomen「わたしに驚け」』のテーマ曲にもなりました。ちなみにトラックを手がけているのは、水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミさん。
11月には、新作EP『life ep』をリリースして、人気ラッパー・5lackさんとコラボした楽曲もラインナップしており、2018年の動向からも目が話せません。
10:JP THE WAVY 「Cho Wavy De Gomenne Remix feat.SALU」
今年もっともムーブメントを巻き起こした曲といえばJP THE WAVYさんの「Cho Wavy De Gomenne」で間違いないでしょう。RemixバージョンでSALUさんとコラボしたことにより、さらに話題は加速。
InstagramやTwitterにて「#超wavyでごめんね」のハッシュタグとともにダンス動画をのせるのが流行しただけでなく、YouTubeにもパロディ動画が多数投稿されました。
来年も日本のトラップミュージックをJP THE WAVYさんが牽引していくのか期待したいです。
11:MONYPETZJNKMN 「WHOUARE feat.Awich」
「WHOUARE feat.Awich」は、ヒップホップクルー・YENTOWNを代表する3人であるMonyHorseさん、PETZさん、JNKMNさんによるアルバム『磊』の代表曲。沖縄出身の女性ラッパー・Awichさんが中毒性のあるサビを歌いあげ、3人がメッセージ性の強いラップを披露。
筆者もこの曲を知ってから、今年の6月あたりの1ヶ月間、ずっとAwichさんの歌うサビが頭の中をぐるぐるしてました。
12:RAU DEF 「FREEZE!!! feat.Sugbabe」
過去にZeebraさんをディスった楽曲を発表したことでも知られるラッパー・RAU DEFさんの楽曲「FREEZE!!! feat.Sugbabe」。客演にクレジットされてるSugbabeさんは、ラッパー・PUNPEEさんがシンガーとして活動するときの名称です。
RAU DEFさんの特徴である、リズミカルなラップとPUNPEEさんが奏でるフックのメロディーが気持ちいいですね。
13:RYKEY 「Walk」
「Walk」は、空白の1年間を経たラッパー・RYKEYさんがリリースした復帰作のEP『CHANGE THE WORLD』のリード曲。これまでのハードなイメージを覆すポップさやchillな要素も取り入れた1曲に。
MVには、ラッパーの漢 a.k.a. GAMIさんや敵刺a.k.a影さん、ONE a.k.a.ELIONEさんが出演。さらには、AbemaのFRESH!の番組「漢たちとおさんぽ」にレギュラー出演しているモデルの原田奈津美さんと立花亜野芽さんらも登場する豪華な構成となっています。
またKAI-YOU.netでは、そんなRYKEYさんに空白の1年や復帰についてインタビューをさせていただきました。
14:Kojoe 「BoSS RuN DeM Feat. AKANE, Awich」
ニューヨークで育ったバイリンガルラッパーのKOJOEさんが今年リリースした4年半ぶりとなるアルバム『here』より、MVも公開されている「BoSS RuN DeM Feat. AKANE, Awich」。上述したAwichさんと女性のレゲエシンガーのAKANEさんも客演で参加。3人がつくりだす狂気的な世界観に圧倒されてしまいます。
15:maco marets 「Summerluck」
chillで心地の良いイケボが武器のラッパー・maco maretsさんが夏にリリースしたシングル曲「Summerluck」。筆者も今年の夏に鬼のようにリピートした1曲です。朝や夕方に聴いて落ち着くラップをここまでできる日本人ラッパーは、彼しかいません。今後どんな動きを見せていくのかも楽しみです。
16:Ryohu 「All in One」
Ryohuさんは、KANDYTOWNの中でも独自の音楽観やファッションで異彩を放つ存在。10月にリリースしたEP『Blur』より「All in One」も雰囲気抜群の一曲。色気のあるRyohuさんラップに、女性のお洒落なコーラス、低音が効いたジャズベースのトラックのバランスが絶妙すぎます。トラック制作も自身でこなし、かつサビのメロディーセンスもあることから2018年はソロアルバムをリリースするのか注目です。
17:BIM 「Bonita」
ヒップホップクルー・THE OTOGIBANASHI'Sの核でもあるラッパー・BIMさんが12月に公開した「Bonita」。トラックの心地いいループとBIMさんのささやくような優しいラップがマッチしてます。海外で撮影されてたMVも、曲の冷たい空気感とぴったりですね。
