実在する魔導書(グリモワール)の実物写真250点を収録した『ビジュアル図鑑 魔導書の歴史』(河出書房)が、2024年5月28日(火)に刊行される。
呪いや悪魔祓い、精霊召喚、占星術や錬金術、カバラ(ユダヤ教の神秘主義思想)、そして風水学まで、多岐にわたる魔導の世界。
本書では、約3000年にわたる魔導書の歴史とその内容を、図版250点とともに解説する。
本邦初、魔導書のビジュアル図鑑『魔導書の歴史』
『ビジュアル図鑑 魔導書の歴史』の著者は、英国ハートフォードシャー大学の社会史学教授をつとめるオーウェン・デイヴィスさん。翻訳は辻元よしふみ、辻元玲子さんがつとめている。
版元の河出書房新社によれば、魔導書に関するビジュアル図鑑は日本初だだという。
自らの欲望を実現させるべく、呪文や護符、呪いなどを用いて悪魔や天使、そして霊などを操る技法が描かれた魔導書。
西洋の魔導書だけでなく、アジア・中東・アフリカ・南米なども含め、世界の魔導書を解説。日本の妖怪(第4章)や、漫画・アニメ(第6章)も紹介しているという。
漫画『ブラッククローバー』作者の田畠裕基さんも推薦文で「めくるめく魔導書世界(グリモワールワールド)! ブラクロを描く前に読みたかった…!!!」と唸る逸品。創作の資料にも役立つこと間違いなしだ。
■目次
序章
概説/魔術とは何か?/芸術としての魔術と、魔術としての芸術
ビジュアル紹介=新石器時代の磨製石斧に文字を書いたもの(2〜3世紀)/エチオピアのキリスト教徒のアミュレット(19世紀)/『メタトロンによって明かされし白魔術と黒魔術による地獄の書』(18世紀後半)/ほか多数
第1章:古代の素材で
解説=概説/初期の筆記技術/新たな筆記技術の登場
ビジュアル紹介=『魔術ハンドブック』(4世紀)/魔法の石碑(前360〜前343年頃)/『死者の書』各種/アラム語の呪文の頭蓋骨(5〜7世紀)/中国の甲骨文字各種(前13世紀頃)/ほか多数
トピックス=パピルス/中国で見つかっている竹簡/コプト魔術
第2章:羊皮紙と書籍
解説=概説/自然魔術、文字、シンボル
ビジュアル紹介=陀羅尼木版画(980年)/『シャムス・アル・マーリフ(知識の太陽)』写本(13世紀初頭)/ラテン語と英語で書かれた羊皮紙の魔道手引書(15世紀)/『護宅神暦卷』(10世紀)/ほか多数
トピックス=羊皮紙と紙の製造/魔術王ソロモン
第3章:印刷と紙
解説=概説/魔女裁判の時代/錬金術と印刷されたイメージ
ビジュアル紹介=『デ・アルキミア(錬金術について:古代哲学者のいくつかの著作)』(1550年)より/『カバラ:錬金術における芸術と自然の鏡』掲載の錬金術の凹版銅版画(1615年)/『ワンダー・ブック(不思議の書)』より手彩色インク画(16世紀後半)/『隠秘哲学の第4の書』(1559年)より/ほか多数
トピックス=ファウスト博士/ドラゴン・ルージュ/フランシス・バレットと『ザ・メイガス』
第4章:手描きは生き続ける
解説=概説/国際的な広がり
ビジュアル紹介=『カルトラポウク(魔術の書)』表紙と装丁(1670年頃)/『ヨハンネス・ファウスト3世博士の美しき地獄の強制の黒魔術と芸術と奇跡の書』(18世紀)より/バタク族のプスタハ(18〜19世紀)より/ほか多数
トピックス=妖怪/ペンシルベニアのパウワウの伝統
第5章:パルプ印刷の力
解説=概説/ヨーロッパでのパルプ印刷の展開/植民地時代後のパルプ印刷物の爆発的増加/カラー印刷の登場
ビジュアル紹介=『大悪魔祓いと祝福の秘密の書』(1908年)より/『長く隠れていた友』表紙(1820年)/『モーセの第6と第7の書』各種(19〜20世紀)/『魔導の大芸術』(20世紀後半)/ほか多数
トピックス=天国からの手紙/ウィリアム・ローロン・デ・ローレンス
第6章:現代のグリモワール
解説=概説/魔術の復興とクリエイティブ産業の関わり/ホラーとファンタジー
ビジュアル紹介=マシュー・コリガン『ネクロノミコン』/ヴェラ・ペトラック『神秘的な魔術シンボルと絵が描かれた古い魔導書』/ジム・イングラム『グリモワール#2』/『キターピ・アジャーイビ・マクルーカート(被造物の驚異の書)』(1906〜21年頃)/ほか多数
トピックス=シジルの生成/「マンガ」と「アニメ」の魔術
参考文献/図版クレジット/索引
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書誌情報
ビジュアル図鑑 魔導書の歴史
- 書名
- ビジュアル図鑑 魔導書の歴史
- 著者
- オーウェン・デイヴィス
- 訳者
- 辻元よしふみ、辻元玲子
- 仕様
- A4変型判(246×190ミリ)/上製・角背/本文256ページ/オールカラー
- 初版発売日
- 2024年5月28日
- 定価
- 6490円(本体5900円)
- ISBN
- 978-4-309-22905-8
- 出版社
- 河出書房新社
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