配信者のしょぼすけさんが主宰する『Grand Theft Auto V(グランド・セフト・オートV、以下GTAV)』を基にしたMOD「FiveM」を使用した配信企画「ストグラ(ストリートグラフィティ ロールプレイ)」が、2025年12月19日にバージョンアップをしてSeason2として再始動した。
このサーバーには、経歴や界隈を問わず様々な活動者が参加しており、参加した活動者たちは、舞台である「ロスサントス」の街の住人として演じる”ロールプレイ”を行う。
日々、即興的に物語が生まれ、本当に動く街のようなコンテンツが毎日のように生まれることが魅力だ。
今回は、ストグラ主宰のしょぼすけさんにインタビューを実施。Season2の魅力と8月に幕張メッセで開催されたリアルイベント「ストグラフェス」についてを中心に伺った。
ストグラ主宰のしょぼすけさん
大盛況のコンテンツを支える主宰への取材の中で浮かんだのは、ロールプレイや体験への熱意。そして、ストグラを運営する配信者と経営者として間に揺れる苦難だった。
取材/執筆:古月 編集:Yugaming
※本インタビューは一部に開発・構想段階の内容を含みます。今後の開発状況等によっては、実際の実装と大きく異なる可能性があります。ご了承ください。
目次
「サーバーが落ちなくてよかった」大盛況のうちに終えた「ストグラ Season1」
――まずはストグラ Season1お疲れ様でした。最終日はすごい人数が参加していましたね。
しょぼすけ 最終日のラストは大体200人以上が参加したんですよね。2つ同じサーバーをつくって、入りたい人をGoogleフォームで募集してサーバーに配置しました。キャラクターがあたかも同じ街にいるように見せながら、サーバーが落ちないように最終シナリオを遂行しました。
――最終日当日は、異世界から来たピエロと住人が街の様々な場所で戦うシナリオになっていたので、サーバーが分かれていても違和感がなかったように感じます。
しょぼすけ そうなんですよ。違和感がないように、みんなには「下手に街を走り回りすぎないで」と伝えていました。
もうひとつのサーバーの方で敵と戦ってる場所に行ってしまうと、そこに誰もいない状況になってしまうので、決まった場所に集まって戦ってほしいってお願いしました。そうしないと、ストーリーが崩壊してしまいますからね。
しょぼすけ エンディングシナリオの中でUFOも出しちゃったし、異世界から来たピエロみたいなNPCをいっぱい出た中で、今まで3年間ストグラで遊んでいる人や他のサーバーで遊んでいる人も「誰もまだやっていないことをやらないと驚かないよね」と思っていたんですよね。
それでどうしようって考えたんすけど、今まで色々やってきていたので、最初は恐竜を出そうとしたんですよ。「ゴジラ出そうぜっ」って。
――(笑)。
しょぼすけ 実はFiveM(※)にはゴジラMODもあるんですよ。ただ、本当にゴジラすぎて。だから、今僕たち会社としてストグラをやっている上で「使うには、リスクが高すぎるよね」って運営チームと話し合って、でかいピエロを出すことになったんですよね(笑)。
どうすればデカいモンスターが出せるのか、ゴジラMODの中身(ソースコード)を解析してもらって、デカいピエロをゼロからつくってもらったんですよね。何十人の前で現れてもちゃんと描写されるサイズを研究しました。
最終日の大きなピエロは、一部のデバッグを手伝ってくれた配信者は知っていましたけど、本当に知らない人がほとんどだったはずなので、マジでびっくりしたと思います。あれは僕の中でも大きなサプライズとしてつくって、みんなも驚いてくれたので、良かったと思います。
最終日に上空から落ちるプラグインも実はチームでつくったんですけど、本当に200人を同時にテレポートさせて上空から落とすことができるのか分からなかったんですよ。
テストはしましたけど、100人以上を呼んで検証ってできないじゃないですか。だから、上空から落ちる瞬間に、サーバーが落ちることも加味していろいろ演出を考えていたんですけど、結果サーバーが落ちることなく演出できたので、運営・開発チームは「無事終わった!」と感動するよりも「ほっとした……」「(サーバーが)落ちなくてよかった……!」って気持ちが僕も含めて大きかったと思います(笑)。すごいリアルなゲーム開発側の気持ちだったと思います。無事にサーバーが落ちずに最終日が終わってよかったです。
※『GTA V』のマルチプレイを拡張するための無料のカスタムMODクライアント
Season2をSeason1のただの地続きにしないために下した決断
――Season1終了後はSeason2に一部データが持ち込めないそうですが、どのような経緯で決まったのでしょうか?
しょぼすけ Season1が終わった後だからこそ言える話なんですけど、本当にギリギリまで、参加者からワイプ(データ削除)について様々な意見が出ていました。
というのも、今までのSeason1で起きた事やモノはサーバー上になかったことにして、「完全に新しいサーバーとしてつくってほしい」と言われたこともありました。
でも「フルワイプするってことは、もう同じギャングでつくっちゃいけないってことなんですか?」と聞かれたこともあって、一方で「全部資産とか持ったまま移動してもいいんじゃない」という声も聞きましたし、意見が全然バラバラだったんですよね。
最終的には「しょぼすけが、やりたいようにやりなよ」って言われるんですけど(笑)。 すごい大変な時期でしたね。
結果的には、資産(アイテムや車、家など)は全部なくなってしまうけど、記憶は保持することができるので人間関係はなくならない(※) ――という方針に僕が決めることで落ち着きました。
資産については、ストグラの経済のあり方自体が僕が3年間いろいろとノリでつくってきたこともあって、ぶっちゃけめちゃくちゃなんですよ。素人が適当につくっただけなんで、どんどんインフレしてしまいました……。
(※) ただし、あくまでRPはプレイヤー次第なのでSeason2開始から記憶をなくしたり、ストーリー上で関係性を断ち切ったキャラクターも少なくなかった。
――確か途中から運営スタッフに専門家の方(ユアナさん)が入っていましたよね?