18:電波少女 「A BONE feat.Jinmenusagi & NIHA-C」
ネットラップでの活動を出自に持つMC・ハシシさんとボタンを押す係兼パフォーマー・nicecreamさんからなるヒップホップユニットの電波少女。メジャーデビューアルバム『HEALTH』より、ハシシさんの盟友として知られるJinmenusagiさんとNIHA-Cさんをフィーチャリングに迎えた「A BONE feat.Jinmenusagi & NIHA-C」。
それぞれフロウが違う3人の卓越したラップパートが見どころとなっているほか、人生の応援ソングとしても勇気をもらえる1曲です。
ちなみにこのMVは、KAI-YOUがディレクションさせていただきました。
19:DJ CHARI & DJ TATSUKI 「ビッチと会う feat. Weny Dacillo, Pablo Blasta & JP THE WAVY」
DJ CHARIさんとDJ TATSUKIさんによるニューシングル「ビッチと会う feat. (Weny Dacillo, Pablo Blasta & JP THE WAVY)」は、酩酊感が心地のいい名アンセム。浮遊感のあるトラックに若手注目のラッパー・Weny Dacilloさん、Pablo Blastaさん、JP THE WAVYさんがマイクリレー。チャラさを前面に出しながらも、ここまでかっこいい日本語ラップってあまりなかった気がします。ピンク色が印象的なMVも曲とマッチしてますよね。
20:MAHBIE/Space Brothers feat. 田我流 & Bobby Bellwood
最後に紹介したいのは、岩手のビートメイカー・MAHBIEさんの「MAHBIE/Space Brothers feat. 田我流 & Bobby Bellwood」は、スペイシーな1曲。山梨のラッパー・田我流さんとシンガー・Bobby Bellwoodさんが客演に。エレガントなトラックに田我流さんのキャッチーなラップ、さらにBobby Bellwoodさんの甘いサビのメロディーが最高のグルーブを演出してます。
映像制作チーム・スタジオ石がつくるコミカルなMVも面白いですね。
2018年のヒップホップはどうなる?
いかがだったでしょうか。もっと紹介したいラッパーや名曲はたくさんあったのですが、キリがないので20曲のみ選ばせていただきました。2015年から2016年にかけてKANDYTOWNがブレイクし、今年はKANDYTOWNのメンバーのソロ活動が目立った年になりました。
筆者的にMVPは、やはり唾奇さんとSweet Williamさんに。キャラ立ちとして斬新だったのはSUSHIBOYS、リリース数や多方面への動きを1番みせたのは、SALUさん。
音楽プロデューサー・Chaki Zuluさんは、YENTOWNやkiLLaの面々の楽曲を全面プローデュースなどをはじめ、どれだけ多くの楽曲に関わったのだろうかと。
また、これまで日本であまり見られなかったヒップホップのムーブメントが、JP THE WAVYさんの「Cho Wavy De Gomenne」によってヒップホップというジャンルの外まで広がりをみせたのも面白かったですね。
そして、紹介しきれませんでしたがKREVAさんが引っ張る伝説のヒップホップユニット・KICK THE CAN CREWの14年ぶりのアルバムリリースもありました。
一方、2014年から2015年にかけて大ブレイクしたラッパー・KOHHさんに全くリリースが見られなかったのが逆に、来年のリリースに期待を膨らませてしまいます。
2018年はどんなラッパーがブレイクするのか、またヒップホップが外の世界にどんな広がりをみせていくのか。
KAI-YOUは2018年も引き続きヒップホップをはじめとするのストリートカルチャーを追っていきます。
2017年のヒップホップを詳しく知りたいなら
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連載
日夜生み出される現象や事象を“ポップなまとめ記事”として紹介する人気連載。 いま注目を集めるジャンル、気になったときにチェックしたいトレンド──。 KAI-YOUでは「POP」を軸に、さまざまな対象をまとめて紹介していきます。
1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:2076)
え!?ノリキヨがいない!?