事件や事故現場を専門としたパパラッチの姿を描いた映画『ナイトクローラー』が、8月22日(土)より全国ロードショーされる。
すでに2014年に上映された本国のアメリカでは、ハリウッドでも注目される映画学校・American Film Institute (AFI)の2014年トップ10映画リストに厳選されたほか、アメリカの批評評論家サイト・Rotten Tomatoesでも95%という高評価を得ている。
ナイトクローラーとは、視聴率獲得を目的とした報道のスクープ映像にこだわるパパラッチ団体。1930年代から40年代に犯罪写真家として、殺人現場や車の追突事故の生々しい写真で名誉を獲得したカメラマンたちが、その先がけとなっている。
本作に出演するにあたって、彼はわずか2ヶ月で12kgの減量を果たし、さらに少しでも主役の生活習慣に近づけようと昼夜逆転の生活をして、役作りに励んだという。
主人公のルイスは、そんな社会から疎外された若者を象徴するキャラクターとして描かれている。
希望の見えない状況の中で、ルイスは刺激的なニュースや事件を追いかけるナイトクローラーたちに出会い、その道を歩むこととなる。
監督・脚本をつとめるダン・ギルロイさんは、本作をつくる上で、テレビ業界へ入念な調査を行い、その調査ではローカルニュース局が虚偽の報道で視聴率を稼ごうとしているという事実にも迫ったという。
そのようなアメリカのテレビ業界の裏側と社会から疎外された若者という、2つの社会問題を浮き彫りにした作品といえる。
それに対して、本作では「人間がアウトサイダーとなる荒野の孤島」というギルロイさんのイメージが反映されていることにも注目したい。
都会的なロサンゼルスのイメージを避けるために、撮影は夜中から明け方を中心に、ロサンゼルスの広大な砂漠や山脈近くの大自然の中で行われた。そこでは、ギルロイさんがイメージした荒れ野に浮かぶロサンゼルスのイメージが強調されている。
このような風景が、ナイトクローラーたちが夜中にスクープ映像をいち早く撮ろうと車を走らせる孤独な姿を、より一層イメージとして際立たせているのである。
現代のジャーナリズムの倫理を問う『ナイトクローラー』は、インターネットの時代に埋もれ生きている私たちこそ見に行くべき映画であるだろう。
執筆者:たぶちゆう
すでに2014年に上映された本国のアメリカでは、ハリウッドでも注目される映画学校・American Film Institute (AFI)の2014年トップ10映画リストに厳選されたほか、アメリカの批評評論家サイト・Rotten Tomatoesでも95%という高評価を得ている。
ナイトクローラーとは、視聴率獲得を目的とした報道のスクープ映像にこだわるパパラッチ団体。1930年代から40年代に犯罪写真家として、殺人現場や車の追突事故の生々しい写真で名誉を獲得したカメラマンたちが、その先がけとなっている。
「ナイトクローラー」特別映像「究極のサクセスストーリー」
注目俳優のジェイク・ギレンホールが主人公を熱演!
ナイトクローラーとして活躍する主人公のルイス・ブルームを演じるジェイク・ギレンホールさんは、アカデミー賞助演男優賞、ゴールデングローブ賞主演男優賞など映画界の名立たる受賞式の賞にノミネートされた注目の俳優だ。本作に出演するにあたって、彼はわずか2ヶ月で12kgの減量を果たし、さらに少しでも主役の生活習慣に近づけようと昼夜逆転の生活をして、役作りに励んだという。
歪んだ現代社会とテレビ業界の裏側が相互するテーマ性に注目!
ますます経済格差が進む現代社会で、インターンシップという名目の中無給で働かされ、成功の夢を無念にも奪われる若者たちの現状をテーマとしている本作。主人公のルイスは、そんな社会から疎外された若者を象徴するキャラクターとして描かれている。
希望の見えない状況の中で、ルイスは刺激的なニュースや事件を追いかけるナイトクローラーたちに出会い、その道を歩むこととなる。
監督・脚本をつとめるダン・ギルロイさんは、本作をつくる上で、テレビ業界へ入念な調査を行い、その調査ではローカルニュース局が虚偽の報道で視聴率を稼ごうとしているという事実にも迫ったという。
そのようなアメリカのテレビ業界の裏側と社会から疎外された若者という、2つの社会問題を浮き彫りにした作品といえる。
ステレオタイプのロサンゼルスの印象を覆す!
本作は、ナイトクローラーたちの生活地でもあるロサンゼルスの街を撮影の舞台としているのだが、ギルロイさんは、ロサンゼルスは自動車が飛び交う都会というイメージがステレオタイプとして存在していると語る。それに対して、本作では「人間がアウトサイダーとなる荒野の孤島」というギルロイさんのイメージが反映されていることにも注目したい。
都会的なロサンゼルスのイメージを避けるために、撮影は夜中から明け方を中心に、ロサンゼルスの広大な砂漠や山脈近くの大自然の中で行われた。そこでは、ギルロイさんがイメージした荒れ野に浮かぶロサンゼルスのイメージが強調されている。
このような風景が、ナイトクローラーたちが夜中にスクープ映像をいち早く撮ろうと車を走らせる孤独な姿を、より一層イメージとして際立たせているのである。
現代のジャーナリズムの倫理を問う『ナイトクローラー』は、インターネットの時代に埋もれ生きている私たちこそ見に行くべき映画であるだろう。
執筆者:たぶちゆう
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