みなさんは、昆虫を食べたことはありますか?
ただそのまま食べるわけではなく、ハチやイナゴ、カエルなどの昆虫を調理して振舞われる「昆虫食」と呼ばれています。日本ではまだまだ一般的ではなく、いわゆるゲテモノとされることもありますが、実は人類がいまだかつて感じたのことない味が眠っている「未知の食材」でもあるのです。
今日は、そんな昆虫食の専門家と一緒に、昆虫食の魅力を体験するイベント「“虫狩一筋”バッタ会」の様子を通して、秋の絶品昆虫食をお伝えしていきます。
※ここから先はモザイクなしなので、苦手な方は気を付けてください
文/深澤恵一、後藤謙吾
現在公開中の映画『ラスト・ウィッチ・ハンター』とのコラボ企画として開催され、不死身の魔女ハンターに呪われると虫まみれになってしまうシーンがあることから、今回のコラボが実現しました。
イベントでは、幼少期から昆虫食に親しみ、現在は昆虫料理研究家として昆虫料理の魅力を広げている内山昭一さんを講師として迎え、一般参加者20名とともに、秋におすすめの昆虫・スズメバチやバッタなどを捕まえて、その場で食べました。 会場となった浅川近辺には、さまざまな種類のバッタが数多く生息していて、内山さんはじめ、昆虫食愛好家たちの間では絶好の捕獲ポイントとして知られているそう。バッタは、これからの秋の季節におすすめの昆虫食で、内山先生が昆虫食を研究するきっかけになったほどの美味しい昆虫だそうです。 「バッタは素揚げやスープに入れると美味しくなりますね、実はたんぱく質も豊富で、栄養価もそこそこいいんですよ。ハチも同じですね。秋から冬にかけては越冬昆虫といって、木の中とかで越冬中のバッタなどが結構いますんで、それは凄く脂が乗っていて美味しいです。バッタ類以外にも、クワガタとかカミキリムシとかの幼虫は非常に美味しいので冬の一番のお勧めはそこら辺ですね。あと川の中にいる、いわゆるザザムシもおすすめ。水性昆虫は冬場が一番美味しいですから」(内山先生)
最初は「気持ち悪そう……」と思っていたのですが、「脂が乗っている」と聞くと、不思議とバッタが美味しそうに見えてきました。脂が乗っているバッタを捕まえるために、20代〜30代の大の大人たちが虫あみ片手に、童心に帰ったような気持ちでとにかくバッタを捕まえまくります。 1時間で10匹ほどのバッタを捕まえたあとは、早速調理に入ります。内山さんを昆虫食の世界へと引き入れるほどの魅惑の味を持つバッタ。一体どんな味がするのでしょうか……。
ハッチーさんは、多い時には年に500個ものハチの巣を駆除していて、この秋冬の時期は眠っているハチを探し、ハチの生態調査や育成を行っているそうです。 こうしてバッタとスズメバチが揃ったところで、早速料理開始です。まずは下ごしらえ……かと思いきや、捕まえてきた生きたままのバッタとスズメバチを天ぷら粉につけ、そのまま豪快に油の中へ投げていきます……。なんと……。 バッタやスズメバチなどの堅そうな昆虫は、油でサッと素揚げで食べるのがベストだそう。それにしても生きている昆虫を油に放り込むのは、なかなか勇気がいりました。
ある程度カラッと揚がってきたら、キッチンペーパーで油を切り、塩とコショウを適度にふって完成です。
さっきまで元気に飛び回っていたバッタを食べるのは正直複雑でしたが、最初は草っぽいなんともいえない味から、噛んでいるうちにだんだんとエビになってくるのです。これぞ、昆虫食ならではの未知の味。
内山先生は、今でも一部の地域で昆虫食を食べている長野県で生まれ育ち、小さい頃から昆虫を食べていたそうです。この浅川は、内山先生がはじめて友人と一緒にバッタを捕まえた場所であり、思い出の場所。その時に食べたバッタが思っていたよりも美味しくて、それから本格的に昆虫食の研究ははじめたそうです。
たしかにこの不思議な味にはなんともいえない中毒性があり、子供の頃にこの味を知ってしまっていたら、私も昆虫食に魅入られてしまったのかもしれません。
毒っぽいスズメバチが持つ鋭い味です。私は美味しくいただきましたが、人を選ぶ味かもしれません。珍味ですね。
アリってどんな味がするのだろう? と思いながら恐る恐る口にしてみると、ほぼ無味でした(笑)。
アリを食べているような感覚はあまりなく、オレンジマーマレードを乗せたビスケットを食べているようだったので、初めての昆虫食としてはおすすめかもしれません。
最後に内山先生に昆虫食の魅力について聞いてみると、「いろんな昆虫がいて、いろんな味がありますが、まだまだ未知の食材。私は普段からよく昆虫を探しに出かけるのですが、そこで新しい昆虫に出会えると、私にとっては新しい味にも出会えるということになります。そこが、昆虫食の魅力なんだと思います」(内山先生)
物心ついた時から虫を食べている人、虫を料理として楽しむ人、自然が好きな人、友達に誘われて来た人。その入り口はさまざまですが、こうして自分たちで捕まえ、自分たちで調理し、料理として食べることで、昆虫食の魅力が少しだけわかったような気がします。
映画『ラスト・ウィッチ・ハンター』は絶賛上映中です!