しょぼすけ そうですね。そういうゲーム関係に詳しい方も入れたんですが、それでも市民(プレイヤー)の意見を聞きすぎるところがあったんですよね。
例えば、ある人から「うちの陣営の給料が少ないです」と相談を受けて、昇給させるとするじゃないすか。そうすると、全体の給料より相対的に高くなりますよね?
そうなると、相対的に給与が少ないと感じた別の団体から「うちの陣営の給与が、別の陣営より少ないです」と言われて昇給すると、また相対的に少ない団体が現れて……ということを繰り返していたんですよね(笑)。
お金の不満は、どこの陣営からも来るんだと3年間運営する中でわかったんですよね。みんなを幸せにしようとして、全員にお金を配ろうとした結果、全体的なインフレがどんどん進んでしまって、反省していた時には取り返しがつかなかったですね。
結局「GTA」やFiveMサーバーでプレイヤーが何にお金使うのかっていうと、行き着く先は車と家なんですよ。
――確かに、そうですね。
しょぼすけ なので、プレイヤー全員が欲しい車と家を買ったら、もうお金の使い道ってない。一旦ゲームが終わりなんですよ。
なので、その目標を一旦リセットしないと、Season2がSeason1のエピローグのまま続くだけなんじゃないかなって思ったのも理由のひとつです。Season2では、プレイヤーみんなでまた目標を持ってプレイしてもらいたいですし、経済の設計を見直して、固い決心のもと運営を遂行していく必要がありますね。
――なるほど。Season2をただの地続きにしないための決断だったんですね。
しょぼすけ それを踏まえた上で、Season1のエンディングは、ネガティブなものにしたくなかったんですよね。ちゃんとストーリーをつくった上で「次の街でまた面白いことやりたい」と思えるようなエンディングをつくるべきだと思いながら、友達やチームのメンバーでエンディングストーリーを3ヶ月ぐらい前からつくり上げていきました。
――「ストグラ season2」を開発するに至った経緯について教えていただきたいです。
しょぼすけ 僕たちがストグラを始めたのが2022年の8月の末なんですが、3年前の古いフレームワーク(土台)のまま運営を続けてきました。新しい機能が出ているのにOS(WindowsやiOSなど)をずっと古いバージョンのままPCやスマートフォンを使い続ける――みたいな状態が続いていたんですね。
そんな中で「フレームワークのアップデートした方がいいんじゃないか」とか、「今の状態でこれ以上のアップデートするには限界があるんじゃないか」という意見が2024年の暮れ頃から開発チームで出ていました。
配信者サーバー「ストグラ」
しょぼすけ いろいろ悩んだ結果、3周年を迎え、本来であれば『GTA6』がリリースされるはずだった(※2026年11月へ発売延期)この時期にリリースをすることにしました。
Rockstar(GTAの開発会社)の人間でもない僕が独自で考察した内容になるんですけど、そもそも『GTA Ⅵ』は今コンシューマーだけで発売を予定していて、PC版の予定がないんですよね(外部リンク)。これって実は『GTA V』がコンシューマーで発売されたときと同じ状況なんですよね。
『GTA V』では約1年半後にPC版が発売しているので(※)、『GTA Ⅵ』でもリリースされることを大前提に話すと、PC版が発売するのって、早くとも2027年暮れになると思うんですよ。
※『GTA V』のコンシューマー版の日本リリースは2013年10月10日。1年半後の2015年4月14日にPC版がリリースされた。
しょぼすけ それで、そのタイミングからオンラインサーバーのシステムを同時に開発をスタートすると、『GTA Ⅵ』の発売から半年から1年以上は開発の地盤をつくる必要があるんですよね。なので、そう考えたときに、今後最低3年は同じ『GTA V』でRPサーバーを運営しなくてはいけないんですよね。
今が多分折り返し地点なんだと思います。なので、「このタイミングで大きくメジャーバージョンアップをして、また3年楽しめる環境をつくろうよ」というのが、今回の更新の理由のひとつです。
ただやはり今のチームの規模感では、現行のサーバーを運営・アップデートしながら、新しくバージョン2を開発するのが難しかったですね。なので、ちょっとずつ準備を進めて、2025年5〜6月に本格的に開発が始動しました。
この頃には「ストグラフェス」というストグラのイベントも進行していました。「イベントの中でやはり大きな発表をするべきだよね」ということと、我々の会社としても大きなタイミングで、かつストグラ3周年のタイミングでもあったので、いろいろと重なってストグラ Season2になることをそこで発表しました。
Season1は終わりますが、ストグラ自体が終わるわけじゃないし、今後も長く続いていくとみんなに知らせるには、こういう大きな場がいいよね――とは、会社の中で僕が中心になって話していました。
――ストグラが普通に動いている中で、Season1のストーリーのエンドやSeason2も開発しながら、「ストグラフェス」も動かすのは大変だったのではないでしょうか……?
しょぼすけ めちゃくちゃっっ!! 大変でした! 本当に2025年は新しいことにもたくさん挑戦しましたし、成長もできたし、様々な人生経験をすることができた年だったなと感じています。
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