先日、「主題歌がBUMP OF CHICKENにそっくり!?」という噂をきっかけに、大きな反響を獲得したエロゲ『夜巡る、ボクらの迷子教室』。
「OP映像で『天体観測』してる」ことも重なってか、普段はエロゲをプレイしない層にもその噂は喧伝され、瞬く間にネット上に拡散。KAI-YOUでも、そのざわつきの一部始終をご紹介しました。 この楽曲を制作したのはKITAKENさん。「BUMP OF CHICKENへのリスペクト」だけでなく、楽曲としての良さにも興味深々になってしまった筆者は、どうしても本人のことが気になってしまったので、メールインタビューを実施しました。
聞けば、今回がクリエイターとして処女作だったのだそう。制作の裏側から、BUMPへのリスペクトまでをうかがいました。
ちなみに、『夜巡る、ボクらの迷子教室』初回盤には主題歌全4曲も収められたサウンドトラックが付属します。普段はエロゲに馴染みのない方も楽曲をきっかけに興味が湧いたのであれば、購入を検討するのもアリなんじゃあないでしょうか。
KITAKEN ありがとうございます。YouTubeでの想像以上の再生回数、見切れないほどのコメント、ツイートには、制作メンバーであるバンド・AMNESIAともども感謝してます。
色々なベクトルの意見があると思いますが、まずは僕らの曲が単純に多くの方の耳に届いたことが嬉しく思います。夜巡る、ボクらの迷子教室 OP
──メーカーサイドから、「BUMPを想起させるような曲」というオーダーがあったのでしょうか。
KITAKEN そういったオーダーはありません。こういう場合、大抵は参考曲がいくつか挙げられるんですけれど、どれも違うアーティストの物でした。
──『夜巡る、ボクらの迷子教室』はプレイされたのでしょうか?
KITAKEN 未プレイですが、シナリオは拝見させていただいた上で作詞作曲しました。
今回提供させていただいた「メモリー」「夜煙ダッチロール」「オートモービル」「星団歩行」の4曲は、各キャラクターのストーリーに寄り添った詞になっていると思います。
KITAKEN 中学生の頃に友人に勧められて『jupiter』(※)というアルバムを借りたんです。そこでファンになりました。
※jupiter……2002年に発売されたメジャー1st(通算3枚目)アルバム。代表曲の「天体観測」をはじめ「ダイヤモンド」「メロディーフラッグ」「ハルジオン」「ダンデライオン」など初期の名曲が並ぶ。 ──ブログも拝見させていただきました。研究具合が凄まじく驚くばかりなのですが、どうしてここまでBUMPの音楽にのめり込んでいったんですか?
KITAKEN 日常的に彼らの音楽に触れていても、聴くたびに新しい発見があるんです。一切の妥協をしないレコーディングや制作活動が曲を通して伝わってくる。そこに魅かれたんだと思います。
具体的な理論や法則性、ライティングの癖について考えをまとめだしたのは2〜3年前ですね。その時期から音楽コミュニティアプリの「nana」で伴奏音源をアップロードし始めました。
──音づくりもとても興味深いのですが、楽器やエフェクターも本人たちと同じものを使っているのですか?
KITAKEN ギターもエフェクターも同じ物は1つも持っていないです。
ほぼ同じ音を出したければそれが近道かと思いますが、ルーツや根幹の精神性がBUMPにあるだけで、決してそれを目指している訳でも、BUMP的な楽曲をつくることが目的でもないからです。
今回のレコーディングでも、自身のバンドでも「テレファントム(※)」と「ジョン・ペトルーシ(※)モデル」のギターを使ってます。
強いて言えば、E-Bow(※)は同じ物を使ってますね。これはバンドのレコーディングで使う為に以前に購入しました。「星団歩行」でも鳴ってます。
※テレファントム……VOX社の製造した五角形のギターを元にカスタムが施されたもの。東京事変/ペトロールズの浮雲(長岡亮介)さんの使用が有名。
※ジョン・ペトルーシ……アメリカのプログレッシヴメタルバンド「ドリーム・シアター」のギタリスト。
※E-Bow……ギター用のエフェクター。浮遊感のあるサウンドが特徴で、BUMP OF CHICKENではメジャー3rdアルバム『orbital period』以降の楽曲で多く使用されている。 『りこ』エンディングテーマ「星団歩行」
──藤原基央さんと声もかなり似ているように感じます。発声の方法もあるのですか?
