バイク乗り女子高生マンガが警視庁とコラボ!
『ばくおん!!』
ところで、ホンダとヤマハという2つのメーカーの狙いとは関係なく、今、とあるバイクマンガが話題になっているのをご存知でしょうか。『月刊ヤングチャンピオン烈』で連載されている『ばくおん!!』は、バイクに乗る女子高生たちの日常をコミカルに描きつつ、バイクに乗っている(乗っていた)人ならば、思わず笑ってしまったりうなずいてしまったりするような、バイカーあるあるネタが特徴の作品です。
作品の内容自体は、ホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキに乗る4人の少女に、免許は持っていないけどサイドカーに改造したMVアグスタF4やドゥカティ750SSイモラレプリカ(!)を執事に運転させるお金持ちの少女を加えた5人を中心にして進んでいくんですが……この作品、なんといってもスズキのバイクの扱いがすごい……というかヤバい。
GSX400S KATANA、いわゆる400刀に乗っているスズキの女の子や、スズキというメーカー自体が(ここに詳しく書けない感じで)他のキャラ(おもにヤマハ)にいじられる展開が非常に目立つのです。実際、インターネット上でも、スズキのバイクは良くも悪くもネタにされることが多いので、おそらく本作はそういった現象自体のパロディなのでしょう。
だがしかし! 日本中のスズ菌保有者(スズキ愛好者の総称、X JAPANでいうところの運命共同体みたいなもの)たちよ、安心してくれ! これは逆に、スズキというメーカー、そしてスズキのバイク自体が、すでに一つのコンテンツとして成り立っているという証左でもあるのだ!
……というのは冗談として、この『ばくおん!!』も、実はとあるバイクメーカーとコラボレーションをしています。それがオーストリアに本拠地を置くKTM。『ばくおん!!』とKTM・ジャパン、そして浜口レーシングがコラボレーションし、レーシングチーム「KTM HAMAGUCHI BAKUON Racing」を結成。鈴鹿8時間耐久ロードレースに出場するなどの活動をしています(ちなみに『ばくおん!!』本編にはKTMに乗っているキャラクターは1人も登場しない!)。 また本作は警視庁ともコラボ、なんとライダーの聖地・奥多摩周遊道路の警告版に、期間限定でデフォルメされたキャラたちが描かれていたのです。
ハンターの獲物は「Monster1200」!
『モンスターハンター』
KTMと『ばくおん!!』のように海外メーカーと日本の作品がコラボするのは、実はそれほど珍しいことではなく、最近ではイタリアに本社を持つバイクメーカーのドゥカティ・ジャパンがCAPCOMの大ヒットゲーム『モンスターハンター』とコラボレーションをしています。 なんと同社が製造するMonster1200の車体に、ゲームに登場する火竜リオレウスをイメージしたペイントを施した特別モデルのMonster1200モンスターハンター・バージョンを期間限定で発売したのです。ちなみに販売価格は181万円(税込)に設定されていますが、通常のモデルが165万円だと考えれば限定モデルとしては良心的な価格設定かもしれませんね!(もともと安くはないけど!)番外編:カワサキの新型モビルスーツか!?
Ninja H2R
まだ一つだけ挙げられていない国内バイクメーカーがあることにお気づきでしょうか。……そう、自社のバイクを購入する際に「おとこ」という漢字を「漢」と書かせる儀式を行うことでも有名(嘘)なカワサキです。そのカワサキが、2014年の秋にドイツで行われたケルンショーで、川崎重工業グループが有する技術の粋を結集して開発した新型バイクを発表しました。
カワサキが世界に誇る偉大な2台(Ninjaと750SSマッハⅣ H2)にあやかり、Ninja H2Rと名付けられたそのマシンが、スーパーチャージャー搭載998cc直列4気筒エンジンから、誰もが予想しなかった最高出力300馬力を発揮すると知ったときの驚きと言ったら、なかなか言葉で表現しきれるものではありません。それでもあえて例えるとするなら、フリーザ様が平然と「わたしの戦闘力は53万です」と言い放ったときの衝撃に似ていたかもしれません。 ところが……実はこのNinja H2R、ネット上ではその怪物的なスペックとは別の視点から注目されていたります。なんと海外の某掲示板で、Ninja H2Rは正面からだとガンダムに見える、と話題になっていたのです! さらに海外の反応が日本にも飛び火して、今では「連邦の新型か!?」とか、実際に走っている動画のコメントには「こいつ、走るぞ!?」とか書かれている始末。
いや、そういった反応でも、世界中、しかも普段バイクにあまり関わりのない層にも注目されているわけですから、バイク業界としては近年まれに見る注目度と言えるでしょう。
ちなみに、個人的にはガンダムというよりも、むしろ復活した川崎重工業のエンブレムが弐瓶勉作品に登場する東亜重工や『BIOMEGA』の重二輪のような雰囲気を醸し出している気もするんですが……うーん、とりあえずこのバイクに女の子のAIを搭載してみたいかも。
さて、それぞれのバイクメーカーが様々なコンテンツとコラボレーションし、ついにはコンテンツ自体を生み出してしまうという現状、バイカーとしては、各社の次なる手法がなかなか楽しみではあります。
そういえば世間では、実在の戦艦を美少女に擬人化したゲームが大ブームになっているようですが……バイクメーカー各社の方々、次は『単車これくしょん‐単これ‐』なんて、いかがでしょうか?
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地本草子
作家
スズ菌感染中の物書きです。さすらいのSW-1乗り。『黒猫の水曜日シリーズ』(スーパーダッシュ文庫)、『路地裏テアトロ』(ぽにきゃんbooks)発売中。
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