「第12回ハヤカワSFコンテスト大賞」受賞作であるカスガさんの小説『コミケへの聖歌』が、1月22日(水)に刊行される。
この作品は、文明崩壊後の僻村で伝説とされる「コミケ」を夢見る少女たちを主役とした“ポストアポカリプス部活SF”。
単行本の装画はイラストレーターのtol8さんが手がける。価格は1980円(税込)。
東浩紀、小川一水らが選出した「第12回ハヤカワSFコンテスト」
「ハヤカワSFコンテスト」は、2012年よりスタートした、早川書房が主催するSF作家の新人賞である。
「第12回ハヤカワSFコンテスト」は、9月に選考結果が発表。
最終選考会には、批評家の東浩紀さん、SF作家の小川一水さん、神林長平さん、菅浩江さん、早川書房の編集部長・塩澤快浩さんの5名が参加。
協議の結果、カスガさんの『コミケへの聖歌』と、犬怪寅日子(いぬかいとらひこ)さんの『羊式型人間模擬機』の2作が大賞に決定した。
10月25日発売の『SFマガジン 12月号』には、詳しい選評が掲載されている。
かつて廃墟に存在した漫画の楽園「コミケ」を巡る少女たちのSF
著者のカスガさんは、この『コミケへの聖歌』がデビュー作。
カスガさんのXでは、世界設定と登場人物を紹介する4コマ漫画が公開されている。
これによれば、作中では漫画は遺跡から発掘される旧文明の資料。「コミケ」はかつて「東京」と呼ばれていた廃墟に存在した漫画の楽園ということになっている。
また、早川書房のnoteでは、試し読みとして冒頭の約2万7000字が公開されている。
あらすじ
二十一世紀半ばに文明は滅んだ。東京は赤い霧に包まれそこから戻って来た者はいない。山奥の僻村イリス沢に生き残った少数の人々は、原始的な農耕と苛酷な封建制の下で命を繋いでいる。そんな時代でも、少女たちは廃屋を改造した〈部室〉に集まり、タンポポの〈お茶〉を優雅に楽しみながら、友情に、部活に、マンガにと、青春を謳歌する。彼女ら《イリス漫画同好会》の次なる目標は〈コミケ〉 、それは旧時代に東京の海辺に存在したマンガの楽園だ。文明の放課後を描く、ポストアポカリプス部活SF。
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