『ウォーハンマー』体験レポート後編 自分で塗装したミニチュアを戦わせよう!

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ミニチュアゲーム『ウォーハンマー』のゲームを体験してみよう!

それでは早速塗り終わったスケルトンを使ってゲームをしてみましょう。店員の千葉さんとお試し対戦をしてみました。

土台が茶色くて周りから浮いてるのが僕の塗ったスケルトン

千葉さんの塗ったスケルトン10体に、先ほど塗ったスケルトン(リーダーユニット)を加えた11体が僕のスケルトン軍団です。 対するは千葉さんのエンパイアアーチャー10体。ゲームは殲滅戦で、相手を全滅させれば勝ち。 なお、僕の方が1体多いのですが、「こんくらいでやろっかー」というアバウトなノリでやれるのが『エイジ・オブ・シグマー』の良いところなのです。『40,000』みたいにコストとかがキッチリ決まってないので、お互いが納得すればお手軽なミニチュア数でアバウトに遊べるわけです。
※今年夏にポイント制での遊び方の導入があるようです

架神 ところで、これって戦闘前の状況設定とかって勝手にでっち上げていいんですか?

千葉 いいですよ。

帝国領域周縁の砦を守護するエンパイアアーチャー守備兵隊。退屈な任務に欠伸を噛み殺していた見張り兵が、突然、素っ頓狂な叫びを上げて上官に告げた!

「敵です! 糞ったれの骨だけ野郎が!」

おお、砂塵の向こうに見えるは死せる不浄の軍団。にわかに殺気立つ守備兵たち。朽ちた体を引きずる死者の軍勢を相手に、戦士たちは一斉に弓弦を引き絞った――。

架神 じゃあ、こんな感じで! いやあ、僕、こういう状況、クッソ燃えるんですよね!

これ、あれでしょう。アーチャーは近づかれる前にできるだけ敵数を削る、スケルトンは敵の射撃を掻い潜って懐に潜り込めれば勝機が見える、って感じですよね!?

千葉 い……いや、実は接近戦でもアーチャーの方が強いんですよね……

架神 えっ……

千葉 だ、だって……こういう状況でやりたいんですよね……?

架神 アッ、ハイ。

と、こんな感じで、少々バランス悪くっても、お互いが納得して遊べるならGOできちゃうのが『エイジ・オブ・シグマー』なのです。

1ターン目先手 スケルトン

とりあえず砦に近付かなければ話になりません。スケルトン軍団、まずは真っ直ぐ前へ「移動」です。 スケルトンの移動力は4MOVE(ほぼ4インチ)。ここで必要なのがメジャー。メジャーで測って4MOVE分を前進します。 さらに「全力移動」も選べる! 6面ダイスを振って出た分だけ追加で前進します。出目は1! うーむ、しょぼい。

この後、「射撃フェイズ」「突撃フェイズ」が入りますが、スケルトンには射撃能力がなく、突撃は12MOVE以内に敵がいないと行えないので不発。5MOVE前進しただけで1ターン目先手が終了です。

1ターン目後手 エンパイアアーチャー

スケルトンが射撃の射程距離に入らなかったため、アーチャー側も少しだけ前方へ『移動』。1体は砦から飛び降りました。

高低差でも移動を使うため、大体3MOVEほどで登ったり降りたりできます

そしてアーチャーがスケルトンを射程圏内に捉えたため、『射撃』フェイズへ! 射撃では次の3つの判定が行われます。

1.命中判定
6面ダイスを振り、エンパイアアーチャーは、4以上が出れば命中。リーダーユニットなら3以上で命中します。

2.ダメージ判定
4以上が出れば致命傷。3以下だとかすり傷ぐらい。(イメージ)

3.セービング判定
これはスケルトン側が振ります。6が出れば防御に成功します。(鎧とかに当たって弾かれるイメージ) アーチャーは10体で攻撃回数は10回なので、命中判定でダイスを10個振ります。命中した(4以上が出た)ダイスでダメージ判定を振り、さらに判定をくぐり抜けたダイスの数だけスケルトンがセービング判定を振って、最後まで残ったダイスがスケルトンへのダメージとなるわけです。

今回は最終的にダイス1つが残り、スケルトン側から一体戦死者が出ました。 千葉 さーらーに! 戦死者が出ると戦闘ショックフェイズが発生します。周りの仲間がやられたのを見て、ビビって逃げ出すやつが出てくるんですね

戦死者の数に6面ダイスの結果を加えた数が、ユニット固有の勇猛度を上回っていた場合、その数だけ逃亡者が発生します。今回はダイス目が2、戦死者が1で、合計3。

千葉さんの振った、戦闘ショックフェイズでのダイス目

スケルトンの勇猛度は10なので全然平気でした。さすがはアンデッド。多少のことではビビらないぜ。……ってか、ひょっとして、ここに勝機があるのでは??

