一方で、生物としての活動のためには当然必要なエネルギー源である糖質を制限することによる弊害やトラブルも指摘されていることも事実です。
この「糖質制限」を巡って、様々な指南書や番組などが組まれている中、ネットでは、とある「Amazonレビュー」が大きな話題を呼びました。
『マンガで分かる心療内科』シリーズでおなじみ、精神科医・ゆうきゆうさんと漫画家・ソウさんコンビによる、2015年に刊行された漫画『マンガで分かる肉体改造 糖質制限編』についた、「ゅぅゃ」さんによるレビュー(外部リンク)。糖質制限で一番役に立つのは、『マンガでわかる糖質制限』
— Mistir (@mistclast) 2017年4月15日
……の、Amazonレビューのこれ。
糖質制限の情報は、このレビューがネット上で最も密度高いと思う。最初読んだ時衝撃を受けた。https://t.co/bL2HLANokt
そこには、「糖質制限」と一口に言っても医師によって大きく意見が分かれ、その方式それぞれに伴うリスクや、食品ごとの注意事項などが、実に細かく記述されているのです。
たまに長文レビューは見かけますが、中でも相当長そうなこのレビュー。文字数をカウントしてみたところ、なんと1万4千字もありました…。ちょっとした論文レベル。糖質制限と一口に言っても、医師によって意見が分かれていて、大きく分けて
『ケトン体消費を起こさないリスク無しの粗食・糖尿病患者食系(100~130g+低GI食推奨/バーンスタイン式)』
『ケトン体消費を起こして短期間に痩せる・ボディビル系(0~20g+高タンパク推奨/ライザップ式)』
『間を取ってケトン体消費が起きるギリギリを狙う(40~60gくらい/アトキンス式)』の、3つの派閥があるようです。
ここでは、便宜上ライザップ式とアトキンス式を『スーパー糖質制限』と呼びます。
(常人の糖質摂取量1日200~300g、ご飯1杯50g、食パン1枚25g)
バーンスタイン式とスーパー糖質制限は、考え方が正反対であるにも関わらず、
ひとくくりに『糖質制限』と呼ばれていて、『糖質制限は安全』と言う人はバーンスタイン式、
『糖質制限は危険』と言う人はスーパー糖質制限を想定しているようです。
本書はこの二つの違いを説明しておらず『バーンスタイン式が安全という論文があるから、
スーパー糖質制限も安全』という論調なので、鵜呑みにすると痛い目に遭いそうです。
なおバーンスタイン博士は、スーパー糖質制限を批判する発言をしています。(URLをコメ欄に張ります) ゅぅゃ「これ一冊の情報だけでダイエットをするのは危険かも。」 Amazonカスタマーレビューより
あくまで一般ユーザーによるものなので記述内容にも検証が必要ですが、レビューを読んだ3,803人のうち、97%に当たる3,723人が、「このレビューが参考になった」と投票している異例の反響にも納得の内容です。
Amazonレビューは魔窟!
ゅぅゃさんはほかにも、『幽☆遊☆白書』の電子書籍版である「カラー版」の16巻をレビュー(外部リンク)。彩色によって演出意図が変わってしまっている、とあるシーンを指摘するなど、いちいち大変読み応えのあるレビューを投稿しています。このゅぅゃさん、調べてみると、Amazonレビュアーランキングで19位にランクインしている強者。全325件のレビューがあります(外部リンク)。
この人以上のレビュアーが18人もいるということ自体が信じられません…。Amazonレビューは魔窟です。
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