ただそのまま食べるわけではなく、ハチやイナゴ、カエルなどの昆虫を調理して振舞われる「昆虫食」と呼ばれています。日本ではまだまだ一般的ではなく、いわゆるゲテモノとされることもありますが、実は人類がいまだかつて感じたのことない味が眠っている「未知の食材」でもあるのです。
今日は、そんな昆虫食の専門家と一緒に、昆虫食の魅力を体験するイベント「“虫狩一筋”バッタ会」の様子を通して、秋の絶品昆虫食をお伝えしていきます。
※ここから先はモザイクなしなので、苦手な方は気を付けてください
文/深澤恵一、後藤謙吾
秋は油の乗ったバッタがおすすめ
10月2日(日)、京王線・高幡不動駅から徒歩10分の浅川の土手沿いで、昆虫を獲って、その場で調理し、食べるという不思議なイベント「“虫狩一筋”バッタ会」が行われました。現在公開中の映画『ラスト・ウィッチ・ハンター』とのコラボ企画として開催され、不死身の魔女ハンターに呪われると虫まみれになってしまうシーンがあることから、今回のコラボが実現しました。
イベントでは、幼少期から昆虫食に親しみ、現在は昆虫料理研究家として昆虫料理の魅力を広げている内山昭一さんを講師として迎え、一般参加者20名とともに、秋におすすめの昆虫・スズメバチやバッタなどを捕まえて、その場で食べました。 会場となった浅川近辺には、さまざまな種類のバッタが数多く生息していて、内山さんはじめ、昆虫食愛好家たちの間では絶好の捕獲ポイントとして知られているそう。バッタは、これからの秋の季節におすすめの昆虫食で、内山先生が昆虫食を研究するきっかけになったほどの美味しい昆虫だそうです。 「バッタは素揚げやスープに入れると美味しくなりますね、実はたんぱく質も豊富で、栄養価もそこそこいいんですよ。ハチも同じですね。秋から冬にかけては越冬昆虫といって、木の中とかで越冬中のバッタなどが結構いますんで、それは凄く脂が乗っていて美味しいです。バッタ類以外にも、クワガタとかカミキリムシとかの幼虫は非常に美味しいので冬の一番のお勧めはそこら辺ですね。あと川の中にいる、いわゆるザザムシもおすすめ。水性昆虫は冬場が一番美味しいですから」(内山先生)
最初は「気持ち悪そう……」と思っていたのですが、「脂が乗っている」と聞くと、不思議とバッタが美味しそうに見えてきました。脂が乗っているバッタを捕まえるために、20代〜30代の大の大人たちが虫あみ片手に、童心に帰ったような気持ちでとにかくバッタを捕まえまくります。 1時間で10匹ほどのバッタを捕まえたあとは、早速調理に入ります。内山さんを昆虫食の世界へと引き入れるほどの魅惑の味を持つバッタ。一体どんな味がするのでしょうか……。
バッタとスズメバチを油で揚げる
まずは下準備、かと思いきや、思ったほどバッタが捕まえられなかったこともあり、急遽、特別参加として来てくれていた蜂の巣駆除を専門に活動するハッチー小川さんが狩ってきたスズメバチの巣を使って、秋におすすめのハチ料理もいただくことに。ハッチーさんは、多い時には年に500個ものハチの巣を駆除していて、この秋冬の時期は眠っているハチを探し、ハチの生態調査や育成を行っているそうです。 こうしてバッタとスズメバチが揃ったところで、早速料理開始です。まずは下ごしらえ……かと思いきや、捕まえてきた生きたままのバッタとスズメバチを天ぷら粉につけ、そのまま豪快に油の中へ投げていきます……。なんと……。 バッタやスズメバチなどの堅そうな昆虫は、油でサッと素揚げで食べるのがベストだそう。それにしても生きている昆虫を油に放り込むのは、なかなか勇気がいりました。
ある程度カラッと揚がってきたら、キッチンペーパーで油を切り、塩とコショウを適度にふって完成です。
バッタ揚げ
草の味が……。あ、足が歯に挟まった! あ、でもサクサクしていて、エビっぽくで美味しい!さっきまで元気に飛び回っていたバッタを食べるのは正直複雑でしたが、最初は草っぽいなんともいえない味から、噛んでいるうちにだんだんとエビになってくるのです。これぞ、昆虫食ならではの未知の味。
