Chim↑Pom『また明日も観てくれるかな?』レポ 歌舞伎町で渦巻いた狂気の一夜

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Chim↑Pom『また明日も観てくれるかな?』レポ 歌舞伎町で渦巻いた狂気の一夜
Chim↑Pom『また明日も観てくれるかな?』レポ 歌舞伎町で渦巻いた狂気の一夜

漢a.k.a. GAMIさん、菊地成孔さん、DJ BAKUさんのステージ

10月28日、アーティスト集団・Chim↑Pomが開催した展覧会「『また明日も観てくれるかな?』〜So see you again tomorrow, too? 〜」において、オールナイトライブイベント「ART is in the pARTy Day 2」が行われた。

「Scrap and Build」「全壊する展覧会」をテーマに掲げたこの個展は、10月末日をもって解体される歌舞伎町振興組合ビルを占拠する形で実施され、解体工事の開始とともに展示物もまた解体され、2017年、高円寺にあるChim↑Pomのアーティストランスペースにて再構築される。

このレポートは、カオスと熱狂にまみれた一夜の記録となる。

取材・文:町田ノイズ 撮影:稲垣謙一 編集:コダック川口

歌舞伎町のど真ん中、解体直前のビルで行われた個展

来場客はまず「青写真」をテーマに据えたビル4階に案内され、窓から天井までざらざらの青写真の青に染まった一室からスタート。進路は上階からフロアを逆行していく形となる。 床の中心は正方形の吹き抜けとなっており、スクリーンに映される映像作品「BLACK OF DEATH」や、むき出しのコードやパイプ、ベニヤ板、コンクリートまでもがさらけ出されている。 新宿を模したジオラマに新宿で捕獲したというネズミの剥製が配置される「SUPER RAT -Diorama Shinjuku-」など展示物が点在。 雑然とした残骸の真横で、ペンキのローラーを引きずるロボット掃除機 やがて到達した1階の中央に鎮座している、事務用品や家具などぶち抜かれた3階分の床のバンズに挟んだ「ビルバーガー」を横目に通路を進む。 真新しいビルの模型が無表情に展示されていた。新たな創造と構築、夜ごと刷新される事象の手前で、言葉のない骸が過剰な装飾に紛れ、やがて忘れさられる。 その空疎さの過程をありありと再現した会場の外では秋雨が降り注ぎ、肌寒さに場違い感を覚えるハロウィンの仮装に身を包んだ人々と、ライブの開始時間を待つ客の列があった。

地下1階で行われた「ART is in the pARTy Day 2」

「ART is in the pARTy」のメイン会場はビルの地下1階。コンクリートの密室に無理矢理穴をあけたような内装で、照明は裸電球がいくつかぶら下がっているばかり。

薄暗い場内に詰めかけた100人前後のオーディエンスの少し戸惑ったような顔と、BGMの「東京音頭」の軽妙さが、どこかちぐはぐな空気をつくり出していた。

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