KITAKEN あまり頭では意識してないです。(ネット上で特に話題を呼んだ)「星団歩行」に関しても、レコーディング当時は意識のカケラも無かったんです。
ただ、「この音域はこの発声の仕方と響かせ方で」とか、「この音域はこれくらいの息の漏らし方で」とか、潜在的な意識はあるのかと思います。
中学生の頃に友人が、いつも歌ばかり歌ってる僕に「声の雰囲気が似てるから」ということでBUMPを勧めてきたので元々兆候はあったのかもしれません。
──BUMPへのリスペクトを感じさせつつもオリジナリティを両立させるために、作曲家として意識されているところを聞かせてください。
KITAKEN 聴き込み過ぎて来たが故にフレーズが手グセのように出てきてしまうこともあるので、当然ですが特定の曲と同じコード進行、同じメロディなど無いように意識的に避けています。
作曲時は邦楽によくある予定調和な進行や雰囲気も除外するよう意識しています。バンドでは少しヘヴィ目なフレージングやプログレッシブな要素を取り入れて曲をつくっています。
ですが、クリエイターとしての活動は今作が処女作なので、ジャンルやアプローチの多様性も含めてまだまだ精進していきたいです。
「OP映像で『天体観測』してる」ことも重なってか、普段はエロゲをプレイしない層にもその噂は喧伝され、瞬く間にネット上に拡散。KAI-YOUでも、そのざわつきの一部始終をご紹介しました。 この楽曲を制作したのはKITAKENさん。「BUMP OF CHICKENへのリスペクト」だけでなく、楽曲としての良さにも興味深々になってしまった筆者は、どうしても本人のことが気になってしまったので、メールインタビューを実施しました。
聞けば、今回がクリエイターとして処女作だったのだそう。制作の裏側から、BUMPへのリスペクトまでをうかがいました。
ちなみに、『夜巡る、ボクらの迷子教室』初回盤には主題歌全4曲も収められたサウンドトラックが付属します。普段はエロゲに馴染みのない方も楽曲をきっかけに興味が湧いたのであれば、購入を検討するのもアリなんじゃあないでしょうか。
ネット上で話題「エロゲ主題歌がBUMPっぽい」
──KAI-YOUでもご紹介させていただきましたが「主題歌がBUMPっぽい!」とネット上で話題になっています。反響についていかがですか?KITAKEN ありがとうございます。YouTubeでの想像以上の再生回数、見切れないほどのコメント、ツイートには、制作メンバーであるバンド・AMNESIAともども感謝してます。
色々なベクトルの意見があると思いますが、まずは僕らの曲が単純に多くの方の耳に届いたことが嬉しく思います。
KITAKEN そういったオーダーはありません。こういう場合、大抵は参考曲がいくつか挙げられるんですけれど、どれも違うアーティストの物でした。
──『夜巡る、ボクらの迷子教室』はプレイされたのでしょうか?
KITAKEN 未プレイですが、シナリオは拝見させていただいた上で作詞作曲しました。
今回提供させていただいた「メモリー」「夜煙ダッチロール」「オートモービル」「星団歩行」の4曲は、各キャラクターのストーリーに寄り添った詞になっていると思います。
BUMP OF CHICKENの探究心について
──BUMPのファンになったきっかけを聞かせていただけますか?KITAKEN 中学生の頃に友人に勧められて『jupiter』(※)というアルバムを借りたんです。そこでファンになりました。
※jupiter……2002年に発売されたメジャー1st(通算3枚目)アルバム。代表曲の「天体観測」をはじめ「ダイヤモンド」「メロディーフラッグ」「ハルジオン」「ダンデライオン」など初期の名曲が並ぶ。 ──ブログも拝見させていただきました。研究具合が凄まじく驚くばかりなのですが、どうしてここまでBUMPの音楽にのめり込んでいったんですか?
KITAKEN 日常的に彼らの音楽に触れていても、聴くたびに新しい発見があるんです。一切の妥協をしないレコーディングや制作活動が曲を通して伝わってくる。そこに魅かれたんだと思います。
具体的な理論や法則性、ライティングの癖について考えをまとめだしたのは2〜3年前ですね。その時期から音楽コミュニティアプリの「nana」で伴奏音源をアップロードし始めました。
──音づくりもとても興味深いのですが、楽器やエフェクターも本人たちと同じものを使っているのですか?
KITAKEN ギターもエフェクターも同じ物は1つも持っていないです。
ほぼ同じ音を出したければそれが近道かと思いますが、ルーツや根幹の精神性がBUMPにあるだけで、決してそれを目指している訳でも、BUMP的な楽曲をつくることが目的でもないからです。
今回のレコーディングでも、自身のバンドでも「テレファントム(※)」と「ジョン・ペトルーシ(※)モデル」のギターを使ってます。
強いて言えば、E-Bow(※)は同じ物を使ってますね。これはバンドのレコーディングで使う為に以前に購入しました。「星団歩行」でも鳴ってます。
※テレファントム……VOX社の製造した五角形のギターを元にカスタムが施されたもの。東京事変/ペトロールズの浮雲(長岡亮介)さんの使用が有名。
※ジョン・ペトルーシ……アメリカのプログレッシヴメタルバンド「ドリーム・シアター」のギタリスト。
※E-Bow……ギター用のエフェクター。浮遊感のあるサウンドが特徴で、BUMP OF CHICKENではメジャー3rdアルバム『orbital period』以降の楽曲で多く使用されている。
KITAKEN あまり頭では意識してないです。(ネット上で特に話題を呼んだ)「星団歩行」に関しても、レコーディング当時は意識のカケラも無かったんです。
ただ、「この音域はこの発声の仕方と響かせ方で」とか、「この音域はこれくらいの息の漏らし方で」とか、潜在的な意識はあるのかと思います。
中学生の頃に友人が、いつも歌ばかり歌ってる僕に「声の雰囲気が似てるから」ということでBUMPを勧めてきたので元々兆候はあったのかもしれません。
──BUMPへのリスペクトを感じさせつつもオリジナリティを両立させるために、作曲家として意識されているところを聞かせてください。
KITAKEN 聴き込み過ぎて来たが故にフレーズが手グセのように出てきてしまうこともあるので、当然ですが特定の曲と同じコード進行、同じメロディなど無いように意識的に避けています。
作曲時は邦楽によくある予定調和な進行や雰囲気も除外するよう意識しています。バンドでは少しヘヴィ目なフレージングやプログレッシブな要素を取り入れて曲をつくっています。
ですが、クリエイターとしての活動は今作が処女作なので、ジャンルやアプローチの多様性も含めてまだまだ精進していきたいです。
ディープなクリエイターに迫る
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1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:1504)
意識すぎやろ..