大阪のハードコアパンクレーベル・BACK YARD ZINE/RECORDSが、アパレルブランド「STRAIGHT EDGE(ストレート・エッジ)」の商標登録に反対する署名運動を開始した。
同レーベルは、署名サイト「change.org」にて「STRAIGHT EDGE という思想・歴史的背景を軽視し、特定の企業が独占する"商標登録"に反対」と題したページを公開。
アパレルブランド「STRAIGHT EDGE」による商標出願について、「商標法の趣旨に反し、文化の私物化を招くものだと強い懸念を抱いています」と批判している。
集まった署名は、特許庁に対して当該商標の登録取り消しを求める「登録異議の申立て」を行う際の重要証拠として提出される予定だ。
「STRAIGHT EDGE という思想・歴史的背景を軽視し、特定の企業が独占する"商標登録"に反対」署名ページ/画像は「change.org」公式サイトから
ハードコアパンクの“ストレート・エッジ”とは何か?
ファッションブランド「STRAIGHT EDGE」は、美容師/実業家の廣江一也さんが、お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さんと共に立ち上げたブランド。
「都市生活の中で“戦う”ためのストリートウェア」をコンセプトに掲げ、4月3日にローンチされた。
ブランド側は、プレスリリースにおいてその名称が「ハードコア・パンクカルチャーから生まれた思想」に由来していると明記。
加えて「アルコールやドラッグなどの享楽的なライフスタイルに対するアンチテーゼとして生まれた価値観であり、パンクカルチャーの中核にある思想のひとつです」と説明している(外部リンク)。
「STRAIGHT EDGE」2026年秋冬デビューコレクション
本来の意味のストレート・エッジとは、ハードコアパンクという音楽ジャンルから派生した思想およびライフスタイルのことを指す。
1980年代初頭に、アメリカ・ワシントンD.C.出身のバンド「マイナー・スレット」や「フガジ」のメンバーとして知られるイアン・マッケイさんが提唱した概念だ。
ドラッグ、アルコール、煙草、快楽目的の性行為などを拒否する禁欲的な考え方であり、従来のロックンロール的な価値観に対するアンチテーゼとして知られている。
その影響力は強いものの、あくまでハードコアパンクという音楽及び文化におけるサブジャンルの一つであり、ハードコアパンク=ストレート・エッジと解釈するのは大きな誤解があるので注意が必要だ。
「精神的な価値を根底から損なう行為」と批判
現在、ファッションブランド側が申請した商標のステータスは、特許庁による登録査定が完了し、登録公告前の状態。
今回、署名運動を開始したBACK YARD ZINE/RECORDSは、審査のステータスが更新され、商標登録が完了したタイミングで「異議申し立て」を行うのが最善であると判断。異議申し立ての手続きが可能な期間は、商標が登録され、商標掲載公報が発行されてから2ヶ月以内と定められている。
そのため、商標登録後の迅速な手続きを見据え、現段階でできるアクションとしてオンラインでの署名活動を開始した形だという。
さらに、公開された署名ページの中で同レーベルは、特定の企業が商標を登録することに対して「商業的にその名を利用し独占を図ることは、40年以上にわたり先人たちが築き上げてきた文化の本質を汚し、その精神的な価値を根底から損なう行為」であると強く批判している。
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