2ターン目先手 エンパイアアーチャー

2ターン目からはイニシアチブチェックで先手後手が決まります。ダイスを振って、目が大きい方が先攻です。エンパイアアーチャーが先手を取りました。

エンパイアアーチャーが再び『射撃』。ですが、今回は奇跡的にセービングが成功して、スケルトン側の脱落者なし! イエス!!

2ターン目後手 スケルトン

再び『移動』『全力移動』。基本の4MOVEにダイスで6が出たので合計10MOVE。グッと接近できた! 地形「森」に潜んで敵の射撃を警戒しつつ(セービング成功率アップの地形効果!)、次ターンで『突撃』を狙います。

3ターン目先手 エンパイアアーチャー

イニシアチブチェックの結果、今度もまたアーチャーが先手を取りました。

突撃を警戒したアーチャーたちは『移動』(5MOVE)+『全力移動』(ダイスの結果3MOVE)で砦を放棄して後退します。 ただ、砦から降りるのに3MOVE使ってるので、あんまり逃げられなかった上に、このターンは『全力移動』したために『射撃』できません。

3ターン目後手 スケルトン

まずは『移動』。基本の4MOVEでアーチャーに接近してから……

『突撃』します! アーチャーまでの距離は5MOVE。6面ダイスを2つ振って合計5以上が出れば突撃成功! ただし、失敗するとその場から動けません。 成功! アーチャーを取り囲み、『接近戦』に入ります! 流れは先ほどの射撃とほぼ同じ。

1. 命中判定
スケルトンは4以上で命中。

2.ダメージ判定
4以上で致命打に成功。

3. セービング判定
6が出ればアーチャーは防御に成功。 結果は3体分がヒット! アーチャー側の戦死者3人!

千葉 ただし、この後、アーチャー側が殴り返すんです。

架神 ええっ、なにそれ。

千葉 『射撃』は一方的に攻撃できるんですが、『接近戦』は殴ったら殴り返されます。だから、このゲームは『射撃』が強いんです。

げげええっ、そういうことか~~!!! さらにアーチャー側は『射撃』をした後に『接近戦』をすることも可能だそうで。遠距離戦なら一方的に攻撃でき、接近戦でもスケルトンの2倍殴れるわけです。そりゃ確かに強いわ~。 アーチャーからの殴り返しでスケルトンが2体死亡。

千葉 いやでも、こうなるとアーチャー、まずいですね。

そして、戦闘ショックフェイズ。アーチャーたちは勇猛度が5しかありません。ダイス目は5! 戦死者が3! 合計8で差し引き3のため、さらに3体のアーチャーが敵前逃亡!!

敵前逃亡するアーチャー3体

このターン、一気に6体のアーチャーが脱落しました。おおっ、これは・・・!??





結局、3ターン目後手で兵力差が一気に開いたのが決め手となり…… 5ターン目後手のスケルトンフェイズでアーチャー側が全滅。前評判を覆してスケルトン側が勝利しました! 僕の塗ったリーダースケルトンもよく頑張りました。

後編まとめ「やってみれば難しくない!」

ミニチュアペイント……いやー、なんとかなるもんですね。それっぽく塗れるようになるまで数十体のミニチュアを犠牲にしなければならないもんだと思ってました。

それがいきなり、しかもたった30分で塗れちゃうなんて。「こんなのできると思ってなかった」ものが実現できちゃったので、なんだか凄く楽しい。

ゲームプレイの方も、覚えてしまえば意外と簡単。マス目がなくメジャーで測って移動するのも、聞いた時はビックリしたけどやってみれば特に難しいことはなく、またダイスによる判定も、転がすダイスの数こそ多いものの、どんどんダイスが減っていくので視覚的に分かりやすいシステムでした。

本当はこれにさらにヒーローフェイズという、特殊なミニチュアが持つ指揮能力が加わったりもするのですが、基本の流れは上記のような感じとなります。

個人的には戦闘ショックフェイズの存在が面白かった! シミュレーションゲームではあまりフィーチャーされることのない士気の要素が重要となるし、今回のゲーム的にも、「装備と地の利で勝るアーチャー軍団が、死を恐れぬスケルトン軍団の猛攻に恐慌をきたして壊滅」というドラマ性が生まれていました。3体倒したら3体逃げ出して軍団が崩壊する辺りが実にリアル。

「ジャイアントホビー」に所狭しと並んでいる「ウォーハンマー」関連商品

前編の繰り返しになりますが、確かにセットを揃えたりするまでの道のりを考えると、決して敷居が低いとは言えないかもしれません。

ただ、ミニチュアを組み立てて塗装することで楽しめるだけではなく、思い入れのこもった自分のミニチュアを戦わせる醍醐味は、子供心をくすぐるだけではなく、大人ものめり込む魅力があります。

高円寺のミニチュアゲーム専門店「ジャイアントホビー」さんでは、1回1000円にて今回のようなペイント講座+ゲーム体験(ミニチュア1体付き)を行うことができます。興味を持った方は、ぜひ体験を!

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