内山先生は、今でも一部の地域で昆虫食を食べている長野県で生まれ育ち、小さい頃から昆虫を食べていたそうです。この浅川は、内山先生がはじめて友人と一緒にバッタを捕まえた場所であり、思い出の場所。その時に食べたバッタが思っていたよりも美味しくて、それから本格的に昆虫食の研究ははじめたそうです。
たしかにこの不思議な味にはなんともいえない中毒性があり、子供の頃にこの味を知ってしまっていたら、私も昆虫食に魅入られてしまったのかもしれません。
スズメバチの素揚げ
続いてはスズメバチの素揚げ。 苦味が強く、思わず体がゾクゾクと震え上がってしまうほどの食感。毒っぽいスズメバチが持つ鋭い味です。私は美味しくいただきましたが、人を選ぶ味かもしれません。珍味ですね。
ハチの幼虫は絶品!
バッタとスズメバチの素揚げを食べたところで、今度は巣にいたハチの幼虫を使った「ハチの子のコーンスープ」。 見た目は少しグロかったのですが、食べてみるととてもクリーミーで甘く、プチプチとした歯ごたえ。参加者からの評判も良く、何回もおかわりしている方もいました。何度もなんども口にしたくなるような、おつまみにぴったりの昆虫食でした。おやつ代わりにアリをトッピング
バッタ、スズメバチ、ハチの子と続いたところで、最後はおやつとして、道端にいたアリをつかまえて、「アリの子とオレンジマーマレードのカナッペ」をみんなでつくりました。 空になった缶詰めにつかまえたアリを詰め込み、いっぱいになったらしょうゆとしょうがを加えて煮ていきます。アリが甘辛くなってきたら火を止め、ビスケットにオレンジマーマレードとアリの子をトッピングして完成です。アリってどんな味がするのだろう? と思いながら恐る恐る口にしてみると、ほぼ無味でした(笑)。
アリを食べているような感覚はあまりなく、オレンジマーマレードを乗せたビスケットを食べているようだったので、初めての昆虫食としてはおすすめかもしれません。
内山先生が語る昆虫食の魅力とは?
こうしてバッタ、ハチ、アリを食したところで「バッタ会」は終了。最後に内山先生に昆虫食の魅力について聞いてみると、「いろんな昆虫がいて、いろんな味がありますが、まだまだ未知の食材。私は普段からよく昆虫を探しに出かけるのですが、そこで新しい昆虫に出会えると、私にとっては新しい味にも出会えるということになります。そこが、昆虫食の魅力なんだと思います」(内山先生)
物心ついた時から虫を食べている人、虫を料理として楽しむ人、自然が好きな人、友達に誘われて来た人。その入り口はさまざまですが、こうして自分たちで捕まえ、自分たちで調理し、料理として食べることで、昆虫食の魅力が少しだけわかったような気がします。
映画『ラスト・ウィッチ・ハンター』は絶賛上映中です!
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作品情報
映画『ラスト・ウィッチ・ハンター』
- 監督
- ブレック・アイズナー
- 出演
- ヴィン・ディーゼル、イライジャ・ウッド、ローズ・レスリー
- ジュリー・エンゲルブレヒト、マイケル・ケイン
- 上映時間
- 106分
- 原題
- THE LAST WITCH HUNTER|PG12
- 配給
- プレシディオ
- 協力
- 松竹
<あらすじ>
800年前、魔女に不死の呪いをかけられたコールダー(ヴィン・ディーゼル)。以降、現代に至るまで、唯一無二の魔女ハンターとして戦い続けていた彼を、ドーランと呼ばれる神父が歴代の相棒として見守っていた。しかしある日、36代目のドーラン(マイケル・ケイン)が何者かに殺害された。37代目ドーラン(イライジャ・ウッド)とともに捜査に出たコールダーは、大昔に殺したはずの魔女の女王が関与していることを知るが……。
公式サイト:http://lwh-movie.jp/
Twitter:@presidio00
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